2010年02月25日
『男女役割共認が企業を変える』6~意識生産で勝っていける企業とは?☆~
こんにちは、ともぴろです。
「男女役割共認が企業を変える」シリーズ第6弾の今回は、
『意識生産時代で勝っていける企業』
について考えていきたいと思います。
前回記事でも取り上げられた
そう考えれば、社会の転換に向けた第一の関門は、
・社会の欠乏を解消できる本質的な意識生産とはなにか?
・経営者と労働者という枠組みを超えた「社会の当事者」になるにはどうすればいいか?
という2点に関する社会共認(=答え)を形成することだといえそうです。
だとすれば、現在において最優先される政策課題とは「充足経験の積み重ねによって積極的な当事者意識を形成する教育システム」と「契約関係から解き放たれた企業形態の提起」であるとは言えないでしょうか。
(リンク)
という新しい認識は、今後の企業の転換を考える上でも、重要な認識です。
この認識を踏まえ『意識生産時代で勝っていける企業』について考えていくことにします。
イラストはHP素材屋よりおすそわけして頂きました
↓続きも見てネ
(1)現在活力のある企業の事例よりその普遍的構造を探る
不況、不景気と呼ばれるこのご時世でも活力のある企業はいくつも存在します。
まずは、その事例をもとに、企業内で活力が生まれる普遍的な構造を探っていくことにします。
◆活力のある企業事例 ①:ウェザーニュース
~社員は一緒に闘う仲間~(リンク)
あと、当社の実力主義は、高貢献、高収益、高配分。これがルール。
挑戦のチャンスは平等にあるけど、結果は不平等になるかもしれないということ。
これからの経営に多数決のデモクラシーなんか要らない。メリットクラシー=一番大事なことを優先して行なうスピードあるマネジメントじゃないと。
たとえば、以前うちが銀行の貸し渋りにあった時、社員全員から5万円ずつ借りて乗り切ったんですよ。会社という一緒の船に乗って戦う仲間に対して、私が最適だと思える提案をしたら、みんな二つ返事で協力してくれた。
これがメリットクラシーですよ(笑)。
◆活力のある企業事例 ②:京セラ
~全員参加経営の実現~(リンク)
京セラ創業当時より、企業を長期的に発展させるためには、正しい「経営哲学」を確立し、それを全社員と共有すること、また、組織の末端に至るまでの経営実態を正確かつタイムリーに把握する「管理会計制度」が必要であると感じていた。そのため、技術開発や製品開発、また営業活動などに力を注ぐ一方、これらの確立に心血を注いできた。
京セラが急速に発展し、規模が拡大するなかで、私は、ともに苦楽を分かち合い、経営の重責を担う共同経営者がほしい、と心の底から願うようになった。そこで、会社の組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、社内からリーダーを選び、その経営を任せることで、経営者意識を持つリーダー、つまり共同経営者を多数育成した。
アメーバ経営では、各アメーバのリーダーが中心となって計画を立て、全員の知恵と努力により目標を達成していく。そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現している。
これらの企業に共通する最大の特徴は、
『共認の場さえ与えられれば、活力が上がっている。』
ということです。
そして、これを実現できている企業は、
①トップが共同体理念を持っている。
②具体的な現業課題においての可能性探索が、活力上昇につながっている。
ということが共通して言えます。
従って、企業のトップの認識転換によって場さえつくることができれば、私権企業から共同体企業へと転換していくことは十分に可能であると思われます。(リンク)
現在活力がある企業は、旧来の私権企業 → 共同体企業への転換期であり、この転換に伴う活力上昇が顕在化してきているのです。冒頭でふれた「充足経験の積み重ねによって積極的な当事者意識を形成する教育システム」「契約関係から解き放たれた企業形態の提起」が芽生えつつあるとも言えそうです。
しかし、共同体企業に転換しただけで、これからの時代に企業は勝ち残っていけるのでしょうか?
この意識生産時代で企業が勝っていくために必要なものは、一体何なのでしょうか?
(2)意識生産時代で勝っていける企業とは?
まず、私権原理が崩壊し、物的生産→意識生産に転換した社会での「企業の勝敗」とは何によって規定されるのか、改めて考えてみましょう。
「欲しい物はない→共認充足が最大欲求」という、私権原理が根本から崩壊した社会では、企業の勝敗は「売上げや利益」では規定されません。意識生産とは、人々の意識を作り出す生産様式です。なので、意識生産の時代では「関わる人の共認充足をいかに高めてけるか?」が評価基準となります。つまり、意識生産時代における「企業の勝敗(=社会的評価)」とは、「その生産活動により生み出される共認充足の量と質」によって規定されるのです。
このように考えると、「企業に属する成員自らが、その生産活動により大きな共認充足を得る」ことが、次代において企業が勝っていくための必要最低条件となるのだと思います。 今回紹介した企業は、この必要最低条件をクリアできつつあるでしょう。
では、これからの意識生産時代に勝っていける企業の必要十分条件とは?
その答えは、以下の記事にヒントが隠されています。
2010年以降は、このような共同体の上昇過程が進んでいく。現在は、まず転換することで活力UPできるが5年後には方針の正しさが問われる時代となり、いよいよ認識収束が顕在化してくる。
=理論が必要になる。
この状況から、中小企業の共同体への転換・再構築に向けて、男女役割共認を土台とした『共同体教育』が求められることが予測される。共同体社会の制度設計と平行して、重要課題として取り組んでいく必要があるだろう。
(「日本を守るのに右も左もない」ブログ1/31なんでや劇場レポート2」より)
この不況下でも、この男女役割共認が生み出す活力により、成長し続けている企業も既に現れています。なんと、このスーパーマーケットは20年連続で増収増益を記録しているそうです。
◆活力のある企業事例 ③:ヤオコー
~女性パートナー(=パートさん)の活躍~(リンク)
さまざまな商業誌や新聞のインタビューで、川野会長は自らの経営の特徴を「個店経営」と表現している。その背後にある経営思想は、「部下(バイヤーや店長)には細かいことは指示しない。その代わりに、仕事を任せるから自分の頭で考えて工夫せよ」である。
別の言葉でいえば、社員に全面的に権限を委譲し、任せて見守る経営である。そうしたトップの考え方やマネジメントの姿勢は、個別の店舗では、店長や部門長がパートの主婦らに仕事を任せて、自由にMDや日々の作業を組み立てさせる社風を生み出している。実は、埼玉県の地方都市でもっとも有能な人材は女性パート労働者であった。そのことと、ヤオコーの社風とがジャストフィットしたわけである。
(中略)
売場演出のアイデアの源は、女子のパート社員たち(社内用語では「パートナーさん」)である。開発商品や陳列は、彼女たちが消費者視点から発想したものである。きびしい主婦の目で鍛えられた着想であるから、ヤオコーの売場は、明るく、歩きやすく、立ち止まりやすく、女性にやさしく作られている。シズル感のあるデリカや生鮮品、あたかも優秀な業種店が集合したような賑わいのある市場(marketplace)が演出できるわけである。
MDや作業工程を改善するために、ヤオコーの女子従業員はしばしば、職場で自主的なミーティングを持っている。彼女たちの発議により、研修旅行や産地見学なども実施されている。単純なパート労働は、何の工夫も提案もなければ苦痛な時間労働になるが、ヤオコーではそれ自身が楽しいしごとと感じられている。
(3)まとめ
以上をまとめると、
① トップ(経営者)が共同体理念を持っている。
② 具体的な現業課題において可能性探索が活力上昇につながっている=参加できる場作り
③ 男女役割共認を土台とした『共同体教育』
この3つを実現していける共同体企業が、これからの意識生産時代でも勝っていける企業となるのだと思います。
次回は、いよいよ「企業を変える男女役割共認」の具体的な中身を追求していきます。
ご期待下さい。
- posted by isgitmhr at : 17:05 | コメント (2件) | トラックバック (0)
コメント
>常に周りと共に充足すること(自分からみんな)に、意識が向かっていることがポイント
というのがナルホドでした♪
確かに、周りのやる気を上げるには、自分がまず外向きでいることが必須ですよね!
事例に紹介されている女性たちの、イキイキとした様子がとっても印象的でした~☆+゜読んだこちらまで、やる気をもらうことができました♪
>りんごさん
コメントありがとうございます☆
>事例に紹介されている女性たちの、イキイキとした様子がとっても印象的でした~☆+゜読んだこちらまで、やる気をもらうことができました♪
そう言ってもらえると、とっても嬉しいです♪(ヒアリングしたみなさんにも伝えていおきますね☆)
りんごさんも、ぜひ周りの活力を上げていくことを実践していって下さいね。
コメントする