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外国から見た江戸時代以前の日本の姿-4

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外国人から見た江戸時代以前の日本の姿を紹介。そこには、取り戻したい日本人の姿がある。 ~「逝きし世の面影」 渡辺京二著より~

外国から見た江戸時代以前の日本の姿-1 [2]
外国から見た江戸時代以前の日本の姿-2 [3]
外国から見た江戸時代以前の日本の姿-3 [4]

■第九章 女の位相

●アリス・ベーコン
日本人の中で長年暮らした外国人は、美の基準が気付かぬうちに変わってしまい、小さくて穏やかで控えめで優美な日本女性の中に置くと、自分の同胞の女性が優美さに欠け、荒々しく攻撃的で不様に見えるようになる。

●グリフィス
アジア的生活の研究者は、日本に来ると、他の国と比べて日本の女性の地位に大いに満足する。ここでは女性が、東洋の他の国で観察される地位よりもずっと尊敬と思いやりで遇せられているのがわかる。日本の女性はより大きな自由を許されていて、そのためより多くの尊厳と自信をもっている。

●アリス・ベーコン
彼女は嫁ぎ先で多くの子を産んだが、そのすべてに先立たれ、婚家のお荷物になるよりはと、弟の家に身を寄せた。そこは子沢山だったので、彼女は実の母とともに子供たちの世話を引き受けた。上の子から下の子まで、次々と彼女の世話になった。彼女の背中で眠り、なやみがあれば聞いて貰い、いっしょに町歩きを楽しみ、彼女の引出から思いがけず現れるおもちゃや菓子によろこばされた。七十歳になったとき彼女が手がけた子供たちはみな成人して、その幾人かは自分の家を構えていた。彼女の曲がった腰と皺だらけの顔は、そのどこでも歓迎された。彼らはかわるがわる喜んで彼女をもてなし、彼女が自分たちに惜しみなく降り注いだ愛情に報いるのだった。

■第十章 子どもの楽園

●モース
世界中で日本ほど、子どもが親切に取り扱われ、そして子どものために深い注意が払われる国はない。ニコニコしている所から判断すると、子供たちは朝から晩まで幸福であるらしい。

●アビラ・ヒロン(イスパニア商人)
子どもは非常に美しくて可愛く、6、7歳で道理をわきまえるほどすぐれた理解を持っている。しかしそのよい子どもでも、それを父や母に感謝する必要はない。なぜなら父母は子どもを罰したり、教育したりしないからである。

●ルイス・フロイス
われわれの間では普通鞭で打って息子を懲罰する。日本ではそういうことは滅多に行われない。ただ言葉によって譴責するだけである。

●オイレンブルク
子どもが転んで痛くしたときとか、私たちがばたばたと馬を駆って来たときに怖くて泣くとかいう以外には、子どもの泣く声を聞いたと事が無い。

●グリフィス
日本人が非常に愛情の深い父であり母であり、また非常におとなしくて無邪気な子供を持っていることに、他の何よりも大いに尊敬したくなってくる。

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