2011年05月02日
新シリーズ「目配り⇒気配り⇒心配り」が仕事を変える~茶道
さて、今日は「古き良き日本人の行動規範」の紹介1回目です。
茶道(型の文化とは?)を紹介します。
1.古き良き日本人の行動規範
a.茶道(型の文化とは?)
b.江戸しぐさ
c.和算(充足課題)
d.三方良し(買い手良し、売り手良し、世間良し)
e.日本と世界の礼儀作法や敬語
日本には様々な○○道というのがありますよね。
武道であれば、柔道、剣道、弓道、合気道、空手道、相撲道、居合道などなど
芸道であれば、茶道、華道、書道など
武士道なんかもそのひとつの体系であり、見直されつつあります。
武士道は鎌倉時代以降、多くの日本人の行動基準、道徳基準として機能してきたからで、具体的には慈愛、誠実、忍耐、勇気、惻隠(他人への不幸への敏感さ)、名誉、恥などの意識のことです。
単に順位を競うスポーツと一線を画すように思いませんか?現在はスポーツ化され「心・技・体」の「技」だけが幅を利かせているように思います。
○○道は「技」の追求と同時に、道徳基準(心)、行動基準(体)の形成をも内包しているのです。それこそが、自分より集団を第一に考える日本人の特徴なのだと思います。そこで培われる規範を継承するために「道」や「型」ができたのです。
また、茶道に代表される芸能にも多くの行動規範が含まれています。これは今回のテーマでもある「目配り⇒気配り⇒心配り」に通ずるところが多くあるのです。
現在の茶道の原型を完成させた千利休は茶道の心得を、「四規七則」と説きました。
「四規」とは和敬清寂〔わけいせいじゃく〕の精神を言います。
和…お互い仲良くする事。
敬…お互い敬いあう事。
清…見た目だけでなく心の清らかさの事。
寂…どんな時にも動じない心の事。
「七則」とは、他人に接するときの以下七つ心構えです。
「茶は服のよきように点て 炭は湯の沸くように置き 冬は暖かく夏は涼しく 花は野にあるように入れ、刻限は早めに 降らずとも雨具の用意 相客に心せよ」
○茶は服のよきように点て
お茶は心を込めて美味しく点てる。舌の先で美味しいと感じることだけでなく、一生懸命に点てたお茶を客がその気持ちも味わっていただくという、主と客との心の一体感を意味する。
○炭は湯の沸くように置き
湯が良く沸くように火をおこすために上手に炭をつぐ。形式だけで炭をついでも火はつかないので、本質をよく見極めることが大切ということ。
○花は野の花のように生け
花は自然に生けよということであるが、自然そのままに再現するのではなく、一輪の花に、野に咲く花の美しさと自然から与えられたいのちの尊さを盛りこもうとすること。
○冬は暖かに夏は涼しく
季節感を大切にするということ。茶道では、たとえば夏の涼しさを表現するために「打ち水」をしたり、冷たいお菓子を出すなど、「茶室」「露地」「道具の取り合わせ」に季節を表現し、自然の中に自分をとけ込ませるような工夫をする。
○刻限は早めに
時間厳守を説いているのではなく、心にゆとりを持つ、ということ。「ゆとり」とは時間を尊重すること。自分の気持ちに余裕ができるだけでなく、相手の時間を大切にすることにも繋がる。
○降らずとも雨の用意
どんなときにも落ちついて行動できる心の準備と実際の用意をいつもすることが茶道をする人の心がけであるということ。適切に場に応じられる自由で素直な心を持つことが大切である。
○相客に心せよ
「相客」とは、一緒に客になった人たちのこと。正客も末客も、お互いを尊重しあい、楽しいひとときを過ごすようにせよ、ということ。
いかがでしたか?
深く相手に同化し、心を込めてもてなす茶道の「型」として現在にも残っているのです。また、同化する対象は人だけではありません。日本人が古来からもつ、自然に対する繊細な感受性により、悠久の自然の中で移ろいでゆくものに美を発見する感性もまた、同化能力の高さゆえだと思います。それは、茶道、華道、書道、俳句など全てに通じる根源的なものです。
このようにして「道」や「型」として世代を超えて継承してきた行動規範。我々の祖先からの贈り物であり、これからの時代の行動規範のヒントが満載です。
さて、次回は『江戸しぐさ』についてです。お楽しみに~
参考)
●「茶道に見る、もてなしの心」
http://www.kepco.co.jp/insight/content/column/column065.html
●日本人は言葉の「型」を忘れている
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=185550
●『国家の品格』を読んで
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=111515
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