2009年09月01日
【企業が農業に参入するのは何で?】第十五弾 ~農業とは「物的生産」ではなく「意識生産」である~
こんにちは、ともぴろです。
「どうすれば日本の農業を再生できるのか?」
現在、各方面の方々が、様々な方法で試行錯誤されている真っ最中ですが、当ブログでは、今回、その半答えを提示することにします。
その答えとは・・・
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『農業は「物的生産(市場原理)」ではなく「意識生産(共認原理)」である』
(※「意識生産」=情報や教育や設計あるいは風俗や介護等、類的な価値=意識を産み出す生産様式を言う。)
この認識転換が、日本の農業を再生させるための半答えとなるのです。
あらゆる産業で意識生産への転換が求められる現在、農業も例外ではありません。
つまり、農業においても、物的生産→意識生産という生産様式の転換が、その再生への起点となるのです。
(1)農業が物的生産ではなく意識生産??
疑問に思われる方やイメージしにくい方も多いかと思います。
そんな方々のために、具体事例を紹介しましょう。
■あるおばあちゃんの生活(リンク)
こういう話を聞きました。
あるおばあちゃんが、田舎で細々と農業を続けていて、作物を村の人たちに行商をして回るのだそうです。村の一軒一軒に、おばあちゃんが回りに来て、軒先で世間話をする。
一人暮らしや寝たきりの老人も少なくないので、時々顔を見せにやってきて、野菜を売りに来てくれるのはなかなかありがたいことらしい。
お互い、元気でいるか確認できるし、おばあちゃんも、みんな野菜を買ってくれるので、それを心の張りにして、毎日畑に出る・・。
私は、この話を聞いたときに、このおばあちゃんのやっている農業は、物的生産ではなく、意識生産なのではないか?と思ったのです。
実は、本来、農業というものは、意識生産そのものだったのかもしれません。
『意識生産となる農業』、みなさんイメージできましたでしょうか?
(2)今なぜ意識生産が求められるのか?
産業革命以降、工業生産の時代に入ると、土地ではなく機械が生産力の源でした。そして、土地を手に入れるための武力に変わって、機械を備えるための資本力が社会を支配する制覇力となりました。つまり、工業生産様式のもとでは、資本に支配される社会=資本主義社会となっていました。
しかし、1970年代、工業生産の拡大によって、遂にモノの(消費の)飽和限界に行き着きます。そこで工業生産に代わって登場したのが、意識生産なのです。
(リンク「生産様式の転換と社会構造の変遷」)
(リンク「自主管理への招待(1)図解」)
『工業生産から意識生産へ』 時代は今、歴史的な生産力の転換を遂げようとしているのです。
(3)意識生産となった農業の成功事例
農業においても意識生産への転換が求められる現在、実現事例・成功事例も少しづつ見られるようになっています。
事例の一つとして、私たち類グループの一員である「類農園」の事例を紹介します。
■農が持つ教育機能1 『類塾・類農園自然体験学習教室』(リンク)
農が持つ『教育機能』とは、学校の勉強で培われるようなものではなく、自然や作物と関わる中で得られる『観察力』や『洞察力』、日々変化していく状況に対応する『柔軟性』、そして仲間と協力して一つの課題を達成していくという『協働性』の獲得にあります。
(中略)
私たちが行っている『自然体験教室』では、主に二つの目的をもって取り組んでいます
一つは、先に挙げた、様々な農業体験を通して、社会に繋がっていく力を身に付けてもらうこと。
二つ目は、社会をじかに体感する「販売体験」を通して、お客さんに自分たちが作った野菜を評価されることで、成功体験を積んでもらうことです。「お客さんに喜んでもらえた」という実感が、子供たちを一回りも二周りも成長させてくれます。
■畑の中で社員研修(リンク)
現在とある企業(飲食店)から『農業の現場を知りたい、体験してみたい』『自分達で野菜を作ってみて、それをお客さんに提供したい』という要望から、畑を貸して週一回、農業体験を行ってもらっています。
(中略)
しかし、現在はそれよりも、自然に囲まれた畑の中で社員同士で作業を行なっていく中で、都会では味わえない充足感や、お互いに協力して楽しみながら作業を行なう事で、共通の課題ができ、社員同士の関係も良くなっていくという、福利厚生的な位置づけにあるのではないかと感じています。
このような事例を間のあたりにして思うのが、農業体験の可能性はレクレーションのようなものだけではなく、企業の社員研修の場としても機能していくのではないかということです。
■インターンシップで人気の類農園(リンク)
◇研修生受入実績
実際研修生をどのくらい受け入れているのか、類農園の方の協力をお借りしてデータをガッツリ入手しました。そこで、明らかになったのは…なんとインターン受入れ累積がどうどうの1位です!
(中略)
◇農業の役割とは?
インターンシップ生の感想にあるように、農業の研修を通して得られるのは、「農業が楽しいかいなか」の判断だけでなく、「社会にとってなぜ農業が必要なのか?」「農業(共同体)を通して、本当に役にたつとはどういうことか?」に対する広い視野ではないでしょうか。
ということは、農業は単なる農作業を行う場だけでなく、その本源的かつ最先端の認識に触れ、現在の社会で必要とされているものは何か、現実直視して考えるということではないでしょうか。
(4)まとめ
類農園の成功事例にあるように、「農業をいかに意識生産に転換していくか」が、今後の日本農業再生の鍵となると思われます。
次回は、「どうすれば、農業を意識生産に転換できるのか?」を、探っていきたいと思います。
(ひょっとすると、農業に参入する企業の役割は、この部分にあるかもしれませんね
- posted by isgitmhr at : 22:53 | コメント (7件) | トラックバック (0)
コメント
売上+支援金で成立するから「半事業」~なるほどです。
医療などの公益事業に(受益者負担+)税金を使うのと理屈は同じでも、「みんなの役に立っているかどうか?」という評価圧力が加わる所がミソですね!?
新通貨=純粋な評価としてのシステムなのですね。
>①支援金の半分をクーポン券として流通させ、残り半分は付加価値へ
②消費者はクーポン券を活動の対価(評価)として新事業者へ渡す
③新事業者は実績に応じた交換レート(100~200%)で換金する>
このクーポンの半分を付加価値へ留保した分が評価対象へ上乗せされるというのがミソですね。その評価をみなの開かれた場で納得できる評価軸をどう作っていくか、楽しみです。
「おとしよりや子ども、障害者が安心して暮らせるまちづくり」という政策を謳っているけど、なかなか前に進まないのは、『事業』という視点がなかったからなのですね。
これなら新たな供給者がでてくる可能性が開かれると思います。
(私は大阪市に住んでいますが)ホームレス、生活保護率が全国一で、学力もほとんど最下位の大阪市が率先して取組むべき新たな施策だと思います。
国の支援金を“みんなの役に立っている人に使う”
すごいシンプル♪
「お金=みんなの役にたっている度」だったら、みんな働くことにもやる気が起きそう♪♪
(今は働らけないではなく、働かないほうがお金もらえたりして、ちょっとおかしいですよね。)
今まで実現できていなかったのが不思議なぐらい、とってもしっくりいく考え方ですね!
障害者年金 受給資格
障害者年金の受給資格についての情報です。
>nandeyanenさん
>「みんなの役に立っているかどうか?」という評価圧力が加わる
評価軸があることで、本当に必要なところに、必要な分だけお金を投資出来ると思います(^^)
>darumaさん
>みなの開かれた場で納得できる評価軸をどう作っていくか
今後の課題ですね☆
一緒に追求していきましょう!
>titidaさん
>「おとしよりや子ども、障害者が安心して暮らせるまちづくり」
これはみんなが求めているし、私の友達を見ていてもやりたい思っている子はいます。
お金=評価だからこそ、活力も上がるし、事業化の必要があると感じます!
>minekoさん
>国の支援金を“みんなの役に立っている人に使う”
仕組みが新事業分野ですね!
本当、まとめればシンプルです(‘▽‘)
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