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2011年10月13日

「いい会社」をみんなで追求する『天竜精機』の秘密に迫る!

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多くの製造業において職人的な職能意識からか、従業員は自身の技術向上への意識が強い反面、社員同士のコミュニケーションには意識が向かいません。
しかし製造業、しかも最終製品ではない、部品生産業という仕事を大きな視点でとらえればいくつもの部品を組み立てて作る製品の一部を作る仕事であり、それらの集大成が最終製品となることを考えれば、社会や他者とは切り離せなせません。
この視点は、社会の統合原理が序列原理から共認原理に転換した今、社員の活力や企業の業績を考えるうえでますます重要となってきます。
今回紹介する天竜精機(リング)では、先代から会社を引き継いだ芦部社長が試行錯誤を経たのち、トップダウンではない社員自らが考え企業改革を実現する仕組みを実現しています。本日は社長の取り組みと、ポイントを紹介したいと思います。

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まずはじめに芦部喜一社長が取り組んだのが、「風土改革」
です。
2005年に仙台からの会社を引き継ぎ、社長に就任されて以来、会社の「風土改革」一点に最大のエネルギーをつぎ込んできました。そして、様々な施策は、社員たちの意識と行動を徐々に変えてきました。
 
会社とは社員で成り立っている以上、社員ひとり一人の能力を最大限に活用すると共に、社員の動きが連動し、チームの力、組織の力として機能する必要がある。
そのために会社の雰囲気、風土を良質なものにしなければなりません。
これは『「土壌」がよくなければ、どんなに良い「種」を蒔いても、「花」も咲かなければ、「実」もならない』
という社長の認識の元に始まった「風土改革」の中身であり核心です。
ここで面白いのが、社長の改革の手法の変化です。社長交代当時は、トップダウンで意識改革を進めようとした部分もあったのかもしれませんが、
序列原理から共認原理に大きくパラダイム転換した時代潮流と呼応するように、取り組みの多くを社員に任せるようになっています。
今や天竜精機の魅力のひとつとなっている「5つのブログ」があります。社長ブログもありますが、ほとんどのブログが実は社員や就職前の内定者などで運営されています。
まずはこれらのブログを簡単にご紹介します!



①採用担当者の「天竜精機ふれあい広場(パーク)よりこんにちは」


社員+内定者36人が交代(ランダム)で日々の出来事を綴るブログです。
採用活動や研修会に向けての準備、日々の出来事等が本当にざっくばらんに書かれています。
忘年会でのおちゃらけ記事もあれば、時に仕事での反省や感謝の記事等。職場と家庭の出来事が分け隔てなく書かれいている為、社員みんながまるでひとつの家族のように生活している様子を垣間見れるほのぼのとしたブログです。



②総務担当から見る会社の風景


総務担当者が交代で運営するブログです。会社への取材に関する内容や、社内外のイベントについて写真を載せてみんなの「咲顔(えがお)」を楽しく紹介してくれています。



③天竜精機の若きリーダー、只今奮闘中


日々、社員と接するなかで見つけたちょっといい話などを紹介し、皆で元気な会社を実現すべく、各部署の課長さんたちが奮闘する日々を綴るブログです。



④「Fプロジェクト」・・・いいミッションってどんなだろう!


このブログは、会社のミッション・ビジョンつくりの担当になったプロジェクトチームのメンバーが、活動を通じて、社員(仲間)の幸せの実現を考え、日々奮闘している様子を綴ったブログです☆
本当に日々奮闘であり、単にいいことだけでなく、働く社員の“葛藤や反省”、そして仲間やお客さんに対する心からの感謝あふれるブログです♪
社員のサポート役として、プロジェクトメンバーの考えを押し付けるのではなく、研修会や普段の社員同士の会話の中から挙げられる、社員の声に耳を傾け、会社のミッション・ビジョンの検討を社員(仲間)と共に積み重ねてきた過程がよくわかります☆



⑤社長芦部喜一の「いい会社って、どんなだろう」


芦部社長自らが一日も欠かさず発信し続けるブログです。試行錯誤を繰り返しながらも、社員の充足体験の共有による社内活性化と改革に一喜一憂する様子が綴られています。
この中で社員が活力を持って運営する「公開研修会」についてのコメントが、印象的です。


紹介したブログをヒントに引き続き、天竜精機の魅力と可能性について、1)社員みんなの活力を引き出コミュニケーションと、2)会社を超えた取り組み(社外ネットワークの構築)に焦点を当ててご紹介したいと思います。


1)社員みんなの活力を引き出すコミュニケーション

社員が内向きではなく、外向きなれる理由として、常に活力を生み出していける場づくり(社風づくり)、と制度化(システム化)があげられます
ここで重要なのは社長の意識やトヨタ時代からの改善。「何事もやってみよう!」の姿勢が、上から押し付けるのではなく、自然と従業員から生まれることを意図して、会社の雰囲気づくり、コミュニケーションづくりをしていることです。
①場作り(社風づくり)から意識改革へ
年末年始に行なわれる「ありがとうカード」を筆頭にあらゆるイベントやプロジェクトが実施され、社員主体の場を実際に作り、運営を任せることで、当事者意識の生起はもちろん、職場の話しも家庭の話しも分け隔てなく共有できる仲間意識を育んでいます。
またリクルーティングプロジェクト、人事制度改定プロジェクトなどを通じ、社員が組織について考えることで、「想いを同じにする組織」を実現しています。
これらが意図するところは、感謝の言葉を伝えたり、仕事とは別の面を見ることで、日常のコミュニケーションの活性化と、仲間との「まじめな雑談」を生む場作りといえます。
②意識改革から行動改革、体制改革(システム化)へ
変わり始めた社員の意識は、いたるところで会社の仕組みを変えていきました。
自主的な技術向上を社員自らが考えるようになると、従来の役職も位置づけがかわり、「社員を管理する」とい役割の管理職を廃止し、「自ら考える社員」を文字通り支援する、支援職という役割を設けました。
そして、彼ら支援職は「本気の朝礼」を自主的に開催するようになりました。上からの指示ではなく、当事者として必要なことを探し、動き出した結果のことです。


2)会社を超えた取り組み(社外ネットワークの構築)

社内資源を活用し、社外へうまく繋げていく取り組みとしては、やはり①公開研修会、と②社員によるブログ、が特徴的です。
①公開研修会
意識改革は公開研修会、公開成果発表会という商品につながりました。
これは社内での研修会や技術的な成果発表会について、社外の方を積極的に巻き込み、自社の技術・人材育成システムを商品化する取り組みです。
社員が社会性を持ち、社会のニーズを深く読み取り技術向上・改善につなげていくというプラス効果をもたらしました。

②社員によるブログ

先にもご紹介しましたが、5つのブログも注目を浴びています。
一般的には企業秘密である社内の様々な研修会や技術発表会を、他の企業の方も参加できる形で商品化して運営、その上に参加者との意見交換などを、ブログを使いオープンな場で行っています。
社員や内定者、そして研修会参加の社外の方が、自身の言葉で活き活きと発信し、多くの交流が生まれるこのブログ自体が既に、天龍精機の「会社の仕組み」や、「意識改革⇒行動改革」をアピールする売り物になっています。
「いい会社」の定義は、経営者や従業員でことなるのが一般的ですが、天竜精機は日常的な会話で「考え方」が伝わる組織を実現し、常に想いを共有する社員たちで「企業=共同体」を実現している素敵な会社だと思います。

 

コメント

力作!特に
>冷静に俯瞰すれば、大企業群を中心とした「財界」は、政官財の一部、つまりは、自社への利益誘導の為のパイプ作りにこそ、心血を注いできたのであって、決して企業間闘争に力点を置いていたのでは無いことが見えてきます。だとしたら、「私権闘争圧力」はどこに働いていたのか? それは、閨閥の外側、つまり貧困の圧力を土台とした庶民の間にだけ作られた、人工的な圧力だったのではないでしょうか?
は全ての普通の人々が知るべき重要な事実である。

  • 匿名
  • 2012年6月5日 14:00

まとめの段の数行上にある「金融中毒と貸した」。化したが貸したになっています。

  • 安斎 源則
  • 2012年7月16日 09:40

安斎様
長文にも関わらず、しっかりとお読み頂いた上での
ご指摘、ありがとうございます。
本文修正致しました。
今後ともよろしくお願いいたします。

  • 川井
  • 2012年7月18日 13:07

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