2010年08月05日
社員の当事者意識を高めるには?~京セラのアメーバ経営の事例~
(画像は京セラさんよりお借りしました。)
こんにちは、みっちーです
前回のOKさんの記事「社員が楽しく働ける職場」づくり~ヨリタ歯科の取り組み~に引き続いて、社員の活力を上げる取組み をしている企業を紹介したいと思います。
今回はアメーバ経営を実践する京セラの取組みについてです。
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■アメーバ経営
アメーバ経営の最大の特徴は、企業組織を“アメーバ”と呼ばれる独立採算の小集団に分けることにある。アメーバは数名から50名程度――平均すると10名ぐらいのチームとして構成される。京セラの場合、組織構造として事業本部-事業部-部-課-係-班の階層を持つが、そのどれもがアメーバになり得る。アメーバは必要に応じて随時、分裂・新設・廃止が行われる。
アメーバは疑似小企業といえる。製造部門のアメーバは前工程のアメーバから原材料を仕入れ、それを加工して商品として次工程のアメーバに販売する。この加工による付加価値分がアメーバの収入となる。営業部門は自社の製造部門から製品を仕入れ、営業口銭を加えた金額で外部の顧客に販売する。
これら社内取り引きの際の売買価格は、各アメーバに決定権がある。ただし、相手があることなので、具体的には当該アメーバ同士の交渉によって決まる。部材や製品の調達・販売は一定の条件を満たせば社外と行うことも許されており、各アメーバは市場価格を考慮した公正な価格提示が求められることになる。
各アメーバは、総生産・総収入を最大化するとともに、経費と総時間を最小化するように努力する。各アメーバの時間当たり採算は、京セラ全社の時間当たり賃率とも比較される。時間当たり採算が平均賃率を下回っている場合、そのアメーバは自分の食い扶持を稼げていないということになる。
アメーバは経営資源が限られた小集団で相互依存性が高いこともあって、アメーバ同士の自律的な調整が全社協調的に働く。また、京セラには社員がものごと考えていく際の判断基準として「京セラフィロソフィ」があり、これがより上位の価値観として機能している。
アメーバ経営では企業組織を小集団に分けることで、多数のリーダーを作り出す。アメーバのリーダーが中心となって採算計画を立て、ほかのアメーバと協力しながら目標達成にまい進する。こうした経験を通じて“共同経営者”を育成する。
■アメーバ経営の目的
ここでアメーバ経営の目的をまとめると、大きく3つ上げられます。
①市場に直結した部門別採算制度の確立(会計制度)
会社経営の原理原則は、売上を最大にして、経費を最小にしていくことである。この原則を全社にわたって実践していくため、組織を小さなユニットに分けて、市場の動きに即座に対応できるような部門別採算管理をおこなう。
②経営者意識を持つ人材の育成(人材制度)
組織を必要に応じて小さなユニットに分割し、中小企業の連合体として会社を再構成する。そのユニットの経営を、アメーバリーダーに任せることによって、経営者意識を持った人材を育成していく。
③全員参加経営
全従業員が、会社の発展のために力を合わせて経営に参加し、生きがいや達成感を持って働くことができる「全員参加経営」を実現する。
アメーバ経営の最大のポイントは、その仕組みではなく底流にある京セラの理念(京セラフィロソフィ)にあります。経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」とし、人として何が正しいのか?会社全体のためにどうあるべきか?を徹底して常に意識させる。
この意識が社員の当事者意識を高めて、活力を上げていく最大のポイントなんですね!!(だからこそアメーバという仕組みが活きる!)
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
(参考文献)
『アメーバ経営――ひとりひとりの社員が主役』 稲盛和夫著
『稲盛和夫の実学――経営と会計』 稲盛和夫著
『成功と失敗の法則』 稲盛和夫著
- posted by mitty at : 3:04 | コメント (1件) | トラックバック (0)
コメント
以前このブログでも取り上げられていた有名な「樹研工業」。その社長さんのお話を生で聞けたなんて羨ましいです。
>休日に役員からヒラまで自由に参加できる勉強会を開催している。最近の経済の状況から、最新技術のことなど議題は多岐に及ぶ。
レポートの中ではとりわけこの勉強会に驚きました。
なんで屋ネットサロンにも似た趣で、なにやら楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。
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