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女が動く時代~第5回 大災害⇒本能を直撃⇒本源収束の中で目覚めたもの

女性に焦点を当てた「女が動く時代」シリーズ、本日で5回目です。
今回は、これまでの事例をもとに、「なぜ、女は新しい生き方を模索し始めたのか」、その理由を分析していきます。

女が動く時代 ~女たちが動き出した!~ [1]
女が動く時代2 ~自給期待に応えて活躍する女性達~ [2]
女が動く時代3~育児・教育を取り巻く女達のネットワーク~ [3]
女が動く時代4 ~女性経営者が作り出した母系集団にみる可能性~ [4]

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 ■なぜ、女は新しい生き方を模索し始めているのか?
先に挙げた女性達が新しい生き方を模索しはじめたきっかけに、3.11を挙げています(狩猟女子、防災ガール)。
3.11を振り返ってみると、津波によって多くの人の命が失われ、当たり前の暮らしができなくなるという喪失感や無能感、放射能による食品汚染、さらには、胎児・生殖器官への影響に対する不安が本能レベルで直撃した出来事でした。
また、これまで「安全」といわれてきた文明社会、その文明社会をリードしてきた政治家・学者・大企業の無責任さや矛盾に気づいた出来事でもありました。
この生命そのものに対する危機感がきっかけとなり、「自分はこれまで何も知らなかった」「自分自身がなんとかしないといけない」という強い当事者意識が芽生えたのだと思います。
この当事者意識が、「命を守る」「命の重さを見つめ直す」「命の循環を育む」といった、本当に必要なもの=「本源価値」に対する感度を急上昇させたのだと思います。
彼女達が向かった先である、狩猟・農業・漁業・防災・子育てシェアといった生業は、まさにゼロから生き方の転換を図ろうとする試みなのです。

つまり、3.11を契機に、本源価値が一気に顕在化(意識化)し、その価値を実現するために、真っ直ぐに実践しはじめた。
―これが、新しい生き方を模索しはじめた女性達の意識ではないでしょうか。

※本源価値の顕在化は、大災害という本能を直撃する出来事で一気に加速したと考えられますが、潜在的には既に転換点を迎えていたと思います。この点については、次回、さらに詳しく掘り下げる予定です。

■なんで女だけ変わったのか?男はなぜ動かないのか?
しかし、これまでの分析だけでは「なぜ女が動き始めたか」の問いに対する答えとしては不十分です。先の意識の転換を真っ先に図ったのは、なぜ女なのか?男達はなぜ立ち止まっているのか。

この疑問について、生物レベルから女の役割、女の特徴について捉え直してみたいと思います。

① 女は生殖存在=本能レベルで命に対する感度が高い
女(雌)は、命を生み、育む存在。これは、人間が誕生する以前の生物のDNAに刻まれた役割です。この本能に刻まれた役割が、女の「命に対する感度」を高めていると考えられます。
実際に、出産し、子育てをする中で、これまでの価値観が転換し、子育てシェアや地域のコミュニティづくりに目覚める女性も少なくありません(詳しくは、シリーズ3.4を参照)。

子育て [6]

② 本源課題に素直に充足できる心のありよう
先に挙げた女性達は、みなさん活き活きしています。生きることに対して全身で楽しみ、充足している表情が伝わってきます。既に動き始めている女性達は、本源価値を実現する過程を素直に喜び、充足しています。小さなことでも素直に充足できるという、心のありようが活力源になっています。

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③古い制度、観念にとらわれる必要がない
彼女らの考えは一言でいえばシンプルです。
「本当に必要なものはわかった。あとは実現するために、動く」。
これだけです。可能性が見えたら迷わず動くという素直さが、スピード感の違いとなって現れます。無題 [9]無題 [9]

一方、男はどうでしょうか。
男の役割は子供や女を守ることですが、現代社会でこの役割を実現するには、企業で働き、それなりのお金を稼ぐ必要があります。そのためには、既存の社会・既存の制度を対象化することを避けては通れません。
男も本源価値の見つけ出すことはできますが、社会の中で生きていく中で、古い制度や観念に縛られる傾向があります(ex.年功序列、男は稼いで一人前、結婚して一人前)。
また、直感(潜在思念)を大切にしながら物事を考える女と違い、男は観念を使ってものを考えることが得意です。しかし、その観念が古ければ、新しい価値、新しい社会の実現に向けて、二の足を踏んでしまうのでしょう。

無題 [9]無題 [10]

誰もが社会の転換期を感じとり、新しい生き方を模索し始めています。それを素直に看取し実践する女達と、古い観念に縛られ新しい可能性の探索を封鎖している男達。
この違いが、新しい生き方の実現に向けた行動の差を生み出しているのです。

次回は、時代背景にまで視点を広げ、次代の行方を踏み込んで分析していきます。
お楽しみに。

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