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2012年08月10日

成功を導く確かな理論~共同体・類グループの事例22.~共認時代の資格勉強とは?~

皆さん、こんにちは。

皆さんの会社でも、仕事をする上で必要な資格がいくつかあるのではないでしょうか?

ですが、社会人になってからの資格勉強というのは本当に大変ですね。学生時代と違って、日々、仕事も行いながらの受験勉強となりますので、ついつい、仕事が忙しくなると勉強がおろそかになりがちです。

結果、なかなか勉強時間を取れず不合格といったこともよくあるのではないでしょうか?

そんな時に、よく上司や先輩からは「努力が足りない」「自分たちの頃は取るのが当たり前だった」「個人の意欲の問題だから」などなどの指摘がされることが多いのです。

ですが、資格勉強というのは、本当に個々人だけの課題だといえるのでしょうか?

また、さきほどの上司の方が取り組んでいた時代とは、社会状況も社員の意識も変化してきているのではないでしょうか?

今回は、共認時代の資格勉強について当社事例として地所部で数年前から取り組み、今では仕事成果を落とさずに、合格率を以前の3~4倍(合格率15%→83%へと7割アップを実現)にまで高められるようになった事例をご紹介します。




画像はコチラよりお借りしました

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◆単なる私権課題では活力が出ない~90年代後半から成果ダウン~



類グループの事業部のひとつである類地所(不動産)では、「宅建(宅地建物取引主任者)」が日常の業務に必須の資格となっています。




「宅建試験資格 一発合格への戦略ノート」より抜粋
4択問題の50点満点で、35~36点以上(70%以上)を取らねば合格できません。合格率はほぼ15~16%で推移しています。ですので、安易に考えると、仕事と両立しながらでは、何年経っても合格できません。

今だからこそ言えることですが、当社でも90年代後半頃から、宅建受験において徐々に合格率が下がり始め、人によっては数年間に渡って何度も受験し、ようやく合格するといったケースが増えていきました。

そして、その結果として、「宅建はなかなか受からないもの」「仕事優先なのでしかたがない」「合格してない先輩が多いことでまだ受からなくても大丈夫」といった空気ができてしまっていました。

しかし、これは当社だけの理由ではなく、時代や社会の根底からの変化に、うまく適応できていなかったことにも原因があったのです。


◆原因分析:根底にある社会外圧や意識状況は?


では、それは一体どんな変化だったのでしょうか?

『潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束』

 
>バブルは必ず崩壊する。案の定、’90年、日本のバブルは崩壊した(その後、’08年、米欧をはじめ世界バブルも崩壊する)。そして、’95年、バブル崩壊の5年後、相次ぐ金融機関の破綻を目の当たりにして、私権の崩壊が意識(予感)され始める。

>半顕在意識に生起したこの私権崩壊の認識(予感)は、私権追求の欠乏を一気に衰弱させ、急速に私権圧力を衰弱させていった。
>95年以降、衰弱し続けてきた私権欠乏は、その後’03年、株式が二番底に向かうのを見て追求する活力も消え失せ、遂に私権欠乏そのものが空中分解してゆく。かくして、人々はもはや私権の追求に収束することができなくなり、永い間社会を統合してきた私権収束→私権統合という統合軸が崩壊してゆく。これは、1800年に亙って私権時代を貫いてきた私権原理の崩壊であった。

『潮流予測1 私権収束から共認収束への大転換』
 
>ところが’70年頃、先進国では豊かさがほぼ実現され、貧困の圧力が消滅してゆく。その先頭に立つことになったのが、日本である。
貧困が消滅すると、私権を獲得しようとする欲求=私権欠乏が衰弱してゆく。従って、物的欠乏も衰弱し、市場は縮小せざるを得なくなる。また、貧困が消滅すると、誰も私権獲得のためにあくせく働こうとはしなくなる。従って、活力が衰弱し、指揮系統も次第に機能しなくなってゆく。つまり、’70年、先進国は大きな転換点を迎えていたのである。
>他方、それほど旧観念に毒されていない普通の人々は、’70年以降、私権収束から脱して共認収束を強めていったが、それは貧困の消滅に伴う必然的な帰結である。なぜなら、貧困の圧力に基づく私権の強制圧力が衰弱してゆく以上、人々が人類本来の共認原理に回帰してゆくのは必然だからである。現に、大多数の普通の人々にとって、人々の期待に応える充足こそが最大の活力源になっており、今やこの期応収束⇒課題収束こそが、中心的な意識潮流となって健在化してきている。
>物的な豊かさが実現された以上、私権収束⇒私権統合の社会が終焉し、共認収束⇒共認統合の社会(人々が、状況を共認し、課題を共認し、規範を共認し、それらの共認内容に収束することによって統合される社会)に移行してゆくのは必然である。現在の、意識潮流の先に人々が求めているものも、間違いなく共認社会(古い言葉で言えば、共同体社会)であると言えるだろう。



‘70年に貧困が消滅し、お金がなくては生きていけないという私権の強制圧力も衰弱し始めました。それが、25年経った’95年頃に、いよいよ私権活力の衰弱そして崩壊となる大きな転換点を迎えていたのです。
よって、ただ、「仕事だから取って当然」「(かっての)自分たちの若い頃は・・・」「合格しないといけない」などの私権(の強制)圧力をかけるだけでは、全く反応せず、成果も上がらないという事態となっていたのです。
ただ、反面、人類本来の共認圧力は高まりつつありました。そして、これは意識潮流としては「相手や周りの期待に応えたい」「人の役に立ちたい(喜んでもらいたい)」「仲間第一」といった共認欠乏となって現れてきます。
となれば、資格勉強も私権圧力で個人に強制するのではなく、共認圧力を活用して皆で互いに期待圧力をかけて取り組むという方向性(可能性)が見えてきます。


◆自分課題から組織課題への意識転換~当社(類地所)の具体的取り組み


共認圧力を機能させるためには、以下の点が重要となります。この数年間の類地所での取組みでの成功要因も交えながら、紹介してみたいと思います。

1)何を実現したいのか?を明確にする=充足イメージの固定

まず、皆で何を実現したいのかを明確にすることです。具体的には、「宅建資格を取ればどう仕事が変わるのか?」「皆に期待されることは?」「その結果、お客様やみんなにどう役に立てるのか?」など、合格した後の充足イメージを十分に話し合い、すでに合格した先輩からも伝え、すりあわせていくことです。
それが、あいまいだと合格してどうなるのか、受からなくても特に問題はないというようにずり落ちていってしまいます。強制ではなく、「何とかして合格したい(してほしいという、みんなの期待に応えたい)という共認欠乏を生起させることが重要です。
心底、この資格を取ることが組織や仕事上のお客様にとって必要だと再認識することです。
そして、全体像だけではなく、より具体的に、そこに到るためにこうすれば合格できるという実現イメージや具体的方法を共有していくことも重要です。

★成功要因①【絶対に受かると考えられる勉強方法の確立と実現イメージの共有】
・昨年度まではそれぞれが、我流のやり方で勉強。しかし、資格試験なら得点率を高くする普遍的勉強方法はあるはず。昨年度から、絶対受かると言われる勉強方法を集め、分析し、実践した。
・結果、昨年の試験で合格点33点の所を40点という高得点が出せたので、今年度はそれを皆で共有し、問題をガンガン解く実現イメージを固定できた。

2)個人的努力だけではなく、組織的支援も不可欠

そして、個人としてがんばる、努力するということだけではなく、組織としてどう支援していくか、勉強を続けて合格できる環境をどう整えていくかといったことが課題となってきます。

当社でも、以前は勉強時間は個人の自由裁量に任せ、あくまで仕事以外の時間を使って行うものだと考えていました。個人の努力や自由裁量にしてしまうと、仕事が忙しくなるとどうしてもそちらが優先され、どんどん勉強時間が削られてしまう悪循環に陥ってしまいます。

みな、それぞれが仕事の課題も担いながら、勉強時間を確保していくには、組織としての支援が不可欠となります。具体的には、勉強時間を仕事時間の一環として計上し管理していくことや、すでに合格した人間ができる限り、仕事上のフォローに回り、勉強時間の確保を手助けするなどです。

そこまで全員で意識していけば、周りもぜひ合格して欲しいという強い期待にもつながり、受験者当人も何とかみんなの期待に応えたい気持ちも強くなります。

★成功要因②【チュータ制導入による、擦り合わせの場の構築】
・今年度からチュータ制を導入。昨年の合格者が今年度の受験者の進捗管理を行い、2、3週に一回位は、小まめに擦り合わせられる場を設けて、SK破綻を無くすよう、毎回課題と目標点数を確認し、その為の勉強方法、時間を設定。
・今振り返って、この場を作った試みの最も良かった所は、実現に向けて擦り合わせ回数が極端に増えた(小さな期待と応合の積み重ねが極端に増えた)所。これは仕事の場面でも同じで、チームで仕事をするには、1つの課題に対して、どれだけ皆の意識を擦り合わせ出来るかが、大きく成果を規定する。

当社は、「チューター制」という方法を選択しましたが、それに限らず、個々人だけの課題とせずにみなで全員合格という目標へ向けて取り組んでいくことができることが重要です。

3)自分課題から組織課題への意識転換

最後に、それらの取り組みを通じて、資格取得を自分が受かればいい、あるいは落ちても自分の責任という「自分課題」ではなく、みんなの期待に応えるという「組織課題」へと意識を転換することです。
資格は個人に帰属するものといっても、あくまで仕事上で組織として必要だから取得するためのものです。よって、これは個人だけの課題では無く、組織としてどう取り組むかといった位相の課題であるといえるのです。
そして、その課題(合格へ向けての取り組み)を「社内ネット」へ発信し、評価や指摘をもらうという共認圧力によって試験当日まで、活力を維持することができました。

★成功要因③【最後の最後まで全員が活力維持出来た】
・組織課題として、取り組むに当たって、それらを支えたのは、社内板という社員全員が毎日見ている社内ネットの存在です。
「今、状況はどうなっている」「何が壁(問題)」「どう取り組むかの方針」などの宅建に関する投稿も格段に増えて、それによって部門を超えて全社が宅建合格へ向けて期待し、応援し、指摘し続けてくれました。それがより大きな共認圧力を作り出していってくれたのです。
全社の中で圧力を生み出して勉強する環境を作れた事で、最後まで活力を維持出来た。




これらの結果として、受験生の数が最大となったこの年(H22年度)は、昨年度の3/9名(33%)合格を超え、5/6名(83%)合格→勝率大幅アップという成果をたたき出すことができました。


◆ここまでのまとめ


ここで、改めて共認時代の資格勉強のポイントについてまとめてみます。

1)何を実現したいのか?を明確にする=充足イメージの固定

’70年の貧困の消滅以降、私権圧力(強制圧力)だけでは活力になりえません。資格取得も、ともすれば、「~しなければいけない」「~して当然」といった旧い意識で語られることが多いように思います。

しかし、共認圧力や共認欠乏(期待と応望)の高まりを受け、現在では「~すればうまくいく」「~すれば充足できる」といった実現イメージ、充足イメージが重要となってきます。

まずは、ここから皆ですり合わせを始めることが重要です。

2)個人的努力だけではなく、組織的支援も不可欠

単に個人的努力に依存してしまうと、なかなか成果につながりません。 組織としてどう当人達が勉強を継続していけるような支援体制を組むかがポイントとなります。
すでに述べましたが、そのすり合わせを増やすことの重要性を再度、確認しておきます。

<チューター制>
「今振り返って、この場を作った試みの最も良かった所は、実現に向けて擦り合わせ回数が極端に増えた(小さな期待と応合の積み重ねが極端に増えた)所。これは仕事の場面でも同じで、チームで仕事をするには、1つの課題に対して、どれだけ皆の意識を擦り合わせ出来るかが、大きく成果を規定する。」


3)自分課題から組織課題への意識転換

自分の課題ならば、予定通りできなくても、合格できなくても仕方が無いということで済まされてしまいがちです。組織課題として、仕事の一貫として取り組むことで、どれくらい時間をかけたか(本人も周りも意識)、その成果は現れているか(途中成果を点数でチェック)、問題は何か?(原因追及と解決方針)などというように仕事と同じレベルの意識で取り組んでいくことが可能となります。

このような組織課題としての資格勉強にまで到らなければ、受験者全員を引き上げて合格へと近づけていくことはできません。

その具体方法は状況にあわせていろいろと考えられますが、その根底にはこの意識転換が必要です。


◆エピローグ~資格勉強は皆で取組む充足課題の雛形~

いかがでしたでしょうか?同じ、資格勉強であれば、すぐにでも実践していける内容かと思います。
ただ、実は、これらの資格勉強への取り組みは合格以外に意外な効果をもたらしてくれました。それは、お互い同士の仕事や勉強の状況も共有して、すり合わせを増やしていくことで、結果として仕事上の意思疎通や判断にまで好影響をもたらしてくれたのです。
実は、本人や先輩達がこの資格勉強に組織的に取り組むことを通じて、さきほど述べたような共認時代の仕事のやり方を身につけていってくれたからだといえます。

ここで、最後に提案があります。

仕事上で必要とは言え、資格取得にはかなりの時間(上記の宅建では合計250時間、問題数2000問が目安)を仕事の時間を割いて投入することになります。単に合格するだけではもったいないと思いませんか?
せっかくならば、単に合格するだけではなく(それは当然の目標です)、資格勉強を組織課題として位置づけ、共認原理による充足課題の雛形として取り組んでいくことで、共認原理を活用した仕事への転換のきっかけとされてみてはいかがでしょうか?
資格勉強は、あくまで期間や扱う範囲が限定された課題ですので、応用としての仕事での実践課題に比べて、(共認時代に適した)新しい取り組み方に着手しやすいように思います。
一見、個人としての努力が成果を規定する個人課題に見える資格勉強でさえ、その課題のとらえ方や意識を変えれば、組織で取り組む充足課題としていけるのです。

ぜひ、皆さんの会社でも資格勉強の成果を上げつつ、共認原理への転換のきっかけとされることをおすすめ致します。

読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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