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2014年01月06日

関西を知る~京都企業の業績がいいのはなんで?堀場製作所の人材育成編~

堀場製作所の社是
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堀場製作所の第2弾は人材育成についてです。堀場社長は、「見えない資産のなかで最も重視している人」とおっしゃっています。そんな堀場製作所ではどのように人材育成をしているのでしょうか。気になります。
今回も、堀場厚氏が書かれている「京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか」から抽出し、その秘密に迫っていきます。
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人間性を伸ばす教育

いまの教育は、試験の点数など、目に見えるものばかりを追い求める教育です。もちろん、こうした結果も大事なのですが、やはり土台は人間性だと思います。
結果ばかり追い求めていたらバランスの悪い人間ができあがる。そうした人間がリーダーとして様々な権限を行使すれば、企業も国もひどいことになってしまいます。
日本では入試の成績という目に見える部分だけが評価の対象になるのですが、それだけでは本当に一流のリーダーは育ちません。人間性や常識など、目に見えない部分をきちんと評価する制度が、いまの日本には必要だと思います。

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人材を「人財」に変えるための教育

私が考えている教育のコンセプトは次の4つになります。
1.基礎、基本をきちんと教えること
原理原則がわからずに行った応用は、決して自分の身につきませんし、会社の実績にも結びつきません。また、原理原則がわからなければ、失敗をしたときに自分で立て直すことも不可能。まずは、基礎を学び、応用力を使って自分の技を完成しておけば、失敗をしても損失を最小限にとどめることができます。
会社の基礎たるスピリットや信念、価値観がわからなければ、いつまで経っても先駆者にはなれません。なぜ必要なのかもわからず何でもやろうとするのは、いってみれば、カンニングと同じ。答えを説明することができないからです。だからこそ、まず、会社の理念や経営方針という基本や基礎をきちんと教えることが重要になるのです。
2.失敗を経験させること
HORIBA流「人財」の育て方の第二は「失敗を経験させること」。頭でいくら理論をこねくり回しても、実際にしなければ、学んだことを自分のものにすることはできません。だから基礎を学んだら、どんどん体験し、自分の技を磨き上げる。
当たり前のことですが、チャレンジには失敗はつきもの。私は社員に「大いに失敗してください」といっています。ただし、失敗させるのであれば、それは若いうちに限ります、そして、一度してしまった失敗は二度とさせないというのが原則。責任があまり重くないうちに失敗させるのならば、失敗の影響を最小限にとどめることができるからです。失敗をして、自分自身で痛い目に遭えば、人間は自分の体験を知恵に深化させることができるのです。
ところが日本では、往々にして、失敗経験のない人がリーダーになります。いや、失敗しないことが出世の条件だという会社も多々見かけます。
失敗の経験がない人は、一般的にいって、精神的にはひ弱です。メンタルケアの専門家は、ただ一度の失敗を苦にして簡単に自殺してしまう人はエリートと呼ばれる人に多い、といいます。
会社のビッグ・プロジェクトがうまくいなかなった、だから欝状態になってしまった-こんな社長や経営陣の会社は不安定そのものです。リスクを背負ってチャレンジすることができないのでは、成長はない、私はこう考えます。
たとえば、昔は親の手伝いで子どもが料理するのは当たり前だったのですが、いまは子どもに料理をさせることを親は嫌がります。それはなぜか。子どもが料理をすれば、指を切る、火傷をするなど、危険が伴うから。しかし、小さな「痛い目」を体験させることで、子どもは次から注意するようになる。すると、成人してから大きなケガをすることもなくなります。
こんな当たり前のことを過程で実践するだけで、何でも人のせいにするような風潮はなくなのではないかとおもいます。
3.褒めること
実は、悪い褒め方には2種類あります。
一つは、相手に何かやってもらおうとして、ただおだてる褒め方。これはまったく効果がないばかりか、相手のモチベーションを下げてしまう最悪の褒め方です。
もう一つは、結果のみを見て褒めること。たとえば、成績がよくなったら褒めることなどは結果を褒めることですが、これは誰でもできます。誰でもできるがゆえに効果も薄い。しかも、相手が手を抜いたり、インチキしたりして結果を出した場合、褒められた相手は努力をしなくなります。
では、正しい褒め方とは・・・それは「目に見えないもの」を褒めることです。言い方を変えれば「目に見えない行動や努力」を褒めるということ。
良い結果を褒めることは誰にでもできます。一方、結果に結びつくまでの努力や行動を褒めることはなかなか難しい。しかし、そうした努力や行動を褒めることができれば、褒められた人のモチベーションはさらに上がり、結果を生み出す行動につながっていくものなのです。
4.本物を教えること。
なぜ、京都の職人は、同じものをつくり続けているのにもかかわらず、飽くことなく、さらに上を目指すことができるのでしょうか。
それは彼らが「紛い物」でなく「本物」を知っているからだと私は考えています。そこで重要になってくるのが、私の持論でもある「一流のものをつくるには、一流のものを知る必要がある」ということ。紛い物しか知らず、本物を知らない職人は、自分の作品に満足していまい、能力にも限界を設けがちです。すると、せっかくの才能を涸らしてしまうこともあります。

「変わった奴」を採る特別枠

長いスパンで物事を考える、これは、将来への投資ということについても当てはまります。私たちが重視しているのは、「人財」への投資と、研究開発への投資です。
たとえば私たちは、毎年、国内では100名程度の新卒を、好況不況にかかわらず継続的に採用しています。不況だからといって採用人数を絞ってしまうと、技術力や営業力などの競争力が一時的に大幅に低下するからです。
そして、一度落ちた競争力を元に戻すには、数年かかってしまう場合もあります。すると景気が良くなった時にシェアを拡大することができません。不況の際にも歯を食いしばって継続的に採用していれば、競争力を温存することができるのです。
採用の際には、人物を筆記試験や学力で判断することはしません。会社の説明会という趣旨で来社いただき、入社2~3年目の若い社員たちが集団面接のようなかたちでインタビューします。最近は面接のトレーニングが流行しており、トレーニングを受けた学生から出る回答を聞くと、つい私たちのことを理解していると錯覚してしまうこともあるのですが、その学生に一歩踏み込んだ質問をすると、ほとんどの場合が答えられない。しかし、学生の「トレーニング」を見抜くのはなかなか難しいものです。ただ、入社して2~3年目の社員であれば、彼らも就職活動時に同じようなトレーニングを積んでいるはず。何がトレーニングの成果かそうでないかを見分けることができます。
会社を引っ張っているリーダーや優秀なマネージャーには、だいたい「採用はどうしよう」と迷った学生が多い。ある程度完成された、悪くいえば成功体験しかない学生だけを採用すると、このように可能性のある「人財」を採用できない、そんな憂慮すべき事態が出来します。
ビジネスの世界は、日々私たちが体験していることと同じように、最初からうまくいくことはありません、10のうち1つもうまくいかないということも頻繁にあります。また、管理者になれば、部下が決断できないようなことも決断しなければならない。責任ある立場になり、リスクも負うことになります。

多くの企業では人材育成が重要と言いながら具体的なことはなされていないことが多いと感じます。
大企業でありながら人材育成について具体的な方針・やり方か貫徹されているのが堀場製作所のすごさです。

 

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