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2009年08月31日

医局体制ってなに??~その2

おはようございます
前稿のつづきです
磐石のように見えた「医局講座制」ですが、図解にあったように主には若手中心に医師の意志(シャレです。意識ですね )変化が大きいのですが、このほかに医局体制を揺るがす制度が導入されたのです。
そんなに昔のことではありません、2004年小泉政権下での構造改革の一つなのでしょう
、現場ではスーパーローテーションなどと呼ばれている「新臨床研修医制度」です。
この新制度と医局体制との関係をもう少し詳しくみていきましょう 😉
その前にいつもの オネガイします。
 

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ありがとう 😀
■■新臨床研修医制度とは何か?■■
● 制度の変遷を辿ってみます
・1946年(S21年)~1968年(S43年):インターン制度(実地修練制度)
  →医学部卒業後、医師国家試験受験資格を得るための義務として、卒業後1年以上の
   診療及び公衆に関する実地修練を行う制度
  →医師免許がないまま医業を行い、身分・収入は不安定
・1968年~2004年(H16年):旧研修医制度
  →医学部卒業直後に医師国家試験を受験し、医師免許取得後も2年以上の臨床研修を
   行うよう努める制度
  →基本的に医局に所属し、過重労働、未経験なのに重責をになう
  ⇒元々正規スタッフとしての医師数の不足を、医局が過酷で無休・薄給の労働環境
   を研修医中心とした若手医師に強いて今まで何とか対応してきたとも言える。
・2004年(H16年)~:新臨床研修医制度
  →専門領域の習得だけでなく初期診療(プライマリ・ケア)を含めた診療能力の習
   得を目指し、2年間の臨床研修を義務化した。同時に適正な給与の支給と研修中の
   アルバイトを禁止している。
   若手医師が研修先を自由に選べるようになった為、従来の医局の影響力が低下し
   た。
新臨床研修医制度と医局講座制の弱体化
 ・新たに導入された「マッチング制度」(研修希望者と研修病院をコンピュターで
  マッチさせる制度:厚労省、民間の紹介機関も存在する)
  により研修先を自由に選べるようになった。その結果教育体制の整った都市部に研
  修医が集中し、地方の医師数が不足する事態となった

 
 ・かって研修医の収入源であった、市中病院の当直や外来診療などのアルバイトが禁
  止された為、夜間や休日の医師数が確保出来なくなり正規医師の過労働~診療拒否
  などに繋がる

 
 ・研修医は志望科に関らず多くの科をローテーションすることになり、半強制的であ
  る為教える側と教わる側との意識と意欲のギャップが大きく軋轢を生む、また教育
  施設が全ての病院に整っている分けではないので本来の幅広い診療能力の習得とは
  かけ離れた現状である

 ・このローテーションによって専門科を選択する前に医療現場の現実を目の当りにす
  る為過重労働を強いられたり、訴訟リスクの高い専門科を選択しなくなってきて
  いる

さらに
 ・マッチング制度により医局の人事への影響力(権力)は確実に低下、例えば東大病
  院においても自大出身の研修医はH14年:103名、H15年:92名、H16年:56名、
  H17年:42名と激減している。
 ・他大学病院でも軒並み同様の現象が起こっていることは想像に難くない、その結果
  大学病院医局の人材不足を補う為、市中病院に派遣していた医師を引き上げ始め、
  特に地方病院においては診療科を閉鎖、過疎地では医療そのものが成立しない事態
  となっ」ている

  →2004年8月の全日本病院協会の調査では、過去1年間に医師を引き上げられた比率
  は、常勤医師で24.3%、非常勤医師で34.1%を示した。
まとめ
以上より分かってきたことは、時代の潮流に合わない旧態然とした医局講座制はいずれ崩壊の運命にあったのでしょうが、その後押しをしたのが、未だ導入の真意は不明ですが国主導の「新臨床研修医制度」であったことは間違いなさそうです。(東海大学、弘前大学、札幌医大では医局制を廃止、その他大学でも追従する流れにあるらしい)
ただ合点が行かないのは、新制度によって改革されたのは大学病院における人事制度だけであって、医局体制が瓦解することによって顕在化する新たな問題=私達にとって一番身近な医療の問題には何も応えられていないと言うことです。そのお粗末さを繕う為に「医療崩壊」と言う大問題を矮小化し「医師不足」問題にスリ替えているように思えてなりません。
そして最も問題と思えるのは、かっての市民革命よろしく旧体制打破⇒自由の獲得と言う旧観念のロジックによって自分達の仕事は成したと満足している国=官僚達の姿です(新制度発足から5年経ち、様々な問題が噴出しているのに何一つ示さない)。これでは、たとえ「医師不足」は解消したとしても「医療崩壊」の根本は解決しないことは私達素人が考えても明らかです。
まだまだ問題は根が深いように思えます、さらに継続して追求していきます。
*参考にさせていただいたサイト、文献:日本と欧米の医療文化史、阿修羅「臨床研修制度で変る大学病院」、医療講座制の仕組みと課題、医療崩壊~医師不足を切口に~

 

コメント

200件以上提案したら15万円がもらえるというのは、1件提案の参加賞500円とはまた別なのでしょうか?
そうだとすれば、15万+200(件)×500円=25万
で、25万円ももらえることになりますね!
欲しいです…
いずれにせよ、
>業務を改善するアイデアなどを1件提案するごとに、500円を支給する社内制度を用意している。<
のはいいシステムだと思います。
500円という具体的な評価がもらえることにより、アイデア発信意欲が高まる。さらにそのアイデアが優れたものであれば、実際に経営その他の場面で採用される。したがって自身が経営に参加しているという充足が得られ、結果的に企業への帰属意識が高まる。
個人的には500円というワンコインがミソですね。
「昼食代が浮くな」くらいの軽い気持ちで各々が取り組めることが、年間1万件もの提案につながっているのではないでしょうか。
とても理にかなった主体性教育だなあと感じました。

  • syu
  • 2010年1月9日 02:24

syuさん、コメントありがとうございます。
>個人的には500円というワンコインがミソですね。
★確かに未来工業の仕組みは、背伸びをせずに「身近かつ日常的」なものですね。
「常に考える」の看板も社内のあちこちに掲げられているようですが、常に目に入ると本当に考える癖がつきそう。
因みにこの会社に出会って気づきを得てから、私も「常に(なんで?を)考える」を実践し始めてます。

  • seiichi
  • 2010年1月12日 17:23

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