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【実現塾】1/29「オランウータンの進化① 生殖・性」~授乳期間が延びているのはなんで?~

前回の【実現塾 [1]】では、「人類の祖先は? [2]」というテーマを追求していきました。実現塾の追求では、現在最も有力なチンパンジー起源説ではなく、オランウータンが人類の祖先であるのでは?という仮説に行きつきました。
今回は、人類はオランウータン起源説を解明していくため、「オランウータンの進化」から追求していきました。

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(画像はコチラ [4]からお借りしました)

「サル社会の構造」~「人類の祖先」の追求を通じてサル・類人猿の特徴や違いを多く追求していきましたが、今回はより具体的に生物にとって重要な営みの一つ「生殖・性」によりフォーカスして追求していきます。

テナガザル系(オランウータン・チンパンジー・ゴリラ等)は授乳期間や子育て期間を延ばしている

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(画像はコチラからお借りしました。1 [6],2 [7],3 [8],4 [9]

テナガザルは2年、ゴリラ・チンパンジーは3~5年、オランウータンは7~8年に期間が延長するようにテナガザル系の授乳期間はどんどん延びていきます。

みんなからの追求ポイント
・バランス感覚を鍛える
・親和充足のため
・母の行動を見て「真似」するため
・母と連携行動をとるため

みんなからの追求ポイントを深めていくと、バランス感覚を鍛えることや、連携行動をとることは「密着」の中でもできることであり、授乳期間を延ばした根拠にはなりません

●ではなぜ授乳期間を延ばしたのか

テナガザルは樹上でも樹の頂上部(林冠)に適応した種であり、その中で体性感覚がさらに必要になった種です。
体性感覚に加え瞬発力、動体視力、判断力、把握力を獲得しています。それだけ知能進化をしなければならなかったのです。
体性感覚の獲得には、後天的に脳回路を組み替えていく必要
さらに脳回路の組み換えには、母乳に含まれる成分(神経細胞の元の神経繊維や駆動物質等)によって促進
⇒「密着」ではなく、授乳期間が必要だった!

加えて、樹上は広い縄張りを獲得することが困難であるがゆえに、子育て期間を延ばし、成体数を減らした
⇒授乳期間が延びた要因の一つ

○ゴリラ・チンパンジーが授乳期間を2倍にしたのはなんで?
テナガザルに比べて、ゴリラ・チンパンジーは大型化。樹の頭頂部で生活していることは変わりません。
→「大型化+林冠生活」によりさらに体性感覚が必要となりました。

また、テナガザル以上に枝が折れないかなどの判断が必要になってくる
⇒☆テナガザルよりさらに授乳期間を延ばす必要があった

☆深めたい追求ポイント①☆

・哺乳類の中で類人猿にだけ見られる「唇」

 →母乳を”吸える”のはサル特有。
オランウータンの授乳期間は7~8年だが、ずっと母乳が出ているかは不明
⇒母乳を吸う行為自体が充足行為である可能性(唇と指先に神経回路が集中している。唇の感覚は敏感)
⇒唇の皮膚感覚も発達し、さらなる知能進化につながった可能性

オランウータン更に授乳期間が延びているがなんで?

オランウータンはほかの類人猿と違い「飢餓の圧力」が働いている(オランウータンの生息している地域は、餌が豊富な果実期と、餌がない非果実期がある。)

餌がない状態では子供に必要な栄養が確保できない

⇒子供に必要な栄養を母乳で補っている可能性が高い

子供の生存率を上げるために授乳期間を延ばしたと考えられる

☆深めたい追求ポイント②☆

非果実期にはメスも果実期の4分の1程度のカロリーにとどまりガリガリになる
→授乳期間が延びると子供にとっては生存率が上がるが、母の負担も増加する
⇒どうやって母乳を生み出したのか

次回は、今回出てきた追求ポイントをより「生殖・性」の観点で深めていきます。

 

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