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2011年10月15日

相手発の充足づくり“おもてなしの心”で未来を切りひらく『都田建設』

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都田建設は、浜松市を中心に木造住宅の元請工事を専門とする、若干40名程の社員で構成される建設会社です。
業績は、昨今の住宅着工件数が縮小している中、11期連続で増収増益を更新、かつ無借金の健全経営を行いながら、業界の平均を大きく上回る、10%近い経常利益を叩き出しています。
しかも、彼らの組織は、専任の営業マンも、顧客向のモデルハウスも持たず、住宅販売を行う業界の一般的な姿とは、一線を画した経営戦略をとっているのです。
仕事振りも、社員の活力はもちろん、顧客や地域からの厚い信頼を獲得し、地域に密着した多様なサービスを展開しながら、同じ価値観を共有する仲間の拡大(ネットワークの形成)を実現しつつあります。
このような組織風土をつくりあげ、業績を牽引してきた中心人物である蓬台社長(2007年に社長に就任)は、信頼獲得の要因をこのように語っています。

「当社の最大の商品は『ホスピタリティ』と考えている。住宅商品で勝負しているわけではない。いくら良い材料を使っても真似され、いくらすばらしいデザインを考え出したとしても陳腐化してしまう。
では時代によって変化しないものは何か。それは『人と社風(会社の考え方)』。会社で選んでいただき、物で選ばれない企業になる必要があると考えている。そのために社員全員で徹底的にホスピタリティの気持ちで顧客に接するということが重要になってくる」l(工務店新聞より)
※ホスピタリティとは、おもてなしの心を持ち様々なサービスを提供すること、お互いを思いやり、手厚くもてなすこと

1970年に物的な豊かさが実現し、市場が縮小過程に入ってから約40年、企業が生き残り、かつ社会の役に立っていくためには、“脱物的価値”へ移行する人々の意識をつかむこと、企業を構成する社員の意識を、自社の利益追求第一から、相手発の“おもてなしの心”第一への認識転換が必要である。ということなのです。
では、短期間でこのような組織風土と成果はどのように生み出されてきたのでしょうか?

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☆ 社内に“おもてなしの心”を育成する様々なトレーニングの場と仕組みをつくる。
①週1回の全社員によるバーべキューで一体感をつくりあげる

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これは毎回1人がリーダーに選ばれ、一時間以内に調理、食事、後片付けを全社員分行わなければならない。条件は一人で行わずに必ず誰かを巻き込んで達成しなければならないということ。実はこのバーベキューはどのような計画を立てれば目標を達成できるかということを自分の頭を使って考えること、人と協力すること、そして、仲間と食事をしながらチームワークを育むといったメリットが得られるように仕組み化されているものなのだ。当然ながら成功すれば達成感を味わうことになりモチベーションも高まる。(リフォーム産業新聞より)

一見、仕事とは無関係と捉えられがちな活動の中に、相手発に立った充足づくり=“おもてなしの心”の育成要素が沢山込められているようです。

・社員全員に心配りがいきとどくための同化能力や柔軟性。
・決められた時間とルールの中で、課題を遂行するための照準力と段取能力。
・仲間との課題共有と役割分担を行うための協調性と責任感

これらは、仕事で求められる能力や、顧客をもてなすうえで必要となる心の在り様の形成の土台にもなっており、日ごろから仕事以外での場面でも育成することで、本物の力として養うことを目的としているのです。
加えて、専門的な仕事を離れた活動の中で、社員それぞれの個性や潜在能力を引き出す効果もあり、この活動で発掘された能力や特性が、現実の仕事の中にフィードバックされているわけです。
最近は、この場に顧客や地域住民の方も参加するようになったことで、社員の能力上昇や活力形成の場に留まらず、地域の情報交換や顧客からの評価形成の場としても機能し始めているようです。
②週1回の全社員による勉強会

社員教育にも力を入れています。私自身が講師を担当します。新人には年に4回個人面談を行うし、マネージャークラスには毎月1回研修(通称「大ちゃん塾」)を行います。そこで、会社や個人のビジョン、リーダーシップ、コミュニケーションのとり方などをみっちり教育しています。あと、毎週木曜日の午前中には全体勉強会を行っています。そこで、業界のこと、会社目標、課題、社風のことなど議論します。この全体勉強会は会社にとって最重要行事と位置づけています。

これらの勉強会を全員参加で行うことで、自社を含む業界や、地域社会を取り巻く外圧=課題を全社員で共有でき、状況認識の共有から課題の共有、役割分担や行動方針を生み出し、全員が当事者として組織運営に関わることで社員の活力形成の場として機能しているのでしょう。
旧来の序列統合(トップダウン)による運営にありがちな、課題の背景や意味がつかめないまま、行動方針だけが降りてくる組織風土とは当事者度が大きく違います。
☆“おもてなしの心が”顧客との密な繋がりを実現し、社員の活力を更に上昇させる。
①価値を提供している=顧客との繋がりは家が完了してから

多くの建築会社では形骸化されているお客様の優先順位ですが、蓬台社長は、まず1番は、もう既に完工したお客様であり、その次の2番が工事中のお客様、そして3番が契約前だが、もう都田建設に依頼することを決めているお客様、最後がまだどこに頼むか決めてないお客様、とされています。 (建設未来研究所セミナーにて)

目先の利益拡大を第一にすれば、顧客優先度は上記と逆になる場合が多いのですが、彼らの理念からいけば既に関係ができ、価値観の共有が始まった顧客=仲間への“おもてなし”のフォローが最優先課題であり、その満足度こそが新規顧客の裾野を広げる営業活動になるということなのです。
これらは、見方を変えれば、充足関係の実現態の形成が第一で、そこで可能性を提示することこそが新たな充足ネットワークの形成→拡大に不可欠な要素だという認識があるのでしょう。
②日々の気付きの発信とすりあわせの場をつくる

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都田建設は、社内で勉強会をかなりの数を行っていて自分の成長が、お客様へのサービスレベルアップにつながることで仕事と人生が、密接につながりそれこそが楽しく生きるという風に思ってもらえたらなぁと私は考えます。学びの機会に自分からの意志で参加すると、何かが確実に変わり始めます。

毎週、最低400分以上を勉強会にあてるそうです。しかも多くの勉強会は社員達が自主的に企画し、声を掛け合い、皆を巻き込み、皆が成長できる場をつくっているのだそうです。
目的も、仕事とプライベートを分けるのではなく同じ価値軸上で捉え、仕事の結果を作るだけの勉強会にはしないそうです。そしてその場での気付きを仲間(社員、顧客)とシェアすることで、新たな課題や可能性をすり合わせる場として運営しているのです。
このように“おもてなしの心”を高めるための認識の共有や、場づくりが、誰かの役に立ちたいという想いを醸成し、顧客との密な繋がりを実現させ、社員の活力を更に引き上げているのです。
☆“おもてなしの心”が、地域社会との密な繋がりを更に広げていく。
地域と密にかかわり、共に豊になっていこうという思いからカルチャー&ギャラリー「キララ人工房」の運営を開始。社員は業務時間内自由参加!!

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昨日、カルチャー&ギャラリー『キララ人工房』にて第一回目の「キララカフェ」が開催されました!!一人一品お料理を持ち寄りのサンドイッチパーティー☆ 今回参加してくださった方は、都田建設でお家づくりをして下さった・・・(中略)スタッフでは、ようちゃんとさいちゃんとれんちゃんが盛り上げにきて下さいました。お子様を含め、総勢16人のパーティー☆私もちょっぴりお邪魔して、ちゃっかりご馳走になっちゃいました♪家づくりのことや講座のこと、丁寧な暮らしについて新しい「つながり」、より深い「つながり」の場になるようもっともっと素敵な集いにしていきたいです!

このキララ人工房のほかにも、まつりの企画や地域菜園やインターンシップなど様々な活動で地域と繋がりをつくっています。そして、地域との繋がり、仲間との繋がりから新たな可能性や課題が生まれているのです。
“おもてなしの心”は、社内の人材育成に留まらず、顧客との繋がり、更には地域社会との繋がりへと対象を広げ、より多くの評価の中で更なる進化を遂げていっているのです。
このように、業界の主流である大量の広告費により幻想価値をつくり、ややもすれば利益追求第一の影で顧客の充足が置き去りにされがちな市場原理に沿った組織運営とは間逆にあることが分かります。
都田建設は、どの場面でも相手発の充足づくり“おもてなしの心”で運営されているのです。そして、その理念・姿勢を貫く為には、周り(顧客や地域)とも課題や充足を共有し、常にリアルな評価に向き合い、試行錯誤していくことが、その場に参加する人々の活力に繋がると確信しているのでしょう。
これは、期待応望の共認充足で組織を統合する時代に変わったことを確実に捉えているからのでしょう。
今後も都田建設の組織づくりには注目です!

 

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