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2008年03月27日

日本人の仕事観の源泉となる思想

「日本人の仕事観~天命に従う?」かなめんたさん は、なかなか興味深い内容ですね。日本人の仕事観というのは、かなり深いレベルで形成されていそうです。今回は、その源流(ルーツ)となる思想を探ってみることにしたいと思います。
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・講和の使者とはいえ、状況は降伏の使者であったが、高杉の振る舞いは威風堂々としていて、講和の場に居合わせた通訳のアーネスト・サトウは「まるで魔王のように傲然(ごうぜん)と構えていた」と記している。
・ついで、外国側は長州藩の藩領の一部を租借(そしゃく)したいと申し出た。外国人居留地を築いて、何かと便利に活用しようと考えてのことである。しかし、高杉はこの申し出を頑として、承諾しなかった。
・高杉は上海へ渡海して、上海の実状を知っており、外国人が我が物顔で街中を闊歩し、中国人はまるで、外国人の家来のような扱いを受けていたことに大いに危機感を抱いていた。
・それゆえ、外国側が長州藩領内に租借地を設けたいと申し入れてきた時、すばやくこれを拒絶したのであった。上海の二の舞を踏むまいと度量の座った対当の立場での講和を成し遂げた高杉の功績は賞賛に値する。
「幕末維新 出来事一覧」

 意外と知られていませんが、幕末に四国艦隊(英、仏、米、蘭)に大敗北を喫し、領土(彦島)の咀嚼を断固として断った高杉晋作によって、日本は中国のように列国からの侵略を免れたといえます。大敗北後の講和使者として乗り込んだ高杉(当時24歳)は相手国からも一目置かれるほどの迫力だったようです。その高杉晋作の心境を語るのが次の漢詩です。

内憂外患わが洲に迫る
まさにこれ邦家存亡の秋(とき)
まさに回天回運の策を立てんとす
親を捨て子を捨つるまた何ぞ悲しまん

※国内は乱れ外敵は来るという、日本の国家存亡のときである。いままさに天下の形勢を一変させる策を立てるときで、親を捨て子を捨てることがあってもなんで悲しもうか。
「革命的行動を支えた思想~高杉晋作の漢詩に見る~」

 では、この高杉晋作の思想の根っこはどこにあったのでしょう。では、続きに行く前によろしくおねがいします。

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「新陽明学入門」より
■事上練磨
「人間というのは、日常の仕事の中で自分を磨かなければならない。そうすれば、しっかりと自分を確立し、静時であろうと動中であろうと、いついかなる事態になっても、冷静に対処することが出来る。」
(『伝習録』より)
【解説】
日々の仕事、毎日の生活の中で自分を磨くという考え方。勿論、書物を読み知識を深める事は重要であるけれども、其れを自分の中の血肉に変えるには、事上つまり、事実の上において体感する場を求めることが重要である。コツというものは本を読んだからといって伝わる物でもない。実践を積み重ねなければ身につかないのだ。現在ではこれをOJT(On the Job Training) と呼ぶ向きもある。
■物分りを良くする
物事を細分化する事によって理解が進む。理解が進むと言うことは、より専門的になり其の事に特化してゆく。東洋ではこの分け方を大きく三種類の概念で捉えている。
【分ける】
 析=斧で大雑把に分ける
 剖=刃物で細かく分ける
 判=言葉で物事を分ける
日々の仕事、学業に関しても物事を分けて考えるとスムーズに事が運んだり、物事の解決に繋がりやすい。
■心が全ての社会現象の発端である
およそ士の道は以下のような流れがあります。
志 :士・君子の心構えを持つ事を目指す。
修身:聖賢の学問(道)を自分に修める。
政道:世の中を太平に導く事を目指す。
政策:具体的な方向性を示す。
戦略:より効果的に活動できるように考慮する。
戦術:活動を運用・運営する。
・まず、志が自分の心の中に芽生えなければ何も始まりません。所謂、「立志」から始めます。そして己を修めて人を治める、「修己治人」を実践してゆきます。志を立てて、修身に励み、政道を極め、政策を示し、戦略を立案し、戦術を実行する。それが政治、経済、軍事など、あらゆる社会活動の営みになり、結果として社会現象として表れてくる。「心が全ての社会現象の発端である。」という意味につながります。陽明学で言うところの「心即理」の解釈の一つと云えます。

 高杉は吉田松陰の愛弟子の一人ですが、松蔭の思想的主柱である「陽明学」の影響を大きく受けています。その一部の抜粋が上記引用になります。「事上練磨」は仕事観の根幹にある思想といえますし、次の「物分りを良くする」なども、現在でも通用する方法でまったく古さを感じさせません(ちなみに分析の語源はこんなところにあったとは驚きです。直感で大きく分けて、観念で整除するというところでしょうか)。そして、「心が全ての社会現象の発端である」は、「観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である」につながるようにも思います。
 この「陽明学」の思想的潮流は、幕末から明治維新を経て日本における企業経営の根底に流れていったようです。もちろん、陽明学だけが素晴らしいというのではなく、おそらく、東洋的世界観(共同体文化を基盤とする)が以前から持っていた「本源性」を抽出したものなのではないかと思われます。

 

コメント

こんにちは。
元気で楽しそうに仕事をしている人は、直感ではそのコツを掴んでいると思うのですが、それが全体の成果にまで繋がっていない気がします。
何が足りないのか、どうしたら成果を上げられるのか、とても知りたいです☆
楽しみにしています♪

  • 働き盛り(?)
  • 2008年7月12日 16:45

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