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2021年04月28日

空気をつくろう

私たちは日常的に言語を使ってコミュニケーションをしていますが、実は言語以外の情報も読み取って理解しています。「メラビアンの法則」は、会話の中で、相手の言葉、声のトーン、表情からどう影響を受けているか?を表したもの。それによると

言語情報(話の内容など)        7%
聴覚情報(声のトーンや話の早さなど)  38%
視覚情報(顔の表情など)        55%
※あくまで3つの情報が一貫していない場合にどこからの影響が強いかを表している

言葉はあくまで記号にすぎず、それ単体では人類の持つ共認機能や本能にそれほど浸透しないのです。この非言語領域の影響力は、最近では「空気」と呼ばれています。

例えば、スポーツ等での「伝統の一戦」や大会決勝等で競技場が異様な「空気」に包まれ、選手たちがそれに後押しされて実力以上のパフォーマンスを発揮するようなプラス面もあれば、試験や試合の前に緊張している人の近くにいると、自分の方も緊張してしまうこと、「勝利」を口にしながら「どうせダメだろう」という空気によって実力差以上に大敗してしまうマイナス面もあります。

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仕事場面でも「空気」が成果を左右しています。例えば自ら動かない社員が多数を占めるチームがあるとします。ほとんどのリーダーはメンバー個人に原因があると考え、問題あるメンバーの個別面接を実施してモチベーションを高めるための説得を行います。その場では「改心」したかに思えても、いざ再び部署に戻った途端に元に戻ってしまうことがあります。

こうした場合、犯人は“個人”ではなく、場の“空気”であることがほとんどです。ここでの空気とは、実体はないが「ある集団を支配している価値観や判断基準」のこと。

この空気は、私たちの脳内の偏桃体とミラーニューロンの作用で作られます。

扁桃体は側頭葉内側の奥に存在する神経細胞の塊で、古くは魚類の段階にその機能が形成されています。その中心機能は「危機察知→逃避行動の発令→群れの形成(→仲間認識)」にあります。一方、ミラーニューロンは、サル~人類のみ持つ機能で、その名の通り、相手の行動を自分の行動に置き換えることを可能にし、共感の原点ともなっています。

相手との共感を可能にするには、相手と自分を重ね合わせた(同一視した)上で、情動反応を起こすことが必須となるが、扁桃体による情動反応とミラーニューロンによる相手への同化・同一視が、「共感」を生み出しているのです。るいネットより)

つまり会話しなくても、私たちは常に周りの人への同化・同一視の可能性をミラーニューロンで探索し、キャッチした相手の反応から偏桃体が情動反応を起こして「共感」しているのです。その構造からマイナスの空気はプラスより敏感に反応しやすいため、組織として掲げる軌範や価値判断に合っていない場合はとても厄介です。

では一体どうすればマイナスの空気をプラスに転換できるのでしょうか?

組織は、「20%のできる人」「60%の普通の人」「20%の物足りない人」で構成されやすいと言われています。これを「組織論2:6:2の法則」といい、人間のみならず、アリの世界でも「働くアリ」「働くふりをするアリ」「働かないアリ」の3種類がだいたい同程度の比率に分かれるといいます。
「20%のできる人」は、自分で勝手にやる気に燃えている人なので「自燃人」、「60%の普通の人」は、火を点けられると燃える人なので「可燃人」、「20%の物足りない人」は、なかなか燃えない人なので「不燃人」と呼ぶ場合もあります。
さて、この3つの人々のうち、場の空気を左右するのは最も多数派の「可燃人」です。可燃人のまわりに自燃人がいれば、ミラーニューロンの働きによってその影響を受けますし、その逆もまたしかりです。
ですから、チームの空気を変えたければ、多数派の可燃人に対してどう働きかけるのかを考えるのが得策だということを念頭に置いておいてください。人を動かす技術「空気」を変えてチームの実力を引き出す

空気は所詮空気です。可燃人を巻き込むには、具体的な行動に移せるように、5W1Hで指示することが大切です。

why(なぜ?)             :背景・経緯・目的
what(何を?)           :内容・要件
how(どうやって?) :方法・手順
who(誰が?)             :体制・役割
when(いつ?)           :全体スケジュールの中での期限
where(どこで?)     :実行場所

そして多数派がどんどん行動すれば場の空気は変わり、不燃人も巻き込まれていきます。
もはや空気を「読む」時代は終わり。組織を活性化させるために空気をつくる時代になっています。

 

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