2011年11月11日
充足の場の創出が成果につながる~エンジョブさん~
‘70年以降貧困が消滅し、人々の最大の活力源は、お金や地位の獲得から仲間との充足感へと変わってきました。
その結果、仕事への活力も「どれだけ多くの給料がもらえるか?」ではなく、「どれほど仲間と充足できるか?」によって規定されるようになっています。
従って、企業経営者の最大の関心ごとは、「どれほど社員を充足させられるか?」に変わってきています。
そして、今回紹介する企業「エンジョブ」さんは、社内の充足空間を作り上げ、高い成果を生み出し、現在も無借金経営を実現されている企業です。
皆さんは職場で燃えた経験はありますか?
会社で感動し泣いた経験はありますか?
仕事で成長し私生活が変った経験はありますか?
この会社には、その全ての体験が出来ます。
上記はエンジョブさんの就活生用HPで掲載されている高橋純社長の言葉です。環境に優しい、福利厚生がいいといった目先的な充足をアピールしているのではなく、仕事を通して得られる仲間との充足を第一に考え経営されているのが伝わります。
エンジョブさんは社員数が14名の少数精鋭企業で、旅行業・業務請負業・経営コンサルティング等を展開し、売上3億円、経常利益率10%を例年確保されています。日本の企業の約80%が社員10名以下の小企業であり、多くは赤字経営だと言われている中で、非常に高い成果をあげています。
では、具体的にどうやって社内に充足空間を生み出し、高い成果を出し続けているのでしょうか?
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社員全員が会社の状況を把握している
弊社は公開経営(社員に売り上げ、利益を公表)を数年前から行ってますが、小さいながらも無借金経営を継続中です。
エンジョブさんでは、会社の経営情報を公開し、全社員で会社の状況を共有しています。
この経営情報の公開は、ほとんどの企業では行なわれていません。なぜなら、企業は経営者あるいは株主のものであり、社員は従業員であるという認識があるからです。しかし、これでは、従業員は会社とは対立する関係となってしまい、賃金の値上げや労働環境の改善といった要求を経営者に無制限に押し付けることになってしまいます。そのような要求主義では、何も改善されず社員の活力は上がりません。
しかし、エンジョブさんは経営情報を公開することで、自分の頑張りが業績アップという目に見えた成果に表れ、会社に対する貢献度がわかるため、組織の一員であるという当事者意識が生み出されます。また、会社の業績が低下すれば、その圧力を感じることが出来るので、賃金上昇などの要求をするのではなく、業績を上げるには?に頭を使うようになり、活力上昇に繋がります。
また、多くの外部研修に参加しているのも、エンジョブさんの特徴なのですが、その目的は
◆外部研修への参加制度
【目的】
社内研修は修行! 外部研修は他流試合。自社の実力を測れる場所と考えています。
中小企業の社員はどこでも自分に自社に自信がありません。自分達がしている事のレベルが計れる機会がなく、自信喪失しています。外部研修ではやる気の高い他社の方々と交流し、自分や自社の良い所、悪い所を知り、改善していく場と定めています。
とあるように、社外の人たちと出会うことで自分の評価を明確にさせ、無能の自覚を促し、成長していって欲しいという期待があるためです。そして、それだけではなく外部研修にたくさん参加することで、社外の状況がわかり会社の置かれている外圧の把握につながります。
このようにして、常に会社の経営状況、社外状況を全社員が共有することで皆が経営者と同じ圧力を感じることができ、それが社員の当事者意識を高めることで、社員の活力アップに繋がっているのだと思います。
社員はお金ではなく、期待でついてくる
このような経営情報の公開や外部研修参加などの、社員の当事者意識を高める試みを高橋社長は初めから行っていたわけではありません。
弊社は僕がたった1人で立ち上げました。起業当初は沢山の事業を立案し実行し、少し儲けては辞める。そんなことの繰り返しでした。その後きちんとした会社法人として立ち上げましたが、経営に関する勉強をまるでしてなかった僕は、金さえ払えば人はついてくる。仕事は公私を完全に分け、結果が全てだ。と思い込んでいました。
全ての業務を自分で背負い込み、掃除から経理チェックから全て自分で行う徹底ぶりで金は入るが人は定着しませんでした。社内の状態とは裏腹に事業は拡大路線に入ります。しかしその様な傲慢な経営が続くはずも無く、全国展開に失敗。
このように、始めは高橋社長は社員についてほとんど関心がなく、金さえ払えば社員はついてくると考えていました。しかし
それから様々なことがあり、社員教育をするようになった。180度今までと変わり、面談に力を入れ、会議をし朝礼を取り入れ、1時間以上の講義を毎週行った。労働条件は賃金、休みとも少なくなり残業が増えた。ところが当初より離職率は格段に下がった。
とあるように、社員とのコミュニケーションを大切にし、多くの課題を社員に任せ、期待するようになったのです。すると、経営は黒字転換していったのです。
こうした背景には、人は期待に応えることで充足を感じ、活力が生まれるといった構造があり、貧困が消滅した’70年以降、より顕著に表れたその意識潮流を捉えた方針だったからだと思います。
こうした期待と応望の関係が何よりの充足源となった今、高橋社長自身も社員たちと一緒に課題に向き合って充足したいという気持ちが顕在化し、それが社員へ期待するようになったきっかけとなったのではないでしょうか?
「いい会社=給料の高い会社」ではなく、社長も含めて、社員全員がお互いに期待し合い、応え合い、充足できる会社がいい会社であり、成果を上げることの出来る会社なのですね。
充足に枠はない
↑マラソン
↑朝食会 ↑ビリーズブートキャンプ
高橋社長の大きな期待と社員の当事者意識の高さ故に、活力がぐんぐん上昇したエンジョブさんは、仕事の範囲だけの充足ではなく、仕事の枠を超えた充足の場を生み出しています。朝食会や、社員全員で海外へ行く研修旅行、マラソンなど、たくさんの社内企画を通じて得た充足感の大きさは、ホームページの写真などからも伝わってきます。ビリーズブートキャンプが流行った時などは、全員でやりきったとか!
このような一見遊びと思えるようなことが、大きな気付きを社員に与えているのです。下記は研修旅行に行った社員さんの感想です。
この研修旅行を通してただ「楽しい」だけの旅行じゃなく、学んだことや新しい発見の数々を頂けたことに感謝しています。
(中略)
まずは、準備段階ではもちろん、旅行中においても報連相の重要さ。そして、時間管理に対する意識の持ち方を肌で感じることができました。
(中略)
1番の気付きは、「甘え」です。準備の段階においては、「甘え」が足りず…ギリギリになるまで抱え込み、結果、皆さんに迷惑をかけてしまいました。もう少し早く、社長や先輩方に相談し、頼っていたらもっとスムーズに、もっと楽に準備が出来たと思います。
(中略)
そんな風に、まだまだ書ききれないくらいの「気付き」と出会えた今回の旅行。入社してまだ間もないのに、参加させて頂けたことや、幹事という大役を任せて頂けたことと共に、感謝の気持ちで溢れています。
仕事という枠とは無関係に充足の場を作ることで、より多くの充足体験が蓄積され、もっと充足するには?という視点に皆が立つのだと思います。そうした視点があるからこそ、多くの気付きがあり、どんどん成長できるのだと思います。社員教育に力を入れているエンジョブさんですが、この充足の場こそが最大の社員研修になっているのかもしれません。
以上、エンジョブさんを紹介してきましたが、大きなポイントは以下の3つです。
経営情報の公開、社外研修会→社員が会社の状況を認識→当事者意識△
お金ではなく期待を社員に注ぐ
仕事の枠に留まらない、充足の場の創出
人生の大半を占める仕事を通して、もっと充足していきたいというのがみんなの想いです。現在、たくさんの問題を抱えている社会ですが、充足できる社会を作っていく為には、まず自分の職場を充足の場に変える必要があると思います。みんなの職場が充足空間で満ち溢れれば、きっと社会もよくなる。その先駆けであり、実現体がエンジョブさんだと思います。
今後もエンジョブさんの活躍を期待すると共に、このような企業がたくさん出てくることを期待したいです。
- posted by kaganon at : 12:00 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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