2011年12月13日
共同体社会の実現に向けて【13】 新時代を切り開くのは、共同体企業のネットワーク(下)
前回記事で明らかになったように、人々の意識は共認収束へ、活力源は共認欠乏へと大転換しており、潜在思念では既に共同体企業の実現過程に入っています。
また、経済リセット後の秩序維持を考えても、共同体企業のネットワークが新たな共認収束として求められます。しかし、民主主義をはじめとする旧観念が潜在思念に蓋をしているせいで、明確に共同体化している企業は決して多くはありません。
そのような状況の中、どのようにすれば企業の共同体化、共同体企業のネットワークをつくっていけるのでしょうか?
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【企業を共同体化してゆく社会事業】
今、時代は、私権原理から共認原理への大転換の真っ只中にある。より正確に言えば、すでに’02年頃に、人々の潜在思念は、私権収束から共認収束へと転換している。
従って、いまや大半の経営者が、自覚的にor無意識に、社員の活力上昇⇒共同体化を志向しているが、実際にはなかなか上手くいかない。
上手くいかないのは、古い認識が邪魔をして、大きな認識転換が出来ないからである。大きな認識転換が出来なければ、当然それに付帯する様々な転換も出来ない。
他方、共同体として40年近く先行している類には、様々な充足事例や方法論やそれらを支える構造認識が蓄積されている。それらは、間違いなく有用な情報or認識として求められており、必ず商品化できるはずである。それは、社会変革を事業化する試みとなる。
共同体志向の企業群の適応構造
私権原理から共認原理への大転換にともなって次々と登場している「共同体志向の企業群」については、当ブログでもたくさん紹介していますが、その特徴を構造化したものが右の図解です。
第一義に「社員の活力=充足」を経営の中心軸としていること。
この「充足」とは(私権充足ではなく)「共認充足」であり、それこそが活力を上昇させ、成果を生み出すという明確な戦略目標に基づいていることです。
(昔は給料を払うこと、地位を与えることが社員の充足であり、それ以上考える必要は殆どなかった)
かつての指揮系統に代わる、「共認形成の場・仕組み」づくりが行われていること。
例えば、研修会、朝礼、社内新聞、ブログなどの共認形成の補完体制や、委員会、サークル、勉強会など社員が主体的に参加する自主活動が取り入れられています。この「共認形成の場・仕組み」が、「理念(理論)による統合」と「社員の活力=充足」をつなぐ鍵になります。
(私権の衰弱により、指揮系統だけでは持たなくなり、欠落領域を補う活動が増大している)
「理念(理論)による統合」を志向していること。
もはや私権では統合できないわけですから、何らかの理念(理論)によって統合する、社員の活力を引き出す必要があります。
(実際に、企業理念の重要度は年々高まっており、理念づくりや理念の浸透のための活動が増大している)
生物集団であれ、人間集団であれ、いつの時代も集団の本分は「外圧適応」にあります。
これからの企業集団にとっては、「社会=みんなの期待」という共認時代の外圧に対して、「社員の活力=充足」という内圧を高めて適応していくことが本流となり、そのための状況認識→理念・理論の中身、共認形成の場・仕組みを磨いていく必要があります。その方向性が「共認原理による統合=共同体化」なのです。
現在は、多くの共同体志向の企業群が無意識に、あるいは一部意識的に、上記の方向性で試行錯誤している段階だと思われますが、実際にはなかなかうまくいかない、様々な壁が存在しているのも事実です。
共認原理への大転換を大きな流れとしていくためにも、共同体企業が各々単独で頑張るだけでなく、相互に手を組んでネットワークを構築し、学び合いと活力上昇を加速させていく必要性は高く、共同体として先行する類グループが長年の試行錯誤を経て蓄積してきた方法論や認識群は、共同体企業ネットワークの構築に必ず貢献できると思います。
類グループの事例紹介
感謝と謝罪のトレーニング(感トレ)
初めは女性社員数人の有志で始まった感謝と謝罪のトレーニング。
今では、数グループができるほど広まっています。
そこではもっとみんなの役に立てる“いい女”になるために週に一回女の器を広げるトレーニングを行っています。
また感トレの一貫として、日々の充足や気づきやモヤモヤをノートに記したもの(感トレノート)で、女同士何でも共有共感し合うことで、安心できる空間が出来上がっています。感トレが始まってから女性社員の充足性が高まり、社内に充足と肯定の雰囲気が作られ、男性社員の活力もどんどん上昇しています。
参考 女の子たちの声をお届け♪~「感トレ」の、ココがすごい!☆+゚
社内ネット(掲示板)
類グループでは「社内ネット(掲示板)」がフル活用されています。
部門や事業部の枠を超えて、業務連絡や仕事で上手くいったこと、トラブル報告、日常の出来事や感謝したこと、嬉しかったことなど様々なことが日々発信されており、課題や成功体験を全社員で共有し、実現に向けての新しい提案が追求されています。
このように社内板は、共認形成の中核であり、社員の活力を引き出す仕組みとなっています。
なおかつ外圧に対する状況認識や理論形成をしていける場ともなっています。
参考 私の会社の社内ネット活性化事例♪~充足が全てのベース~
るいネット・なんでや劇場・ネットサロン
自分たちの会社をよくしてゆくのと同じように社会も自分たちの手でよくしていきたいという思いから、最先端の社会状況や人々の意識状況を分析したり、生物史や人類史の歴史構造を解明し、閉塞した社会を突破するために、新たな可能性を実現する答え=新理論の構築のために日々追求をしている場です。
その理論や認識が経営戦略上の羅針盤となり、社内の新しい活動が作り出されるなど、活性化の導きとなっています。
しかし、経営コンサルがやっているような、講師1人:社員30人の研修では、ほとんど効果が上がらない。効果を上げるためには、講師1人:社員6人くらいでの研修が必要だが、それでは膨大な講師人工がかかり、社員研修としては高額すぎる商品となってしまう。
それよりもっと問題なのは、企業を共同体化するのに、社員が一方的に聞くだけの研修スタイルは適していないという点である。おそらく、企業を共同体化してゆくためには、その企業が主体的に参加することが必須条件となる。
従って、相手企業が週1回3時間の社内研修の時間を設けることを条件に、テキスト=ネットの経営板を読み、議論し、発信する形を取る。この経営板には、様々な共同体企業の成功事例や方法論やそれを支える認識群が掲示される。いわば、社内ネットの社会的な共有版のような形である。(もちろん、各社の社内ネットは夫々に存在するが、経営板の佳作を各社の社内板に自動的に配信するのも、活性化に有効な一手だろう)
そうすれば、かなり安価で、かつ各企業が主体的に参加する共認形成の場が形成できる。
各企業のこの共同体化を軌道に乗せるためには、経営者の賛同はもちろんだが、それとは別に、若手経営幹部1人を責任者(リーダー)として、選任してもらう必要があるだろう。
また、社員研修の進め方etcで、とりわけ上手くいっていない事例は、なかなか外(経営板)に出せない場合が多い。従って、経営板とは別に、各企業の相談に応じる、指導担当が必要になる。
さらに、各企業のリーダーには、理論研修も必要になるが、それは希望する企業だけでもいいだろう。
以上から、各企業に対する共同体化の商品としては、『経営板と指導料で社員1人当り月1000円。』、希望する企業には、『別にリーダー研修(週1回)月1万円。』という形になると思われる。
もちろん、この企業ネットワークを構築してゆくためには、この共同体化の商品を各企業に売り込む営業専任や、各社リーダーを教育する研修専任が必要になる。
それは、とりあえず類グループが中心になって展開するしかないが、半専任のネットワークビジネスのようなポイントシステムも検討に値する。
上記の理論に基づき、9月から始まった企業ネットワークの構築活動では、北は北海道、南は沖縄まで、共同体的企業の経営者にお会いし、共同体企業ネットワークの可能性をお話してきました。そのなかで共同体的企業の実態がよりリアルに見えてきています 😀
今や、どの企業も大きな外圧変化に直面しています。経営者は、現実の圧力に適応し、社員の活力と充足を生み出していくために、可能性を探索し続け、社員の充足と活力上昇に向けた取組みや社内体制改革などに積極的に取組んでいます。
各企業にかかっている外圧はそれぞれ異なるため、各社の取組みもそれぞれです。その中には成功している取組みもあれば、大きな壁にぶつかっている取組みもあります 😀
各企業の体制や現業のスタイルによって組織的欠乏は異なりますが、どんな欠乏に対しても、類グループ40年の蓄積は応えてゆくことができることがわかってきました
自主的な勉強会を続けてこられたある企業とは、経営者から若手まで幅広い年齢層を交えて、経営板を使った合同勉強会を開催し、認識を学ぶ面白さや社員の充足を感じてもらい、経営板勉強会に可能性を感じてもらえました
女性社員が多く日常的に日記を書く事が仕事の一環になっている企業では、類グループの行っている感謝と謝罪のトレーニングを紹介すると、その場で導入に向けて話し合いが進んでいったりもしました
また、ちょうど社内の情報伝達スピードが課題となっていた企業では、社内ネット掲示板の導入に大きな可能性を感じてもらえました
このように、現実の圧力を真正面から直視し、応える枠をさらに拡げることで、企業ネットワークの可能性がさらに広がっていくという確かな手応えを感じています
【共同体化の最大の敵は民主主義】
上で述べたように、共同体化が上手く進まないのは、認識転換が出来ていないからであるが、企業を共同体化してゆく時に、その足をひっぱる最大の妨害者は、何事も批判し要求することしかできない社会派=民主主義者である。問題なのは社員だけではない。むしろ、多くの経営者が「民主主義」に囚われて、共同体化の方針を誤っている。共同体化が上手くいかない最大の原因は、経営者自身の頭に巣くう「民主主義」にあるといっても過言ではない。
従って、その点での認識転換が最初に必要になる。
序3で既に述べたが、改めてその点を鮮明にしておこう。それは、一言で尽きる。
『民主主義者は金貸しの手先であり、従って、共同体の敵である。』
もちろん、彼らは金貸しに騙されて「民主主義は絶対正しい」と信じ込まされている犠牲者でもあるが、そもそも彼らが「民主主義」に強く収束したのは、彼らが批判と要求しかできない小児体質or観念病だからである。
批判(要求)するだけならガキでも出来るが、これでは何をするにも周りの足を引っ張るばかりで、まったく戦力にならない。
そのことは、経営者なら、言われるまでもなく良く分かっている。ところが、民主主義を全的に否定し切れていないので、組織方針を誤ってしまう。新理論が不可欠な由縁である。
もちろん、それ以外にも転換しなければならない認識群はたくさんある。
だからこそ、共同体企業のネットワークが必要になる筈だが、それは経営者の必要意識がどこまで醸成されているかにかかっている。デフォルト前の段階では、ネットワークの必要意識は小さいかもしれないが、リセット後は間違いなく急上昇する筈である。
民主主義と共認原理の違い
「共同体化の最大の敵は民主主義」と始めて聞かれた方は、なんで?と不思議に思われると思います。まず、なぜ敵なのかをおさらいしましょう。
共同体の特徴は、互いにみんなの充足・活力を第一に考えていることです。ところが民主主義は、それぞれが自分の充足を最優先するという考えに基づいています。民主主義は自分第一の価値観を正当化する自我の暴走装置であり、みんな第一の共同体を破壊します。
次に、民主主義の弊害は、共同体企業のなかでどのような形で現れてくるかを見てみましょう。
良く勘違いされるのが合議制です。
同じ合議制でも共同体と民主主義では大きく異なります。
共同体では互いにみんなの充足を考えていますから意見を合わせることが出来ます。しかし民主主義では自分の都合だけを考えた意見を主張することが正しいとされています。
共同体に民主主義の合議制を持ち込むと、自分の都合だけを考えた意見に振り回され、共同体を破壊されかねないのです。 😥
また、共同体だからみんなが働きやすいように意見を聞こうという発想もよく見られます。しかし、意見を聞く人も聞かれた人も民主主義にとらわれていると、自分の都合を主張すれば良いのだという意識になり、社員がどんどん要求主義になり、互いに自分の都合を主張し合う、みんなが働きにくい会社になってしまいます。 😥
民主主義は私権の追究、自我の暴走を正当化するためにつくられた旧い観念です。自我の暴走を認めていたのでは本当にみんなが働きやすい共同体的な企業をつくることが出来ません。企業を共同体化するには、私権統合の時代の旧観念を捨てて、共認時代の新理論を学ぶ必要があります。それを一人で創造し学習するのは困難であり、企業を共同体化するには共同体企業のネットワークが必要になるのです。
参考:民主主義は、自我の暴走装置である
人々の潜在思念は私権収束から共認収束に転換しており、大半の経営者が社員の活力上昇⇒共同体化を志向しています。共同体企業:類グループの充足事例や方法論、それらを支える構造認識の40年に亘る蓄積を商品化して事業化することで、それらの需要に応え、企業の共同体化とネットワークの形成を促進していくことは十分に可能です。
その際、今回扱ったように、「民主主義」の全的な否定が大きなポイントになります。一見共認原理に立脚しているかのように感じられる「民主主義」こそが、共同体化の方針を誤らせているのです。よって、企業の共同体化を促進するためには、潜在思念に基づいた新理論が必要であり、新理論の構築は共同体企業ネットワークの共通課題でもあります
そしてこの新理論は、経済リセット後の新たな共認勢力としての政策方針等、今後の社会統合に不可欠であり、その意味でも重要な共通課題なのです。現在シリーズで紹介している、この実現論はその素案です
では、新理論に基づく政策方針とはどのようなものなのか、具体的な政策方針を次回以降に紹介します
- posted by misima at : 19:55 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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