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2011年10月17日

経営者の視点に学ぶ~㈱アイ・タックル 社会の当事者を目指して~

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「経営者の視点から、謙虚に学ぼう」シリーズも、5回目を迎えました。
 今回ご紹介するのは、山形県でリサイクル業・バイオ燃料開発・農業を営む㈱アイ・タックル。HPを見てもとにかく社員さんの元気な様子が伝わってくる会社ですが、その秘訣とは。。。?

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◆ボランティアに限界を感じて創業

 実は私がアイ・タックルを創業した動機も、地球環境に貢献したいという思いからでした。山形の楯岡で生まれ育った私は、母親の口癖「もったいない、もったいない」を聞きながら、野山を駆け回り大自然に囲まれた環境で育ちました。私自身の原点は幼少の頃に遊んだ田舎の自然環境にあると思います。
 私はこの大自然に囲まれて育つ喜びを、私の子供達だけで無く、孫やその先の世代にも受け継いでいきたいと思いました。そこで、15年程前に環境問題を解決していこうとするとあるNPOでボランティア活動をしていました。
しかし、ボランティアのように人の善意に依存するやり方では、世の中に与えられる影響に限りがあることを痛感しました。それならば、地球環境に貢献しながら収益を実現することができ、雇用、納税という点でも社会貢献ができる企業活動を通じて環境問題に取り組むことが、ベストだと思い、創業を決意しました。

【社長からのメッセージ】より
 事務用品のリサイクルを主力事業としつつ、軌道に乗り始めるとバイオ燃料事業にも参入。さらにはトマトのハウス栽培事業を立ち上げ、農業への参入も果たします。一見つながりのなさそうな分野が並びますが、これらは「地球環境への貢献」という社会性を帯びたキーワードで深く結びついています。そして実行段階においては、現実を見据えた緻密な戦略に基づき事業を進められています。

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【画像:とまとの森blog】より

 栽培するトマトは、鶴岡市の「窪畑ファーム」から技術指導を受けた。その上で、キク科の植物から抽出した天然成分ステビアを肥料として添加して独自性を出している。この肥料は自分で使うだけでなく、製造元と販売契約を結び、卸売りによる利益も得る仕組みをつくった。
 農業で最も苦労する販路確保では、本業のトナーリサイクルが生きてくる。全国1万5000件の取引先へ商品を発送する際、トマトや加工品のチラシを添えるのだ。相手は事務系の企業がほとんどで、女性職員も多い。従業員が1社当たり10人でも、潜在顧客は15万人になる。
 燃料費に悩む冬場の栽培では、自社のBDF燃料で加温できるのも有利だ。
 借り受けたハウスも面白い。もともと花き栽培用で、骨組みがしっかりとしたガラス張り。天井の開閉が自動で、基礎もコンクリートで整備されている。所有者は月約10万円の賃料で利用者を募った。農業関係者からは月2万円が限度と見積もられ、借り手が付かなかった。水沢社長は幹線道路に面した立地を見て、ハウス内でトマトの販売所と喫茶コーナーを運営することを思い付く。「店舗の賃料として考えれば月10万円は安い。その上、しっかりとした栽培環境も整っている」。考え方次第だ。

【食と農を問う】より
 こうして立ち上げたアグリ事業『とまとの森』では、様々な加工商品の開発、販売に加えて、ハウス内でトマトの販売所と喫茶コーナーを設置。いつも地元のお客さんで賑わっています。事業にかける熱い想いと、実現するための工夫思考。そして地域を巻き込む場作りの重要性が伝わってきます。
◆社員がとにかく元気!活気ある職場づくり
 水沢社長が描いたビジョンの下に集まる社員の方々。これがみんな、とにかく元気。全社員が必ずどれか一つに所属しているという「ありがとう経営委員会」「掃除に学ぶ委員会」「共育向上委員会」「経営改善委員会」など各種委員会のほか、「若手社員勉強会」「問題解決能力養成口座」「朗読会」など様々な活動が自主的に立ち上げられています。
 その中でも特にご紹介したいのが、社内新聞『えこころ』。記事の作成、編集、発行まで全ての工程を、新入社員の同期同士で結成された委員会が担当しています。新聞は社内だけでなく顧客の元にも届き、中には毎月の発行を楽しみにしている「えこころ愛読者」もいるとのこと。担当する新入社員にとっては、社内でのコミュニケーションが深まると共に「自社を知る」大切さを学ぶ機会となっているようです。
☆地球家族えこころ 平成23年3月号(一部抜粋)

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【掃除に学ぶ委員会】

 アイ・タックルに入社させて頂き、早くも四ヶ月が過ぎました。
 入社当初1番印象的だったのが、毎朝の掃除でした。まず出勤して目にするのが先輩社員方のトイレ掃除姿。朝早くに出勤し、そこまでやるか!の如く黙々と掃除をする姿がかっこよかったです。私達がいつもピカピカで気持ち良く使用できるので本当に感謝しております。ありがとうございます。
 私は掃除を学ぶ委員会に入りました。そんな私が毎朝の掃除で学んだ事があります。それは気付きの大切さです。担当場所を掃除する一週間の中で、一日・二日では手の届かない場所、ホコリが溜まっている場所はどこなのかを発見するスピードが早くなったと思います。また、一緒に掃除をしているメンバーがどこまで掃除を終えたのか、まだしていないかを観察しながら行えるようになりました。これらは次に何をしなければいけないのかを考える訓練になっております。私は営業部で毎日お客様と接しておりますが、これからも気付きに磨きをかけ、より効果的な提案が出来るよう頑張ります。

 記事内容は、こうした社員の気付きに始まり、社員の出身地の話をインタビューした「ジモトーク」のコーナー、お誕生日さんのコーナー、お客様の紹介記事、さらには時事ネタに関連した「今さら聞けない現代用語」など、多岐に渡ります。

 社員たちによってどんどん広がっていく自主活動。こうした活力はどこから生まれてくるのでしょうか?その答えが、るいネットにありました。
☆課題収束を社会空間に広げていくきっかけも「充足」である。

 70年代貧困の消滅から90年代の私権崩壊が人々の収束不全を引き起こし、本能を直撃、20年の蓄積を経てまず収束したのが秩序収束である。そこでは若者に代表されるように共認収束を経てまずは人=仲間収束した。
 その後、02年以降私権崩壊が決定的になると、仲間収束だけでは納まらず、課題収束を引き起こす。遊びどころではないという状況から仕事や勉強という課題に向かった。しかしそこでの課題収束とは不安発ではなく「役に立ちたい」「喜んでもらいたい」「評価が欲しい」といった充足発である。この充足発の課題収束はしばらく続き、現在の充足基調を生み出し、なんであれ充足したものが勝っていく時代に入ってきている。
 この充足基調によってそれまでの(私権時代の)代償充足である解脱充足、遊びといったものが、ほとんど姿を消し、仲間達と成果を生み出し充足するといった課題充足の地平に移行してきた。
そして現在、その先にようやく向かおうとしている。
その充足を仲間や身近な処から社会空間に広げていく過程である。

 一人一人の社員、お客様、さらには地域、社会へと、想いを馳せる対象を社員自らがアイ・タックルの事業をきっかけに広げ、『社会の当事者』となっていく。溢れるほどの活力は、まさに次代の潮流を掴んでいるからなのでしょう。
 これからのアイ・タックルさんにも、目が離せませんね。

 

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