2022年07月26日
【今週の注目情報】なぜ、4割の20代男性がデートした事がないのか?
内閣府が6月14日に公表した「男女共同参画白書 令和4年版」の「特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」。
それを基に報じられた、「20代独身男性の約4割がデート経験がない」という数字のインパクトは大きなものでした。
しかしこの数字、【独身】男性の4割ということは、全男性の何割なのでしょう?
同調査(特-35図)によると、「独身男性」は20代男性の約84.9%(内縁・事実婚を除く)。そのうちの4割ということは、デート経験のないのは、全20代男性の約34%に相当するという事になります。
…多いとみるか、世の常と見るか、これだけでは判断が難しい所です。この調査は今回が初めてなので他の世代との直接比較はできませんが、参考までに生涯未婚率(50才時点での未婚率)の推移を見てみると以下のようになります。
1995年=1965~1975年あたりに20代を過ごした団塊の世代から、ぐんぐんと上昇していることがわかります(男女でデートをし始めたのもこの世代だと言われています)。更に、上昇が遅れていた女性の勾配が男性同様になり始めたのは、2010年=1980~90年あたりに20代を過ごしたバブル世代からという事になります。
婚姻=恋愛や性意識というわけではありませんが、各段階で男女or婚姻の引力が失われ、パートナーがいないorデート経験がない男性もそれなりに存在していたと推測されます。
しかし、デートをし始めたことや、アッシーくん、メッシーくん等が成立していたことから考えると、パートナーやデート経験の有無に関わらず、男性は時代の空気として「何とかしてデートしたい、パートナーが欲しい!」と行動していたのではないでしょうか。
では、現在の20代男性の「34%がデート経験がない」という現象の背景にはどのような意識があるのでしょう?ある仮説を紹介します。(以下リンクより要約)
■恋愛はメンタルを不安定にするリスク要因
私は今年3月に上梓した新著『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』の中で、現在の若者の行動や心理的特徴を「いい子症候群」と称して、解説した。(中略)
その内面を端的に表すと次のとおりだ。1) 目立ちたくない/100人のうちの1人でいたい
2) 変なこと言って浮いたらどうしよう/嫌われたらどうしようといつも考える
3) 自分で決めたくない(皆で決めたい)
4) (自分に対する)人の気持ち/感情が怖い重要なのは、いい子症候群の若者にとっては、人生における重大な意思決定さえも支配してしまうほど、これらの負の感情が強いということだ。
いい子症候群の若者たちは、とにかく自分に向けられた負の感情に強い恐怖心を抱いている。正確には、そこに本当に負の感情が存在するかどうかは関係なく、あくまでそういう空気を感じるかどうかの問題。彼らは人から発せられる空気を敏感に察し、自分の中でそれを増幅することで、激しい緊張感を覚える。
そのくらい人の気持ちが怖いのだから、当然、異性のそれもしかりだ。誤解を恐れずにいうならば、彼らにとって恋愛は、メンタルを不安定にするリスク要因そのものだ。
3)の自分で決められないという性向も、恋愛には不向きだ。決められないどころか、その前段階の「提案すること」すらできない。よって、そういうシチュエーション自体をとにかく避ける。
(中略)
社会人になってから異性と仲良くなろうと思えば、必ず「自分から」「積極的に」「明確な意思をもって」行動しなければならない。そんな千万無量のリスクなど取れるはずがない。無理無理、自分には絶対ムリ。だったらデート経験0人でいいです。
そんな声が聞こえてきそうだ。
異性以前に人が怖い。自分を守るのに必死で相手を思う暇がない。裏を返せば、「恋愛」という男女関係に自分以上の価値を見出せなくなったという事ではないでしょうか。
本来、性は人類を人類たらしめた生きる意欲の源(リンク)です。恋愛から、充たしあい、生かしあいの性に回帰するか、子孫を遺さず絶滅するか、人類はその分岐点にいるのかもしれません。
(参考:なぜ、4割の20代男性がデートした事がないのか?)
- posted by moriaki at : 17:41 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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