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『男女役割共認が企業を変える』3~企業はもはや単なる経済主体ではいられなくなった~

1.はじめに
前回、“ 『男女役割共認が企業を変える』2~市場縮小下の現在、企業の経営状況はどうなっているのか?~ [1]”では、市場の縮小から赤字経営→リストラと、外圧の変化に対応できない企業はどんどん淘汰されていく状況をみなさんに紹介しました。今回は、もう一つの企業をとりまく外圧として、 「コンプライアンス違反」 を採り上げてみたいと思います。
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企業の「コンプライアンス違反」は、2,000年頃からテレビや新聞紙上などで数多く取上げられるようになりました。コンプライアンス違反と言うと、一見企業が犯罪を犯したかのように捉えられますが、一般には法令違反だけではなく、もっと広く捉えられている概念のようです。
それでは、一体コンプライアンス違反とはいったいどういうことなんでしょうか?
ウィキペディアリンク [2]によると、

法律や規則などのごく基本的なルールに従って活動を行うこと。今日ではCSR(企業の社会的責任)と共に非常に重視されている。近年、法令違反による信頼の失墜や、それを原因として法律の厳罰化や規制の強化が事業の存続に大きな影響を与えた事例が繰り返されているため、特に企業活動における法令違反を防ぐという観点からよく使われるようになった。
法律や規則といった法令を守ることだけを指すという論もあれば、法令とは別に社会的規範や企業倫理(モラル)を守ることも「コンプライアンス」に含まれるとする論もある。

それでは、2,000年以降急激に増えている企業が犯した法令違反の内容や、問われている社会的規範とはどのようなものなのでしょうか、次に代表的事例を紹介したいと思います。
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2.日本企業においてコンプライアンス違反が生じた代表的な事例
●リコール隠し
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代表的なものとしては、2,000年に発覚した三菱自動車工業の乗用車部門とトラック・バス部門によるものがあります。その後、トラック・バス部門の更なるリコール隠しが2,004年に発覚。乗用車部門も再調査され2,000年の調査が不十分だったことが判明。実際の脱輪事故など整備不良の被害も影響し、前会長ら4人は有罪判決が確定している。
これ以外でも、最近は家電製品でも不良が頻発、製品回収が相次ぐ。品質大国ニッポンにったい何がおこっているのだろうか?以下、 「品質・安全・そして創造力を生む活力の再生」 [3]からの引用です。

雪印乳業の食中毒事件や三菱ふそうの製品欠陥問題などは企業犯罪という面での批判(当然の批判であるのだが)を受け、企業コンプライアンス問題(適法でありさえすればよい、さらに言えば適法であると言ういい訳が見つかればいい)という言わば目先の課題に萎縮し、スリ換えられていったのだと思う。
品質や安全の維持向上は、システム問題がまずあるのだが、本質は,それを維持運用し、改良を重ねていく地道な勤勉さや追求力であり、より良いものにしていきたいという規範意識であり、さらにその原動力は,成員の活力であると思う。
 

つまり、これらはコンプライアンス違反に終始する問題ではなく、日本企業の企業統治力の劣化という構造的が背景にあるようだ。
●下請け叩き、貸し渋り・貸し剥し
中小企業庁のまとめでは2,008年4月から2,009年1月末までの相談件数は累計2,776件と、昨年度の9倍以上に膨らんだ。政府は矢継ぎ早に動いているが、「買い叩き」や「代金の支払遅延」などを取り締まる「下請代金支払遅延防止法(下請法)」では限界がある。
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景気の回復が言われていますが、国内の中小企業の状況を見れば、内需の伸び悩みで好況感がない。景気が良いのは輸出大企業がほとんどです。こうした大企業をさらに後押ししているのが、実は輸出戻し税制度なのです。内需が伸びなくても輸出産業だけが伸びていく。 

以上、 「輸出上位10社で戻し税1兆円 ⇒輸出関連大企業の好調の秘密」 [4]からの引用です。 
 
同様な問題として、金融機関による「貸し渋り・貸し剥し」も社会問題となっている。元々は経営の健全性を保つため、貸し出し資産を圧縮する為に銀行が行ってきた行為である。ところが、2,002年7-9月期の国内銀行の中小企業向け貸出残高は199兆円で、1,997年同期から55兆円(21.6%)も減ったと言われている。 
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小泉改革にともなう新自由主義的、市場原理主義的な経済政策への批判と、小泉改革に便乗して金儲けに狂奔した経団連幹部等、大企業経営者たちへの批判にあることを忘れてもらっては困る。 

以上、 「亀井発言を断固支持する!!!~「家族間殺人の増大は大企業に原因がある」」 [5]からの引用です。
これらからは、市場原理・経済性だけでは社会や企業を統合できない、という新たな課題が登場しつつあることが分かります。
以下、参考投稿です。
小泉・竹中が歪めた実体経済を、生産の現場から反撃する。 [6]
「将来の収益性」を担保に金を貸してきた銀行、その事業モデルの終焉 [7]
大銀行は10年間法人税を払っていない! [8] 
 
 
●偽装請負
2005年にキヤノンの宇都宮工場や、子会社の大分キヤノンなど労働局から偽装請負に関する指導を受けている。キヤノングループでは、請負労働者が約15,000人居るとされ、2006年8月には偽装請負の完全解消を目指して「外部要員管理適正化委員会」を社内に設置し、派遣・請負労働者のうち数百人を正社員に採用するとマスコミに報じられた。
ところが、2007年度には新卒採用を優先し、派遣・請負の正社員化は後回しにした。この事が報道されると、キヤノン側は2006年中に430名の派遣・請負労働者を直接雇用しており、決して直接雇用に消極的なわけではない、と反論している。

キャノンが偽装請負などの違法行為を駆使して達成した純利益は¥3433億、そして消費税納税額は¥55億、受け取った還付金は¥773億です。こちらの消費税納税額は¥718億の黒字、純利益の21%は消費税を「貰った」ことによるものとなります。

以上 「トヨタやキャノンは消費税が上がれば儲かるカラクリ:輸出戻し税 ②」 [9]にあるように、これまで以上に経済利益だけを求める企業に対する規制が一段と強くなってきた ようです。
3.まとめ
これら問題事象はいくつかの内容に整理できると思います。
①品質劣化や情報の隠ぺいなど、企業の統治能力の低下問題
②製造業を中心に、大企業による中小企業・労働者へのしわ寄せに対する反動と監視圧力の高まり
③社会規範や企業倫理に反した事など、これまで黙認された事に対する規制強化の動き

 
日本企業の統治能力能力が何故これ程低下したのか?  今まで以上に経済利益だけを追求する企業には厳しい目が向けられるようになったのは何でか? 或いは、これほどまでに法令遵守が騒がれるようになってきたのは何故か?
 
第2章は、市場縮小など外圧の変化との因果関係、あるいは、企業はもはや単なる経済主体ではいられなくなってきたのは何故か?などの問題を構造化した上で、今後の企業のあり方を探っていきたいと思います。

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