2011年12月11日
共認充足でつなぐ地域の健康と安心 ~株式会社フォーラル~
市場競争の激化に伴い、薬局業界では、大手薬局を中心に価格競争に生き残りをかける傾向が強くなっていますが、価格競争で勝ち残るのではなく、地域の方々と地道に信頼関係をつくり、健康と安心を提供する薬局を経営しているのが、「株式会社フォーラル」です
「あなたがいるからこの薬局に来た 」と思われるような、患者さんと薬局スタッフひとりひとりとの信頼関係の確立を理念として経営されており、薬の処方だけでなく、栄養面のサポートや、病気や薬についての勉強会を行い、地域の方々とのつながりを深めることで、健康と安心を提供しています
当然、地域によって、病院 や患者さん が異なりますし、運営するスタッフ も違います。
「異なる環境の中で、個々の患者さんのニーズを十分に理解し、それぞれに合わせた質の高いサービスをどうしたら提供できるのか、それぞれのチーム(店舗)に考えてもらいたい」という社長の考えのもと、「スタッフ全員が主役、各店舗が1つのチーム」となって様々な取組みを行っています。
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まずは、主な取組みを紹介します
店舗を自分達で運営する
新規店舗の出店が決まると、配属予定のメンバーで話し合い、店舗名から自分達で考えます これは、自分達で運営するということを考えるきっかけになり、メンバーの一体感を生み出す効果もあるようです
ユニフォームも自分達で考え、内装も手作りの装飾を行って、温かみのある店舗に
さらに、チームとしての方向性を明確にするために、店内に掲示する「店舗目標」も自分達で
店舗目標の内容は、売り上げや利益の水準を示したものやセミナーの開催や小冊子の発行を掲げたものなどさまざまです
誰でも参加できるセミナーを開催
各店舗のスタッフが、さまざまなアイデアを出し合い、テーマの決定から、資料の作成、当日の講師など、企画・運営に関わるすべての業務を担当しています
テーマは高血圧セミナー、冷え性セミナー、感染症セミナーなど病気の知識を勉強するものに加え、料理教室 やアロマテラピー教室 などもあります。
薬では解決しにくい健康の悩みなどにも、食生活改善やアロマ療法を取り入れ、より多くの方に店舗を身近に感じてもらい、スタッフと患者さんの信頼関係を強めています 😀
高血圧セミナー 冷え性セミナー 料理教室 アロマテラピー教室
薬局での栄養相談
一般に予約制で相談時間が限られてしまう病院の栄養指導に比べ、いつでも気軽に相談ができ、相談料も発生せず、服薬指導と栄養指導による総合的な健康サポートが提供できるというのが薬局ならではの栄養相談です スタッフ同士の距離が近く、連携も図りやすいという薬局の良さを活かしています
まだなじみが少ない、薬局での栄養相談を、気軽にしてもらうための環境作りにも各店舗で工夫されています。
<栄養相談環境作りの工夫>
「栄養質問箱」の設置サービス
備え付けの「栄養に関する質問票」に、質問内容と、個別回答と掲示板での回答のどちらを希望するかを記入して投函すれば、希望の方法で回答してくれます。
「3日間の食事記録表」
食事記録表を自由に持ち帰ってもらい、3日間の食事内容を記入すれば、栄養バランスが確認してもらえます。
子どもも学べるスペースづくり
キッズスペースの壁に、手作りの「食事バランスガイド」を貼り、子ども達が遊びながら食事について学べます。
また、充実した社内研修制度もフォーラルの大きな特徴です。
社員の段階に合わせて、28種 もの制度が整備されています。全社員を対象にした医学・薬学知識習得のための初級勉強会から、より高度な処方解析力を身につけるための上級勉強会、在宅医療や介護保険に関する勉強会など、社員ひとりひとりの能力アップを目指した独自の制度です。
これらの研修制度は、強制ではありませんが、スタッフの方は積極的に参加 😀 しているそうです
サービスや研修に力を入れているフォーラルは組織図にも特徴があります。店舗が一番上で、社長が一番下になっている逆ピラミッド型の組織図です。
「顧客(患者)を一番よく理解しているのは、日々顧客と接している店舗のスタッフなのだから、その人たちの意見を経営に反映させていくべき」との社長の考えに基づいています。
これまで紹介した取組みは「経済効率」という面では必ずしも合理的とはいえません
全店舗が個別の店名は、マス戦略での知名度アップにはつながりませんし、店舗のユニフォームや内装も統一すればコストも下げられるでしょう。種々のセミナーや栄養相談も薬剤販売に直結しないでしょう 🙄
しかし、フォーラルの各店舗では、スタッフも活力を持って取組み、毎年1~2店舗の新規出店という好調ぶりです
この成功のポイントはどこにあるのか見ていきましょう 😀
最大のポイントは、社会にかかる外圧の変化を捉えて、経済効率に代わる判断軸で取組んでいることにあるのだと思います
貧困が消滅した現在、社会は市場原理から共認原理へと大きく転換しており、最大の外圧は「みんなの期待」にあります
そして期待を深く掴み、そこに応えることでお客さんとの共認充足をうみだしていくことができます。
だからこそ、共認の時代では、人材の能力こそが最も重要となります
社員の充足を基盤とした活力と能力が最大の力となるのです
フォーラルが行っている「店舗が主役の経営」とは、まさに、店舗のスタッフが当事者となって地域の期待を掴み、地域に即したサービスを提供するためにみんなで知恵を出し合い、期待に応え、お客様に共認充足を提供しているのです。
そして、豊富なメニューで構成されている研修体制も、個人のスキルアップだけではなく、お客様の期待に応えるために必要な知識や技術を組織的にバックアップし、共認充足をより深めるためのシステムだと言えます。
利益第一ではなく、お客さんとスタッフ、スタッフ同士の共認充足を主軸とし、共認充足で地域をつなげてゆく経営こそが、フォーラルが地域の評価を獲得し、店舗とスタッフが主役となって活躍しているおおきなポイントなのではないでしょうか
<参考投稿>自我経済学から共認経済学へ
(前略)
これまでの経済学は、私利私欲の追求を第一とする自我を人間の行動基準の原点において経済理論を組み立てているという意味で、自我経済学と呼べる。
(中略)
しかし、豊かさが実現した現代日本は、もはや自我経済学の原理は成立しない。若い人たちを中心に、特に欲しい物はない、お金のためだけに働く気にはならない、特に出世したいと思わない、という人が既に多数派になっている。
(中略)
人々は自我の充足から、共認の充足(課題・役割・規範・評価を共に認め合う充足)に意識を転換している。従って、共認充足を人間の行動基準において経済理論を組み立てる、共認経済学が必要となる。
(中略)
また、お金や物は二義的だから、人間活動を活性化させるためには、従来のようにお金(税金)を金儲けや物的生産につぎ込んでも人間活動は(経済活動も含めて)活性化せず、共認充足が得られるような活動を促進する方向でお金(税金)を使うべきといえる。
(中略)
共認充足の時代においては、経済活動そのものが二義的な位置づけとなり、経済学の重要性は低下すると思われるが、過渡期の現在においては、自我経済学の原理に凝り固まってしまっている、人々の意識を解放するために、共認経済学の原理を明確にしていくことが重要であると思われる。
実は、フォーラルの松村社長は、なんでやカードに書かれた感謝の言葉にとても共感してくださり、なんでやカードを毎年たくさんの方に配ってくださっています
感謝の気持ちを周りの方々に伝え、充足を提供して下さる社長の気持ちは、フォーラルの共認充足を軸とした経営と深くつながっているのですね
- posted by misima at : 23:19 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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