2007年12月16日
企業で寮や社宅の復活の兆し
以前、「企業と学生の意識のズレ」でも紹介しましたが、企業が学生に求める事項のトップには、対人コミュニケーション力、行動力、協調性、といった項目が上位を占めていることを書きました。
学生にこれらを求めているというのは、裏を返せば企業が不足していること。特に8割以上の企業が重視しているコミュニケーションが極端に悪化していて、それによる社内の活力が衰弱しているのが現状。
そもそも、日本企業の良さは、共同体として調和のとれた組織を築き上げてきたこと。そのベースがあるからこそ一体感や連帯感を武器に、戦後の日本を経済大国へと押し上げたわけです。日本人の勤勉さだけではなく、この共同体風土は日本の強みだった。それゆえに、社宅や独身寮、運動会や社員旅行はその一体感や連帯感を維持する共同体のシステムとして有効に働いていたといえます。
しかし、急速に進む個人主義や権利主張は共同体を解体させ、企業の社宅、寮を解体し、運動会や社員旅行もなくなっていきました。その結果、人の和=人間関係が急速に悪化し、コミュニケーションが減り社内活力が衰弱してきたというのが時代の流れでしょうか。
ですから、企業側にとって社内コミュニケーションを活性化させ、社内活力を上げることが急務なわけです。これに気付いた企業から、徐々に共同体風土を再構築する兆しが見られます。
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大手企業で、バブル崩壊とともに消えた運動会や社員旅行、そして独身寮などの復活が相次いでいます。
アルプス電気では、今年13年ぶりに運動会を開催、ホンダの鈴鹿製作所では、24年ぶりに運動会復活。三井物産では、13年ぶりに独身寮を新設・・・など。
三井物産今春から独身寮復活 新人の大半が希望 (1月8日 朝日新聞)
http://blog.tashiro-sr.com/archives/50288947.html
三井物産(従業員約6千人)が今春、独身寮を復活させる。バブル崩壊後に資産整理の一環としてほとんどを廃止していた。仕事以外の時間も同僚と一緒に過ごすことになる独身寮は若者にとって「プライバシーが守れず、窮屈」と、かつては不人気だった。ところが、会社側が積極的に勧誘したこともあって、今春入社予定者では、全114人のうち108人が入寮を希望するほどの人気ぶりだ。
独身寮は東京都練馬区や千葉県船橋市などの4棟450室を借り上げる。1棟は女性専用。1室当たり15~20平方メートル。家賃は月5千~8千円。食堂や大浴場、テレビを備えた共有スペースもある。
同社の瀧口斉・人材開発室長は、「人と人とのつながりを大切にする日本的な企業文化のいいところを取り戻す」と独身寮復活の狙いを語る。一方、新入社員にとっても、多少の不自由さはあっても、「寮費の安さ」が魅力だったようだ。
労務行政研究所の01年調査(回答企業約400社)によると、4社に1社が独身寮を統合・廃止したという。とくに社員3千人以上の大手企業では6割が統合・廃止に踏み切っていた。(了)
私も、1985年に就職してから結婚するまでの6年間を独身寮で過ごしました。地方出身者の私にとって、右も左もわからない東京での生活は、不安でしたし、高校や大学時代も寮生活を経験していましたので、迷わず独身寮に入寮しました。食堂はもちろん、風呂、洗面所、トイレなどすべて共同でした。入社したての頃は、同期の誰かの部屋に集まり、酒を飲みながら、将来の夢を語り合ったものでした。また、入寮されている先輩諸氏から、ビジネスマンとしての心構えや社内情報などをお聞きしたことを思い出します。
独身寮には、このように社内の横・縦・斜めのインフォーマルな関係をうまくつないでいく役割があり、これは、社員(特に新入社員から3年目くらいまでの若手社員)にとって、ありがたいものだと思います。多くの大手企業では独身寮を統合・廃止しているようですが、私が勤務していた会社では、社員数減少に伴い一部統合しましたが、廃止はしませんでした。
会社にとっても、三井物産の人材開発室長のコメントのようなメリットがあると思います。また、新入社員時は、心身に不調をきたすこともありがちだと思いますが、寮で共同生活をしていれば、発見されやすいでしょうし、借家での一人暮らしよりは安心だと思います。
同じ釜の飯を食い、風呂場では裸の付き合いあり。なにより、生活と職場が一体ってすごく安心できるのだと思います。マンションで隣に誰が住んでいるか分からない、って実はとても精神的に不安定なのではないでしょうか。1人暮らしマンションでの強盗殺人事件なども後をたたず、防犯に力を入れれば入れるほど不信や不安感が募り、個的生活を強めていくよりも、皆がいる安心感のある寮が人気なのも頷けます。というよりも、今の若者は個的生活よりも、人や仲間に向かっている世代ですから、企業の共同体風土再構築の流れとも合致しますし、寮や社宅の需要が増えていくのは間違いなさそうですね。
宮崎県の東国原知事は「道徳や倫理観などの欠損が生じ、社会のモラルハザードなどにつながっている気がする」と言及。「軍隊とは言わないが、ある時期、規律を重んじる機関で教育することは重要だと思っている」と語っていました。
案外反発も少ないところをみると家庭での教育の限界を皆が感じているからだと思います。家庭の密室化、親の囲い込みが子供の自己中化、ひきこもり、ニートを増加させている現在、社会性を獲得できる寮は、企業に限らず学校という教育の場においても、ひとつの解決策となるのではないでしょうか。
- posted by saito at : 22:55 | コメント (3件) | トラックバック (0)
コメント
なるほど~!
立てればいいってものじゃないんですね(笑)
でも確かに、スケジュールを立てようとすると、一番現実をつきつけられてる気持ちになります。
「あ、あれはなかったことにしてた…」ってことを思い出したり…。
>僕の場合、まずはスケジュールを立てる時間をスケジュールに組み込む事から始めます!
これ、とても現実的でいいと思います!
いくつもある課題を実現させるためにSKがあると思います。
だから実現可能な範囲でトコトン考える=現実把握をとことん行う
♪(現実的に考え捉えていく)のかな☆
だんだん慣れてきたら
突破出来そうな範囲内で、理想SKを立てるのもありかなと…
たまごぼーろさん、ゆんゆんさん、コメントありがとうございます!
るいネットの本田真吾さんがとっても良い投稿をしてくれましたので、続きものでブログにいれましたので、読んで見てくださいねー。
キーワードは「自分からみんな」ですよー。
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