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【駆動物質とは何か?】サル・人類の知能進化の駆動力:ドーパミン(1)

今回は、サル・人類の知能進化の駆動力であるドーパミンと、その駆動指令を発する中枢である、判断核(扁桃体)・探求核(側坐核)・A10核を中心とした脳回路の構造と特徴を見てきます。

■判断核・探求核・A10核を中心とした脳回路図
(実際には、もっと多数の相互に連絡する回路があり、駆動物質の種類もたくさんありますが、分かりやすく簡略化しています)

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外識回路を集約し、反復神経(海馬)と突き合わせて価値判断を下し、駆動司令を発するのが、大脳中枢系(大脳辺縁系)であり、その駆動司令の中心が判断核(扁桃体)、探索核(側座核)、A10核とドーパミンのA10神経です。

■駆動指令を発する神経核群(潜在思念の源)とその他の脳構造

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・判断核(扁桃体)
外識情報に対して、価値判断を下し、好き嫌いや怒りなどの情動反応を起こす駆動物質を放出すると共に、反復体(海馬)に対して重要な反復司令を出す。

・探求核(側坐核)
追求意欲を生み出す駆動物質を放出すると共に、情報を大脳連合野に送る。

・充足核(中隔核)
充足を追求する意欲を生み出す駆動物質を放出する。

・大脳
一つ一つ専門化(特定化)された10~1000本の特定神経の束で構成されている。全部で1000億の神経細胞。
探求⇒共認⇒観念と同類間の交信機能が進化するにつれて、大脳皮質が大きく発達していった。

・大脳連絡橋(帯状回)
反復体(海馬)(から送られた重要度の高い反復情報を突き合わせて情報の最終審査を行い、情報を大脳に送る。と同時に、快・不快に基づいて探求核や充足核にも情報をおくる

・反復体(海馬)
外識情報を判断核(扁桃体)に伝達すると共に、判断核(扁桃体)の司令に基づいて重要の高い情報=回路を反復・強化して、その情報を大脳連絡橋(帯状回)に伝達する。一時回路と永久回路の振り分けをしている「とも言えるが、その司令を出すのは判断核(扁桃体)などが出す駆動物質。

・外識弓(脳弓)
外識情報の神経の束。外識核(乳頭核)と反復体(海馬)結んでいる。

・外識核(乳頭体)大脳基底核
感覚情報を集約し(その集約核が外識核=乳頭体)、その感覚情報に基づいて歩く・歩くなどの運動指令を出す。

・感覚床(視床)
全身の外識感覚(触・臭・聴・視覚)と内識感覚を知覚して、その情報を大脳基底核や大脳皮質に伝達。

・脳幹上部(視床下部)
脳幹(本能中枢)の直上にある。摂食行動や性行動、睡眠等の本能行動や情動行動の中枢(司令部)

■脳回路の基本構造
1)「外識受信⇒探求・探索⇒適応行動」が基本構造
進化の過程で古くからあった「外識受信⇒探求・探索⇒適応行動」の基本構造に、進化的に新しい「外識受信⇒探求・探索⇒適応行動」の構造が塗り重ねられた、積層構造になっています。(多面的な外圧適応態である生命の基本構造が、脳回路にも適用されている)
脳回路図では、古い中枢系から行動指令へ至る経路と、新しい大脳新皮質から行動指令へ至る経路が、塗り重ねられているのが分かります。

2)大脳新皮質⇒大脳中枢系⇒大脳基底核⇒再び大脳新皮質に戻るループ構造になっている
このループが一度廻りだすと、外識情報の受信が無くとも、回路を作動させる事が可能になり、探求・探索を繰り返すことで、意欲(欠乏)の実現可能性の照準を絞り込むことが出来るようになります。

3)反復神経(海馬)もループ構造になっている
大脳は、反復神経を使って外識→内識を回転・増幅させると共に、外識→内識の照準を絞り込んでいって最終指令を出す。

4)駆動物質ドーパミンが回路を駆動し、さらに強化する
上記のループの中間に位置する中枢系の神経核からの駆動指令により、駆動物質ドーパミンが放出され、回路を回転・増幅し、強化する。

以上のように、基本的には反復神経が担っていたループ機能を拡張し、その上に外圧未明課題(どうする?)の答えを探求する(推定し判断する)大脳新皮質が形成されます。その駆動力がドーパミンであり、その駆動指令を出すのが、中枢系の神経核群です。大脳新皮質の発達に伴い、高度な適応行動が可能になるように進化していますが、最終的な判断は、判断核(扁桃体)がに担っています。

※次回、A10神経を中心に、ドーパミンの働き・駆動力を少し詳しく見ていきます。

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