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2010年11月13日

世界が注目!フィンランド式チーム活性化プログラム「リチーミング」

今日は、1990年代前半の大不況から見事に抜け出したフィンランド経済、その復興を支えた「リチーミング」と呼ばれる人材再活性化プログラムを紹介します。プレジデントの記事から引用させていただきます。
「リチーミング」とは、フィンランドの精神科医ベン・ファーマン氏と社会心理学者のタパニ・アホラ氏の二人によって、1990年代前半に開発された問題解決・チーム再構築のためのプログラムのこと。
当初は問題を抱えた子どもたちを対象にした「キッズスキル」として開発・導入が進められた。しかし、次第に大人にも応用できることがわかってきて、企業組織の再活性化に利用できるようにしたものがリチーミングである。
自分では気づいていなくても、人は問題を解決する実行可能な方法をすでに持っている」という考え方に基づいており、問題分析型ではなく、実現志向型といえます。
(写真はベン・ファーマン氏。キッズスキルjapanよりお借りしました。)
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90年代前半のフィンランドといえば、隣国・ソ連の崩壊の影響で大不況に突入し失業率は2ケタ台へと悪化していた。それが90年代後半から徐々に好転。2001年に世界経済フォーラムの国際競争力ランキングで初めてトップに躍り出てからは上位10カ国の常連になる。失業率も1ケタ台で落ち着き、まさに様変わりの状況である。
その過程で多くのフィンランド企業で活用されたのがリチーミングであった。代表例が通信機器メーカーのノキアで、グループ再編にともなうチームワークの強化に利用されている。また、フィンランド航空、フィンランド国際郵便などでも活用され、「フィンランド企業の人材開発担当者でリチーミングのことを知らない人はいない」(同国IT企業関係者)といわれる。つまり、フィンランド経済復興の“縁の下の力持ち”といってもよい存在なのだ。
そして、ボルボ、ドイツ銀行などリチーミングの効果に注目する他国の企業も現れ、現在、日本を含め15カ国でリチーミングが活用されている。
そのリチーミングの根幹をなす12のステップを示したものが下の図だ。
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「理想像を描く」に始まり、最後は「成功を祝い、サポーターに感謝する」ステップで終わる。ただし、これらすべてのステップを踏んでいく必要はなく、ケースに応じて取捨選択して構わない。
リチーミングのキーになるのが、1と2のステップ、つまり理想像を描き、それに近づくための具体的なゴールを決める作業に入っていく。
 まず、たんに自分たちのチーム内の理想像を描くだけではなく、「他の部署から見たら、どんなことをしてほしいと思うか」など、メンバーが多角的な視点で考えられるようにリチーミングコーチは工夫する。(引用者注:自分発からみんな発へ。)
この段階でほとんどの場合、「お互いに思っていたことは同じだったのか」ということに気づく。そうなれば、一つの理想像に絞り込んでいくのはたやすい。(引用者注:充足イメージの共有。)
 そのとき各メンバーには、理想像に近づくために身につけるべきスキルや、取り組むべき仕事など具体的なゴールがすでに見え始めているからである。
 次にそのゴール達成のメリットを全員で確認した後、
 それに向けてすでに何か自分たちが努力していること、取り組んでいることを洗い出す。というのも、そこに理想像に近づいていくための具体的な問題解決の糸口が隠されているから。
先に「自分では気づいていなくても、人は問題を解決するために実行可能な方法をすでに持っているという考え方に基づいている」とありましたが、その“方法”を顕在化する作業ともいえる。

このように「人は問題を解決するために実行可能な方法をすでに持っている」という考え方を、心理学の世界では「解決志向アプローチ」という。
しかし、私たちは何か問題に直面すると、真っ先にその原因を探ろうとする。それを「問題志向アプローチ」というが、当事者の心のなかに「自分の責任が問われるのでは」という不安が生まれ、原因究明を難しくしてしまう恐れがある。また、原因究明そのものが「問題を解決できない理由探し」へと転化して、チーム全体のモチベーションダウンにつながってしまう可能性も高い。
だから解決志向アプローチでは「解決について知るほうが、問題の原因を探ることよりも有用である」というスタンスを貫く。それなら当事者も前向きな姿勢になれる。また、当事者だからこそわかる問題の解決方法の意見を表明しやすくなる。それゆえリチーミングでは、互いの可能性を信じ、全員の存在を肯定する。そこに問題解決だけでなく、チーム再構築のメカニズムが組み込まれているのだ。

 そうやって問題解決の具体的な方法が見出せれば、「マニュアル化で余裕のできた時間を、管理職研修の改善を検討するのに使おう」などといった、成長した自分の姿を想像することも自ずとできていく。
 しかし、実際に問題解決に向かって行動していくと、さまざまなにぶち当たるはず。
 そこで最終段階では、それらを想定しながらメンバー各自に自信をつけさせる。
「あなたは人の話を聞くのがとても上手だから、悩み事のよき相談役を果たしてくれると思うよ」「この前のプロジェクトは予想以上の成功を収めたのだから、今回も必ずできるはず」などと、思いつくかぎり相手の長所を話し合う。そんな“心の花束”を交換しながら、おのおの自信を深めていく。
 そして、最後に「私はこれをやります」と皆の前で宣言をし、実際の行動に移していくわけである。
10以降のステップについてはアフターフォローの過程だと考えればいいだろう。

実はリチーミングに対して、精神医学の分野からも関心が高まっているのだ。アルコール依存症治療の現場で解決志向の援助法を活用している、成増厚生病院の東京アルコール医療総合センター長で精神科医局長でもある垣渕洋一医師は次のように語る。

人間が行動や思考の変化を起こす際の条件は、
(1)変化への希望、
(2)変化を起こさせる能力・自信に関する楽観的な見通し、
(3)変化する利点、
(4)変化しないことへの心配・懸念、
(5)変化に必要な実際の行動の具体的な計画や考えです。
これらが揃っていないと『上から指示されても現場が動かない』『取り組んでもうまくいかず、元に戻ってしまう』ことが起きる。しかし、リチーミングの12のステップは、この5つの条件をすべて満たしています。

翻って考えてみると、これまで日本企業の現場における人材の再活性化では、コーチングが重んじられてきたように思える。しかし、コーチングの対象はあくまでも個人であり、そこにおいてチーム全体の方向づけは行われない。つまり各メンバーがばらばらにコーチングを受けることで、好き勝手な方向へ動き出すリスクがともなう。
個人とチーム全体のモチベーションアップをうまくリンクさせ、問題解決(⇒実現へ)という一つの方向へ導いていくリチーミング
いま、そこに可能性を感じ始めた人は少なくないのではないか。
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如何でしたか。
これは、充足発の実現志向に則ったプログラムですね。これに同化して試してみる価値はあると思いました。

 

コメント

外出する人が増えているのに、消費が下がっているというのは驚きでした。外出する目的が消費ではなく、状況探索のためだったんですね。さらにこれから、みんなの意識をすり合わせて可能性に向かっていきたいですね!

  • みちょんくん
  • 2011年5月12日 11:38

みっちょんくんさん、ありがとうございます。
因みに5/14産経新聞によると、震災後のネット書き込み動向の調査では、「~したい」というキーワードの動きを3/11前後で比較した結果、「買物」「挑戦」は▼、逆に「結婚したい」「休息したい」という安心・安定を求めるキーワードが増えたとのこと。
原発等、実態が解明されな限り、この答えがない中で目先的に安心・安定を求める潮流はしばらく続きそう。
そのためにも、事実をより多くの人の知ってもらう必要性を強く感じました。

  • seiichi
  • 2011年5月15日 18:06

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