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【左脳・右脳の進化史】7 意識を外に向け現実を対象とする時、左脳/右脳と本能・共認が繋がる

魚類~両生類~哺乳類~霊長類~人類に至るまでの、左脳・右脳の機能差→左脳・右脳の連携、統合への進化を探索する【左脳と右脳の進化史】シリーズ。
今回は、左脳と右脳が連携、統合し、観念機能が働く仕組みを追求します。

人類が獲得した観念機能と、大脳の左脳と右脳は、深く関連していることが分かっています。物事を抽象化、構 造化し本質を捉える思考を担うのは左脳ですが、本能・共認との繋がりをもつ右脳と連携することで、はじめて現実の社会や人々を対象化した観念(言葉)を作り出すことが出来ます。(逆に、右脳と切り離された左脳だけが生み出す観念は、頭の中だけの架空観念)

[1]左脳と右脳の構造

では、左脳と右脳が連携するとき(または連携しないとき)、脳はどのように働いるのでしょうか?今回は、左脳・右脳が連携する脳回路の仕組みを探ります。

■「自分だけが報酬を得る場合」と「自分と相手で報酬を分け合う場合」の脳回路
自分と相手の報酬に関する実験(理化学研究所「他人の利益を考慮する意思決定の脳回路」リンク [2])を手がかりに、左脳・右脳が連携する脳回路の仕組みを見ていきます。

この実験では、自分だけが報酬を得る場合と、自分と相手で報酬を分け合う場合に、それぞれの場合に働く脳領域と回路が調べられています。

<自分だけが報酬を得る場合>              <自分と相手で報酬を分け合う場合>

[3]

自分だけが報酬を得る場合は、左脳は活性化しますが、右脳はほとんど活性化しません。
一方、自分と相手で報酬を分け合う場合は、左脳・右脳とも活性化し、連携して働きます。そして、島皮質を結節点に、本能・共認の源である大脳中枢系とも繋がります。

■意識を外に向け現実を対象とする時、初めて左脳/右脳と本能・共認が繋がる
自分の内側に意識を向け、現実と切り離されてしまうと、本能・共認とは繋がるない、頭の中だけの観念(架空観念)になってしまいます。

その反対に、意識を外に向け、対象(相手や自然)との同期、一体化の充足可能性を探索するとき、初めて左脳と右脳とも活性化し、脳全体が連携して働きます。その時、観念機能と本能・共認が結びつき、現実の社会や人々を対象化した観念(言葉)を生み出すことが出来るのだと思います。

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