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2013年03月26日

成功を導く確かな理論~共同体類グループの事例31~みんなの想いを実現できる共同保育~

■子育てに対する不安が強まってきている?!
母親の子育て不安が、年々高まっているようです。まずは以下のデータを見てください。
『育児のことで、今まで心配なことがありましたか?』
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これは、大阪人間科学大学の原田正文教授による調査で、2003年のレポートと1980年のレポートの結果を比較したものです。
「しょっちゅう」心配だったと訴える母親が、6~7%から16%前後へと大きく増加していることが読み取れます。逆に、「あまり」心配ではなかったという母親は、34~40%から22~25%へと減少しています。このことから、20年前より「子育て中の母親の不安」が一段と高まっていることが分かりました。
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また、その中身は
・とにかくふたりっきりの毎日で、イライラすると矛先をどこへ向けていいか分からない。
・してはいけないことをどうやって教えたらよいか分からない。一応、ダメなことはダメと言っているが、本当に伝わっているのか不安。
・子供の要求をどこまで受け入れるべき?

子育ての悩みランキングより)
といったものが大半で、「子育てをどうしたらいいのか分からない」ことが共通していますね。
それでは、母親の子育て不安が強まってきたのはなぜでしょうか?

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■子育て不安が強まり出した原因は何か?
この問題を考えるにあたって、子育て不安が少なかった時には「どのような子育てをしていたのか?」が気になってきました。参考になる記事がありましたので、以下に紹介します。

『実現論:序7(下) 農(漁)村共同体の建設』より引用
私権時代を通じて、人々の大半は農業を営んできたし、近代になっても、つい戦前までは人口の過半は農村で暮らしていた。
農家は、現在のサラリーマン家庭のような、単なる消費の場ではなく、それ自体が、農を営む一つの生産体である。従って、そこには、自然圧力をはじめとする様々な圧力が働いている。だから、子どもたちは、学校など無くても親の背中を見ているだけで、健全に育っていったのである。
しかし、’50年代・’60年代、市場拡大に伴って、農村から都市への人口の大移動が起こる。その結果、都市のサラリーマン家庭では、生物史を通じて一貫して一つの集団の中に包摂されていた生殖と生産という二大課題が分断され、生殖と消費だけの場となった家庭には、何の圧力も働かなくなってしまった。こうして、生産活動を失った密室家庭は、教育機能をほぼ全面的に喪失してしまった。

農村共同体では、子供たちは生産課題を担う大切な成員。村民達は、家庭という枠を越え、誰の子供であっても期待圧力をかけていたので真っ当に育っていました。だから、親は自分の子供の育成で悩むことはありませんでした。仮に悩むことがあったとしても、周りに生産仲間がいるので、すぐに開き出し問題を1人で抱え込むことはありませんでした。
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それが農業から工業へと生産様式が移行する中で、農村から都市への流入が一段と加速化していきました。都市では核家族化が進行し、今まで農村に存在していた共同体性が失われ、人々の繋がりが至る所で分断されていきました。その結果、各家庭は密室化すると共に、生殖と消費だけの場に陥りました。
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人類の村落共同体は闘争・生産と生殖・消費の場が一体で、外圧=生産圧力が日常的にかかっており、自ずとそれに対応する方法や手段を成員や子供たちが獲得できるよう教育が日常的に行われていました。家庭が生殖だけの場に陥ると、外圧を捉えることができなくなります。
実際に1970年に貧困からの克服を境に、外圧が私権圧力から共認圧力に転換し始めると、家庭は教育機能を完全に喪失する
ことになります。

『勉強だけの子どもにはしたくない』より引用
日本では、’70年に貧困が消滅し、人々の意識は大きく転換しました。貧困であるが故に人々は例外なく自分の地位やお金に収束し、社会は序列原理で統合されていました。
しかし、貧困が消滅し豊かになると、その序列原理という統合原理が崩壊します。80年以降、会社も学校も家庭も「ガタガタ」になった背景はここにあります。
そして、人々の意識は「もっとみんなとわかり合いたい」「わかりあって、共有し合いたい」「共有し合うことこそが元気(活力)の源」という意識、つまり、「共に認め合う」という「共認」第一の意識へと変化し、社会は序列原理から共認原理へと大転換したのです。
共認充足を活力とする共認の時代を迎えた現代、私達親が期待するのは、序列原理から共認原理に転換した社会において生きていく力、つまり、共認充足を得る事ができる力=まわりの皆に共認充足を与える事ができる力を育んで欲しいという事なのです。

貧困の圧力下では、自分の地位やお金獲得の為に、男は企業戦士として、女は子供を受験エリートにさせる子育てに明け暮れていた時代でした。貧困から脱出すると、私権獲得の引力が衰弱し、私権のための受験勉強に意味を見出せなくなります。だから、受験勉強は無意味なものになりました。一方で、ガタガタになった社会に対して、「みんなの役に立てる人材になってほしい」という新たな期待が、教育に求められ始めています。
しかし、生殖機能だけの家庭では、変わりゆく外圧をキャッチできません。だから親は、未だに旧い時代の目標から抜け出せずに、子育ての新たな方向性を明確には見出せていません。つまり、子育てそのものをどうしたらいいのか分からなくなってしまったのです。それが、ブログ冒頭で紹介したデータに顕れています。
まとめると
①「家庭が生殖の場だけに陥ったこと」
②「最大の外圧が、私権圧力から共認圧力に転換したこと」

で、子育てに対する新たな期待⇒方向性を見出せなくなり、不安が高まっていったことが分かります。
それでは、どうすればこの問題を解消することができるのでしょうか?
■突破口は、企業内の共同保育
そのためには、「外圧を掴める生産機能を持つ企業が、生殖機能を包括した場を構築すること」が求められるのではないでしょうか。
核家族が主流になる以前の共同体では、闘争の場(職場)と生殖の場(家庭)が一体であり、「子育て」は日々の生産活動・生殖過程と一体になった集団課題(みんな課題)でした。その中では、課題を共認し、役割を共認し、規範や評価を共認し、それらの共認内容に強く収束することで、各成員の意識も集団も統合されていました。
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その際大人たちは、日々の生産活動・生殖過程をそのまま子供たちに見せ、真似できる多様な機会や場を用意していました。そうすれば子供たちは「遊び」や「手伝い」などを通じて、生産技術や集団規範を身につけ、課題・役割・評価を仲間と共認する充足を積み重ね、共同体の成員に育っていきます。だから、生産と生殖を包括した場を実現できれば、子育て不安は払拭されるはずです。
つまり、子育て不安解消の突破口は、「今の生産集団(企業)に、生殖機関=共同保育機能を設置すること」ではないでしょうか。
実際に、類グループでは共同保育を実践し始めました!

社内ネットより引用
長く働いていた女性社員が3人同時期に妊娠。みんながいるから“大丈夫!”と思う一方、いろんな課題を任せていただいていたので、同時期に抜けてしまうこと申し訳なさも感じていました。けれど、その状況を“共同保育を始められる可能性なのではないか?!”と周りのみなさんに捉えていただいて、期待していただけてありがたい気持ちでいっぱいです。私たちが担っていた課題を急ピッチで引き継ぎし、安心して妊娠・出産を出来るように受け止めてくださったみなさん、本当にありがとうございます。
社長から「共同体で実現する共同保育だから、母子2人の密室空間を実質的にどこまで減らせるか(現代の密室家庭の壁)がカギとなる。そんな場を実現していってほしい」という期待をいただき、1月の終わりから本格的に畳の部屋で共同保育を始めることになりました♪
とはいっても、子育ても、共同保育も初めてなので、どういう形で実現していくのか真っ白な状態。子供にとっても、母親にとっても、みんなにとっても充足できるものはどういう形かを探索しながらになりそうです。まずは【どれだけ母子2人の時間を減らせるのか(どれだけみんなの中にいれるのか)】をポイントに組み立てていきます。
まずは、9月に出産したKさん、11月に出産したMさん、12月に出産した私の3人で開始し、基盤を作り、ゆくゆくは賛同してくれる仲間を広げていきたいと考えています。毎日10時~18時ぐらいまで、畳の部屋に出勤しています。ぜひ皆さん顔をだしてください。楽しみにお待ちしています!
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共同保育が実施され始めてから、母親の不安は一切なく、それどころか「楽しい、楽しい」と言って、毎日過ごしています。その楽しい場に可能性を感じて、かつての社員たちも子供を連れて続々と戻ってきています。

社内ネットより引用
今日、出社したらAちゃんがいたんです☆(妊娠をきっかけに、6年くらい前に退社した自慢の同期なんです♪♪)
午前中に、広報でお仕事をしてくれているのは知っていたけど、今日やっと初めて会えて(*v v*)
昔のあだ名で呼んでくれて、もうすっごく嬉しくって、一緒の空間でお仕事できるのが、1年生の頃に戻ったような気分でした(;;)(;;)共同保育が始まったおかげで、またこうやって一緒に仕事ができるようになるなんて・・ほんとにほんとに有難いし、嬉しい気持ちでいっぱいです(*>▽<*)。。共同保育を提起してくださった社長、そして、実現してくれているママたちに本当にありがとうございますと言いたいです(*v v*)。。

母親としても安心して働ける環境があるので、退職された女性から就活中の学生まで、みんなが職場に可能性を感じて、集まり始めています。
子育て課題を母親1人で抱え込むことなく、社内のみんなで共有できるから、子ども達は大人を真似する中でちゃんと育っていけるし、母親の子育て不安も周りに開き出せる。だから、みんながイキイキしています。
ぜひ、企業内の共同保育を実践してみてはいかがでしょうか?

 

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