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【企業が農業に参入するのは何で?】第十二弾 ~野菜通販の謎を追え(3)~

ともぴろさんに続いて、野菜通販の謎を追え! の第3回です。
●今回紹介する企業は
 ○無農薬野菜のミレー [1]
 ○ オーガニックショップ純菜 [2]
●これらの企業の特徴は?
 ①自然農法または無農薬或いは無化学肥料野菜の販売を標榜している
 ②自然の摂理に基づいた農業の可能性に気付いた人が始めた
 ③地域の小規模農家の協働によって成り立っている

●試食してみた感想は?
概ね、皆さんの感想は、スーパーで売られている野菜と比べ確かに実が詰まっている感じ味が濃い といったところでしょうか? ↓調査報告書をご覧ください!
     [3]
さて、そもそも何故味や実が違うのか、?生産者はどんな人?、一般の農業とは違いこれら自然の摂理に基づいた農業の可能性は?、といったところを今回は調べ、考えてみました。
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●何故、味や実が違うのか?
調査報告書にもありますが、その秘訣は! 🙄

この微生物の働きと太陽光をいっぱい浴びることで、作物はミネラルを豊富に擁し、美味しい作物になっていきます。成育のバランスが良い状態では、滅多なことでは病虫害にはかかりません。そしてできた農作物は細胞がギッシリ詰まり、小さくてもズシリと重たい農作物に仕上がります。
実際に細胞を顕微鏡で見てみますと、各細胞が細胞壁を境にしてキッチリ整頓して並んでいるのが観測される一方、慣行栽培(通常の化学肥料や農薬を使用した栽培方法)の農作物では、細胞そのものが歪んでいたり、乱れた状態で細胞が並んでいるものも観察されます。
以上、純菜のHPより

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写真は自然農法の畑と、雑草の中でも育つ野菜です。どれが野菜かな?(純菜HPより)
●そもそも、有機栽培、自然農法とは?
【有機栽培とは】
有機質肥料(動物、植物などを肥料にしたもの)を使って栽培した農産物。
ところが、販売者は有機栽培と表示することで高く売れると考え、無農薬・無肥料・減農薬・減肥料有機栽培などの名称が乱用されことから、消費者からの苦情が殺到、その後JAS法により「特別栽培」という名称に統一されました。自然農法とはJAS法の定義はありませんが、一般に無農薬・無化学肥料で自然の力だけに頼る農法を言うようです。

【特別栽培とは】
使用される農薬の使用回数がその地域の同時期に慣行的に行われている使用回数の5割以下であること。化学肥料の窒素成分量が栽培地が属する地域の5割以下であること。ちなみに、特別栽培米は地域によって農薬、化学肥料の使用回数に違いがあり、栽培している農家も十分に把握しづらくわかり難い制度です。
●生産者の声は?
ミレーは、販売元のインタビューワーが生産者一人一人の声を聞き、それらの声がHPに紹介されています。
>「他の所で作っている坊ちゃんかぼちゃを食べてみたんだけど、何だか味がしなくてさ、俺はかぼちゃ作りは初めてだけど、どうせなら旨いかぼちゃを作りたいなあと思って、堆肥もいっぱい入れたんだよ。」かぼちゃ生産者 山倉さん
>「玉ねぎがとてもおいしかったので、今年もまたあの玉ねぎが食べたいです。まだできないんですか?」なんてこの間言ってもらえてねえ・・・。玉ねぎ生産者 菅澤さん
>「作物を無事収穫できた時は、この仕事をやっててよかったといつも思います。出荷を手がけながら畑を見ることはちょっと無理があるから、できれば作物づくりに専念して畑だけを見ていればいい状態にしたいね」らっきょう生産者の槍木さん
>「安心して食べられる野菜を食べたかったら畑を見るのが一番だからね。それに、有機農業は農家ばかりがんばってもできるものではないから、食べる人たちにも、有機農業をやっている農家を応援してほしいんだ。」青首大根生産者 林さん

まとめると
 ・作るなら旨いものをつくりお客さんに喜んでもらいたい
 ・消費者の理解と声が何よりの活力源
 ・作物・土地毎に専門の生産者が張り付かなければできない、経験と手間がかかる
 ・手間が掛かかる故に喜び・やりがいも大きい

 
●これらの有機野菜、自然農法野菜はどのくらい流通しているのか?
2000年を境に有機農産物に対し消費者の態度は好意的なものに変わってきている。個人・世帯ベースで見ても、先進国の消費経験率は最低でも50%、高い国では70%にも及んでいるらしい。
米国で10%、欧州では4%、日本では下図の通り、低農薬野菜では4.8%、自然農法やJAS法の有機野菜に至っては未だ0.17%というのが現状です。
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純菜HPより
●有機農法、自然農法に取り組む企業の可能性は?
これまで3回にわたる「野菜通販の謎を追え!」シリーズで分かったことは、
①大手販売系(第一回目)
>常に消費者の利便性(快美性)に応えるためには、資金を投入し拡大し続けなければ、成立しない(赤字に転落する)という問題がある。
②認識販売系(第二回目)
「生産者との信認関係にもとづく取り引きをしている」、「その消費行動が今後の日本農業を再生させる」と認識しているかは定かではないですが、この「大地を守る会」の成長は、売上げだけを優先しない信認関係にもとづく新たな市場モデルの芽生えであるとも考えられ、大きな可能性を感じました。
今回③協働販売系(第三回目)での気付きは?
純菜の代表の方は

自然農法は、農作物の性質を利用した忌避植物や共栄作物を活かしながら行うことを基本とする農業ですから、どの畑も少量多品目栽培の畑が多く、大量生産大量消費型の農業とは一線を隔しています。
またこうして出来上がった自然農法の農作物は、原則的に人工的な化学物質の混入はありませんので、私たちの身体を浄化してくれる唯一のものなのです。
生産者は畑の雑草の状態や昆虫の生息状況などを観察することで畑の状態を把握し、農作物を栽培するのに重要な情報をそこから得ることで、それぞれに対応していきます。

以上、純菜HPより
と言う。つまり中途半端な減農薬、有機野菜は小手先でしかない。本当に美味しさと安全性を求めるならばやはり自然農法だということです。
しかし、あのカゴメですら無農薬トマトで10年掛けてやっと黒字転換、しかも2度失敗したことからも分かるように、大規模集約型では完全無農薬・無科学肥料栽培というのはかなり困難であることは間違いありません。
問題は、自然農法は小規模農家でしか成立しない ということです。
つまり、現在の市場へ農作物を安定して供給するためのには、小農家の協働、手間が掛かる故に生産者と消費者とを繋ぐ販売者がどうしても必要となります。
その意味で、第二回目に紹介した認識系の販売企業は消費者への認識形成を主眼としており、その発信力は大いに参考となる。重要なのは、これらの本来の自然の摂理に基づく生産を営んでいる生産者とそれらを繋ぐネットワークの構築であり、不特定多数の人に発信・販売できるインターネット通販もその中の有力な媒体の一つ だと言えます。 😀
その為には、従来の市場拡大の発想からの転換が必要。消費者発の需要中心から供給者発の認識発信が重要だということです。その為には認識の供給者の育成と、消費者の意識転換が不可欠になってきますね。
ここに企業が農業に参入する大きな意味と可能性があります。つまり、企業が持っている発信力と経営力が人材育成を促し、その人材が最大の消費地である都市とこれらの生産者を繋ぐ潤滑材となり、それらが企業の役割として今後重要になってくるのではないかと思いますが、みなさんどうでしょうか?

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