2022年09月27日
【波動って何?】螺旋は宇宙の普遍的構造
シリーズ5回目。今回は「宇宙」を探索します。惑星、太陽系、銀河のどの位相にも、共通して渦(螺旋)現象が見られます。それらの現象から、その本質(普遍構造)に迫っていきます。
■惑星、太陽系の螺旋軌道
惑星は太陽の周囲を円軌道を描いて回っています。そして、太陽は同時に、銀河系の中心にあるブラックホールを中心に猛スピード(時速約83,700km)で円軌道を描いて回っています。地球が太陽の周りを回る速度は、時速約100,000kmで、地球が太陽を回るよりもほんの少しだけ遅いスピードで、太陽自体が回転運動をしています。したがって、地球や、同じく太陽の周りを回る惑星が描く軌道は、円ではなく、螺旋を描いています。
左上:陽移動による地球公転軌道(らせん形)(出典:宇宙は多重らせん構造)
左下:銀河系移動による太陽軌道(らせん形)(出典:宇宙は多重らせん構造)
右 :惑星の螺旋軌道のイメージ(出典:アマカナタ)
■渦巻銀河
渦巻銀河は、渦巻構造を持ち、恒星や星間物質が円盤状に集まっています。重力による集中力と円盤部の回転による遠心力とが釣り合い、形を保っています。様々な形状の渦巻が見られます。
左:ウェッブ望遠鏡がとらえた渦巻銀河M74の中心付近(出典:アストロピクス)
中:重なり合う10億光年以上先の2つの銀河 (出典:アストロピクス)
右:スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河M81(出典:アストロピクス)
■ブラックホールが発するらせん状の磁場
巨大銀河M87の銀河中心にある超巨大ブラックホールから噴出している宇宙ジェットが、DNAに似た二重らせん構造をしていることが明らかになりました。宇宙ジェットは、らせん状の磁場によってブラックホールから約3300光年離れたところまで及んでいます。
左:国際研究チームEHTが撮影したM87中心ブラックホールの画像(出典:国立天文台)
中:楕円銀河M87の可視光写真(出典:国立天文台)
右:M87中心ブラックホールの周辺のイメージ図(出典:国立天文台)
■宇宙の大規模構造のフィラメントの螺旋
広大な宇宙の中で銀河は一様に分布しているわけではありません。銀河は銀河団や、銀河団どうしをつなぐフィラメント状の部分に集まって分布しています。暗黒物質(宇宙全体に偏在する目に見えない正体不明の物質)と銀河が集まっているフィラメントは、長さは数億光年、直径は数百万光年ほどです。網目のようなその構造は「宇宙の大規模構造」と呼ばれています。宇宙の大規模構造を織りなすフィラメント状の部分が、数億光年のスケールで回転していることが発見されました。
左:スーパーコンピュータによる世界最大規模の“模擬宇宙”シミュレーション(出典:国立天文台)
右:銀河団どうしをつなぐ架け橋であるフィラメントを描いた想像図(出典:アストロピクス)
■宇宙は多重螺旋構造
宇宙は、惑星・太陽系・銀河・銀河団・宇宙の大規模構造のそれぞれの階層ごとに螺旋を構成する、多重螺旋構造を形成しています。螺旋は宇宙の普遍的構造なのだといえそうです。
暗黒物質で満たされた宇宙空間を原子や分子などの物質が移動していきます。そこでは、原子や分子がぶつかり合う「干渉」が発生します。干渉は渦を発生させます。「カルマン渦」と呼ばれる現象です。宇宙では物質が回転運動をしていく中で、他の物質との干渉により小さなカルマン渦があちこちで発生し、それらの渦が途方もない長い年月をかけて交わり、少しずつ大きな渦(銀河)になっていたのかも知れません。
左:カルマン渦列のシミュレーン(出典:コトバンク)
右:カナリア諸島とマデイラ諸島から南南西に伸びるカルマン渦型の雲(出典:Wikipedia)
- posted by sai-yuki at : 22:26 | コメント (1件) | トラックバック (0)
コメント
らせんはシンクロトロン、サイクロトロンと同じと説明したほうがいいと思う。カルマン渦だと宇宙空間に粘性がないとできない。
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