2009年09月02日
社会的目的意識の再生 ~仕事で成果を上げるには?その7
仕事で成果をあげるには? も第7弾工業生産から、意識生産への転換
第2弾 求められる認識力って?
第3弾 認識力を身につけるにはどうする?
第4弾 グランドセオリーvol.5まとめ
第5弾 社会的な能力衰退が起こっている!?
第6弾 無能の自覚
先回、“無能の自覚~仕事で成果をあげるには?”で扱いましたが、近年日本全体が無能に陥っていくと同時に、社会的関心が薄れていった過程には、『旧観念』の影響が大きいことが分かりました。
今回は、まず旧観念が、社会的目的意識の衰退にどのような影響を及ぼしたのかを扱い、その次に、その目的意識の再生について考えて見たいと思います。
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○社会的目的意識の衰退
例として、日本での炭鉱での労働運動を取り上げて見ましょう。
内容は、ブログ「家庭を聖域にしてはいけない」さんの「え?!こんなところまで?!~戦後のアメリカ支配@労働運動」から、お借りしました。
三池炭鉱自体は厳しい労働環境ではあったが、それに見合う賃金がもらえ、労働条件としても経営者と労働者の間で比較的上手く機能していました。それゆえ、基本的に労働協調路線で進んでいたのです。にも関わらず、GHQ介入と向坂による資本論教育が施されると、性格が一変した。つまり、一気に経営者と労働者の対立構造へと移行してしまったのです。
資本論教育の結果、労働者たちは「そうか、俺達は不当な扱いを受けているんだ!もっと権利を要求せねば・・・」という形で人々は自己正当化、他者否定のエネルギーを沸々と燃やし、爆発させていったのです。この事例からもわかるように労働者層から見たら労働組合をつくることの目的は、確かに『個人・自由・平等』の権利を勝ち取るための要求運動ではありました。しかし、結果的に、①善良な共同体の破壊と、②利己的な労働者の育成(結果的に思考停止に陥らせる)ことになってしまったわけです。
以上から、この私権社会に対する一方的な『否定と要求』の意識構造は、現代人全てに横たわる共通の構造として存在して来たのですが、特に戦後の資本論教育を初めとする『旧観念』教育の影響が大きい事が分かります。
その内容は、正に労働者に対する愚民化政策そのものであり、その結果として、絶えず社会(生産)から離脱して個人(消費)へと逃避していく、個人主義の潮流をかたち作って来ました。
人々は一貫して、「自己」が抑圧される〈労働〉を忌み嫌い、「自己」が解放される〈個人生活〉を希求し続け、またそれを正当化する為の旧観念による自己正当化の論理がはびこり、社会的問題が忌避されて行くようになってしまったのです。
○社会的目的意識の再生
しかし、”‘70年の貧困の消滅”以来、社会状況も変化の兆しを見せており、自分第一の私権原理に封じ込められて来た、本源意識が顕在化し始めており、人々の意識は周り=社会に向き始め、特に昨年来の金融大恐慌は意識の根本部分での大転換をもたらしつつあります。
例えば、物が徐々に売れなくなって来ている一方で、借金してまで、海外にボランティアに出かける若者の登場 など、「社会貢献」をキーワードに、さまざまな社会問題の解決につながるモノやサービスが売れたり、NPOやNGOの活動を支援するチャリティ商品が売れており、これは昨年の世界同時大不況の中でも、これらの商品は売り上げを伸ばしているのです。(参考)
つまり、現在、社会の統合原理は、私権原理から共認原理に大きく転換しようとする過程にあり、これまでの「否定と要求」の意識は根底的に覆ろうとしているのです。
しかし、これだけでは不十分で、私権原理の問題に根本的に突っ込んで行かなければ、現在社会の影の部分の補完物に終わる可能性があり、これを突破するには、旧観念に変わる新しい事実認識が必要となります。
そして、事実認識の習得には無限の勉強が必要になるのですが、これには社会的目的意識の再生が欠かせません。
自分たちが生きる場(=社会)を大きく転換して行くには、社会的問題意識の形成が不可欠となり、それが様々な問題に対する追求力に決定的な差をもたらすのです。
ただ、現在の目的意識には二つあって、
一つは本源的⇒社会的な目的意識。
二つ目は残存する試験制度に対応する、制度発の目的意識。
次回は、この目的意識の違いに着目しながら、目的意識の再生について考えて行きます。
- posted by tamimaru at : 14:50 | コメント (3件) | トラックバック (0)
コメント
おぉっ☆ すごい!!私にとっても大きな気付きとなりました。
説明下手だよく言われることがあるんです。
私も具体的に相手が状況に同化できるような発信を心がけたいと思います!!ありがとうございました^^v
あけましておめでとうございます☆
>「抽象的すぎて、どういう状況なのかよく分からない」
>「どういう壁があってどう乗り越えたか」
「どういう会話の中でその気付きが出てきたか」
なるほど。
私は、ついつい伝えすぎてしまう方。
「どうしたら伝わりやすいかな?わかりやすいかな??」とあれやこれやと伝えていくうちに、「あれ?私って何を伝えたかったんだっけ??」って(笑)
だから『シンプルを心がけた方がいいのかも』と想っていたんですが。どうなんだろ??
なんにせよ。
相手の反応を捉えながら(同化しながら)、やり取りしていくのが大切なのかも♪
みゆこさん
「説明下手」と言われると、ますます説明思考になってしまいそうですが、実は「相手が同化できる情報を出しているかどうか」がポイントのようです。
まず、自分と相手が状況を共有することが第一歩ですね。
ふぇりちゃん
明けましておめでとうございます。名前戻したんですね。
「なんか伝わってないなー」と感じた時に、アレコレと説明を付け加えるとかえって混乱させてしまいます。
そういう時は、前提に立ち戻って「どういう状況の話なのか」を伝える方が良いようです。
シンプルな方が伝わり易いのは間違いないです。大事なのは、そこに至るまでの状況共認ですね。
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