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2012年08月08日

『企業の進むべき道』10 企業の適正規模を探る~国内の企業規模と法制度~

さて、前回は労働者の権利を守る為の法律が、実は経営者・労働者双方にとっての足かせにしかなっていない悪法 である事を示してきました。
 
今回からは、そのような経営者と労働者の生きる場である「企業」という枠組みで、これからの時代の可能性を探求していきたいと想います。
まずは、これからの探求のベースとなる現代の企業の実態を統計より分析し、とりわけ企業の外圧として規定的な「会社法」の目的とその背景を俯瞰してみたいと想います。
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1.日本の企業数の実態と内訳
まず手始めに、現在の日本の企業の総数について調べてみました。
 
そこで、見つけたのがコレです。
 

このグラフを見ると、日本の総企業数は、421万社!
 
この資料は、統計の年数としては2006年のもので、多少古い統計ではありますが誤差程度ということで、ご了承下さい。
 
このグラフを見てまず最初に驚かれるのが、日本の中小企業の数ではないでしょうか?
なんと!日本の企業数421万社のうち、99.7%が中小企業なのです!
 
中小企業の数が多いというのは、誰しも感覚的に認識している情報だとは想いますが、こうして統計の実数を見ると、予想以上に多いです。
その一方で、世の中の大企業と言われる企業は、たったの0.03%だったのですね。
 
マスコミを通じて普段よく耳にしたり話題にする企業は、日本全体の0.03%の企業でしかなかったのです!
 
しかし、製造業付加価値額においては、その0.03%の大企業が全体の約5割を占めています。それだけ大企業の生産力が及ぼす影響力も大きいというのはこの統計から見ても明らかです。世間が注目するのも改めて納得できます。
 
一方で見方を変えれば、製造業付加価値額の残り5割は中小企業が担っており、企業数、従業員数いずれにおいても過半を占める中小企業の存在は、大企業との大きな格差があるとはいえ、無視はできない数字だといえます。
 
2.中小企業と大企業とは??
さて、こうして見てきた日本の企業数の実態とその内訳で、想像以上に中小企業の数が多いということがわかりましたが、そもそも中小企業とは、いったいどこからどこまでが中小企業なのでしょうか??
これまで、感覚的に捉えてきた定義そのものを一端整理してみたいと想います。
 
世の中に溢れるあらゆるものを社会共通の観念として定義づけるものの代表は、やはり法制度です。
そこで、企業規模について、具体的に定義づけをしている法制度が何なのかを調べて見ました。それが、下に紹介する表です。
 

 
企業規模を定義づける、法制度としては上記の
 
1)中小企業基本法
2)税法
3)会社法
 
の3つが存在します。
 
中小企業と大企業を分かつものとして、一義的な捉えかたはできないようですね。
 
その他に見ていただいても分かるように、企業の規模を決めるものとしては、従業員数のほかに資本金という要素も関わります。 じつは、先ほど見ていた企業総数等の統計グラフは「人数規模」による区分けがされていました。
 
では、「資本金」で見た場合の企業の内訳はどうなっているのでしょうか??いわゆる、少人数でも莫大な資本金で運営している会社があればそれは「大企業」なわけです。
 
では見てみましょう。
 

 
 
上記グラフは、資本階級別にした法人数の統計です。
 
こうして「資本金」ベースで企業数を見てみても、5000万円以下の企業は全体の96.7%に上ります。ましてや、会社法で規定されている大会社にあたる5億以上に法人においては、全体の0.02%にしかすぎません。
 
 
それぞれ、その法文が作られた目的に応じて区分、領域分けがされていると考えられます。
 
中小企業基本法では、中小企業の発展を助成することを目的としているという側面から中小企業を細かく分類分けし、各領域毎に助成額や内容を変えることを前提にしていると考えられますし、より実態に即した統計情報を作成することを目指しているのでしょう。
また、税法によってはもう少しざっくりとした区分けですね。ここらへんは少し本論からはずれますので、詳細は棚上げ。
 
最後の会社法にいたっては、ほか2つの法文と違い「大会社=大企業」を定義付けしているという点で少々趣向が違っています。
 
中小企業にのみ関連する中小企業基本法。企業に限らず、あらゆる税率に関して規定する税法とは違い、この「会社法」は中小企業、大企業関係なく適用される法制度であり、また「企業」にしか適用されない法律です。
 
そういった意味では、この「会社法」というのはあらゆる「企業人」にとって普遍的な法制度だと考えられます。
 
では、この会社法、いったいどういった法なのでしょうか?
 
3.全ての企業に適用される「会社法」とは?
この「会社法」ですが、2年ほど前当ブログでも追求したことがあります。その内容はコチラ→(http://bbs.kyoudoutai.net/blog/2010/07/000921.html
 
そこで、まずはざっくりおさらいをしてみます。
 
●会社法とは?
実は、日本には元々「会社法」という法律は存在していませんでした。
商法(特に第二編会社)にあった商法特例法や有限会社法という、これまでバラバラに存在していた法律を、2006年『新会社法』として独立させたのです。
これは、1899年の商法成立以来の大改訂だったわけですが、実に107年ぶりということですね。
この会社法ですが、決められている内容は従来の商法においても、以下の4つがメインとなります。

①会社を作るための設立に関すること
②有限責任の出資である株式に関すること
③総会や役員などの会社を動かす機関に関すること
④剰余金を分配(配当)したりするための計算に関すること

 
特に、表向きの目的が大きく変わったわけではなさそうですよね?
では、この会社法を107年ぶりに改訂する必要があったのは何故だったのか?
 
それは、
アメリカの年次改革要望書に書いてあったから
なのです!!
 
2005年12月7日の『日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書』の商法の欄に、
なんて書いてあるかというと…
 

商法より抜粋
I. 効率的な改革と株主価値の推進
>国内及び国境を越えたM&A 取引の促進
 
III. 効率的な株式公開買付の促進
>III-A. 対象会社の財務状況に重大な変更が発生しない場合や株式分割、買収防衛策の撤回
>III-B. 対象株式公開企業の取締役が公正かつ公平な分析に基づき、株主が公開買付に応じるべきか拒否すべきかについての取締役会の見解を述べること。
>III-C. 新たな法人格への移行の促進
>III-D. 株式買取請求権の実効性強化

 
とあります。(詳しくは過去のブログを参考にして下さい)
 
要は、M&Aや株式投資の市場を活性化させ、日本の資本を握りたいというアメリカの要望が丸出しの法律だったわけです。
 
折りしも、この会社法設立時期は、大企業の生き残りをかけた買収劇が世間を賑わせていた時期と重なります。
 
この法制定はそんな企業の成長戦略にのっかって、自身の利権を獲得する為の都合のいい法制度と捉えることもできます。
 
そう考えると、ホリエモンやムラカミファンドが賑わした、あの一連の騒動は国を巻き込んで仕掛けられた買収劇だったということがよくわかりますね。
 
●会社法の実態
会社法の設立にはアメリカの意向が汲まれているのですが、一方でこうしたM&Aの世界は、1章で見てきた0.03%の大企業にしか関係のない話とも捉えることもできます。
 
というのも、こうした株式投資を行い企業を売り買いするには、株を上場するしかないわけですが、そもそも日本全体を見ても上場している企業の方が少ないのでは?と考えたわけです。
  
そこで、日本の上場企業の総数について調べてみました。
 

 
調べた結果、日本の上場企業の総数は・・・
4,925社!
  
少ない!
これは、全企業数の0.1%にすぎません。
  
こうした情報を元に改めて会社法を捉え返すと、この新たに改訂された法律は全ての企業に普遍的に働く法文でもなんでもなく、ごく少数の大株主や資本家の利権を守る為の法文であることもわかります。そして、彼らが対象としているのはあくまで上場している大企業のみです。
 
 
これはなぜか?それは日本の企業構造(とりわけ製造業の構造)を見てみれば一目瞭然です。
 
 

 
上記の表は、輸送用機械の取引関係を図式化したものですが、上部の少数(10社に満たない)大企業の下にこれだけの企業がぶら下がっているのです。
 
改めてみるとスゴイ規模ですね。
と、同時にあらゆる投資家やアメリカが何故大企業を対象とするのか?の理由も自ずと見えてきます。
 
これだけ少数の大企業に大多数の国民が所属する中小企業が繋がっているのです。それはもう「アタマさえ抑えてしまえば、こっちのもん!」という発想につながるに違いありません!
 
数多ある中小企業から、利益を吸い上げていくのはあまり効率的ではありません。そこで、すでにできあがっている、序列構造のアタマを抑え込める体制にさえしてしまえば、一気にその市場を牛耳ることが可能なわけです。
 
現に、彼らの狙いは次の表を見ていただくとでも明らかです。
この表では、大企業ほど外資率が高くなっているのがわかります。
 

 
ごくごく少数の既得権益層に有益な法律を全体に適用させること自体がゆがんでいるとは想いますが、その背景の事実に目を向けると、もっと身近な問題として捉え、「どうする?」を考えていかなければいけないということを痛切に感じます。
 
4.今後の可能性
昨今の世界市場を取り巻く状況は、どこからどう見ても拡大の余地が無い事は明らかです。
 
これ以上市場拡大が見込めないという事は、企業の拡大路線が頭打ちとなった事を意味しています。
大企業はバブル崩壊以降、急速にM&A戦略等を通じて利益確保に注力してきましたが、最早それすら通用しない時代に突入したのです。
 
これは、企業成長の道筋が絶たれたという事なのでしょうか?
 
いやいや、そんな事はありません。
 
企業を最終的に支えているのは、資本では無く「人」そのものにあるのですから、人材が育てば企業は育ちます。人が育つという事は、時代の変化に応じて適応していける力を身に着けていくという事。
 
この視点から見ると、実は市場縮小という激変期において、最も適応力を発揮しやすい業態が中小企業だと言えるでしょう。むしろ、利益誘導にばかり気を取られて、人材育成をおざなりにしてきた大企業が最後に取れる手段は、結局のところリストラしかありません。採算性の悪い部門を工場ごと売り飛ばすような荒業をやってのけるには、人を人とも思わぬ冷徹さが求められます。
 
何故そのような事がまかり通ってしまうのか?
 
答えは簡単ですね。資本の集中投下によって育った大企業は、資本家=株主の利益のためにだけ存在してきたようなものです。社員は、最初から金を生み出す為の道具、つまり工業生産の機械と同じ扱いでしかないからこそ、簡単に切り捨てる事ができてしまうのです。こうなると、金の切れ目が縁の切れ目。拡大路線から外れた途端に、身売り・縮小の道しか残されていないのです。
 
しかし、幸いな事にそのような巨大資本の集中投資先として存在してきた大企業は、たったの1%にも満たないのだとすれば、残り99%の企業がしっかりと人材を核として存続さえ出来れば、国力は保たれます。中小企業はいざとなれば、人そのものの力を活用して、業態を丸ごと変えてしまう事も可能です。生産の場とそれを支える人材さえ維持できれば、なんとでもなります。
 
もちろん、その大前提として、「生産の場=みんなの場」になっている事、つまり本当の意味での共同体として、社員みんなで存続していこう、という「共認形成」は不可欠です。
 
大転換期である現在、組織統合、集団統合をどうするかは、まったなしで企業にかかる課題となっています。
 
という事で、次回は日本ならではの中小企業文化や適応の歴史を、さらに深く掘り下げてみたいと思います。

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