2010年05月12日
共認原理で不況をはね返す企業 -ネッツトヨタ南国-
右の写真を見てください。一見おしゃれなカフェかと思いきや、実は『ネッツトヨタ南国』という立派な自動車ディーラーのお店なんです(左の写真が外観)
ディーラーといえば、お店いっぱいに車が並んで、店員さんが営業トークを展開している印象が強いですよね。しかし、そういう一般的な自動車販売の店は、2008年来の不景気で軒並み落ち込んでいます。
にも関わらず、ネッツトヨタ南国は業績を上げているのです
(参考)
「全国の新車販売が前年同月比で28%落ち込んだ今年1月、トヨタ自動車系ディーラーのネッツトヨタ南国(高知市)は37%増を記録し、1月として過去最高を更新した。(2009/3/7日経新聞)」
なぜ、業界全体が大不況の中、業績をあげ続けることができるのでしょうか?
その理由が、カフェと見まがうような店作りに表れています。
ヒントは、『社員満足度』です 😉
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■「全従業員を人生の勝利者にする」という経営理念
ネッツトヨタの好業績の裏には、「顧客満足度が、オールトヨタ販売店の中で1999年以降ずっとナンバーワン」という事実があります。顧客へのサービスが行き届いているからこそ、リピーターや新規顧客を惹きつけて売り上げ増に至っているのだと言えます。
しかし、本当に注目すべきなのは、『車を売ることが目的ではなく、社員が幸せに働ける会社をつくること』を主義にしている点です。現会長の横田英毅氏曰く、「社員が幸せに働いていれば、自然にお客様にとっても満足度の高い会社になる」とのことです。顧客に車を売るために店員が無理をするのではなく、まず社員が仕事に満足することを何よりも大事にしているのですね。ネッツトヨタ南国の経営理念が『全従業員を人生の勝利者にする』であることが、それを明確に表しています。
そして、全員で勝っていくという目標を実現するため、同社には「社員の社員による社員のためのルール十ヵ条」というものがあるのです。その内容は以下の通り。
1. 常に既成を破ろう
2. 組織図をつくらない
3. 安楽椅子はない
4. 重役を投票制で決めよう
5. 全員の経営参画
6. 多数決はしない
7. 売上を伸ばせとは言わない
8. 駐車場には線を引かない
9. 共に育つ「共育制度」
10.やる気のない人は幸せにできない
「全員の経営参画」でありながら、「多数決はしない」という点が目を惹きます。つまり、『全員が納得するまで追求する』ということを示しているのでしょう。更に、「重役を投票制で決める」ということは、みんなが納得する答えを出す人が選ばれるということに繋がります。
従来の私権企業は序列原理が強く働いており、重役を決める時は上からの指示でしかなかったでしょう。しかし、ネッツトヨタ南国では、『下からの評価圧力』によって重役(統合者)が決まります。当然、常にみんなのことを考えてとことん追求し、みんなで勝っていける方針を出せる人が上にいくのです。
このシステムが社員みんなに当事者意識を芽生えさせ、活力を持って仕事に取り組む源泉となっているのです。
■お金よりも共認充足のために働く
「人生の勝利者」という言葉が出ましたが、何を以って勝利とすればいいのでしょうか?
お金儲けのため・・・ではいまいち活力が出ませんね。しかも、ルール十ヵ条では「売り上げを伸ばせとは言わない」と明言されています。では、一体社員は何のために活力を持って仕事をしているのか疑問です。
その答えは、ネッツトヨタ南国が新人研修として行っている「バリアフリーお遍路の旅」から見出すことができます。
これは、全国の視覚等に障害を持っている方とペアを組み、四国八十八箇所霊場を案内して回る旅です。新入社員たちは、初めての経験に戸惑い、とにかく手取り足取りお世話をするそうですが、それでは上手くいかないようです。
しかし、旅の中で相手の気持ちを探り、言葉や行動を重ねていくうちに、「相手の方が求めていることは何かを感じなければならない。それを実践するためには、先入観、固定観念という自分自身の心のバリアを捨てることが大切だ」と実感するのです。本当のバリアフリーとは、自らの心のバリアを捨てることに気付くのですね。
相手の欠乏を探り、それに応えることに充足を感じる、というのは、「期待⇔応合」から共認充足を得ているということです。とことん相手発で物事を考え、応えるために色々と実現していく、というネッツトヨタ南国の仕事姿勢に繋がります。
相手の喜びが、自分の喜びになる。ということは、お金ではなく、より多くの共認充足を得ることが「人生の勝利者」になります。そのことを知っているから、全社員が心から顧客に尽くすことができているのです。
■共認時代に合った共同体企業
このように、ネッツトヨタ南国の社員は、自らが充足するために喜んで顧客のことを考え、行動していきます。冒頭の写真にあるカフェ仕様の店構えも、「お客さんにとって居心地が良い場にしたい」という社員発の想いから実現されたそうです。
既存の企業や業界観とは異なる要素が多いネッツトヨタ南国ですが、全く別の論理から成る組織だからこそ、現在の市場を勝ち抜いているのだと言えます。
特に、
「序列に基づく上意下達システムから、下からの評価圧力に基づくシステムへ」
「収益第一から、共認充足第一へ」
という特徴は、社会が私権原理から共認原理に移行しつつある今、これからの時代を勝ち抜くために必須の条件だと言えます。
社会全体が不況だと言われている中で業績を上げているのが、その証左でしょう。
「自分達の生きる場は自分達でつくる」という共同体企業は、これからの共認時代に合った組織形態だと言えます。
(参考資料)
「日本でいちばん大切にしたい会社2」
- posted by staff at : 22:58 | コメント (2件) | トラックバック (0)
コメント
うえっち、ありがと♪♪
そんな風に受け止めてくれてたなんて(^^)
記事読んでびっくり (><)/でした。
ありがとう♪
次の日も朝早いのに、次に引き継ぐメンバーの
ことまで考えて、準備してくれて、ありがたいなぁ(*^^*)
その感謝も伝えたいなぁって思ってて♪♪
うえっち~♪
いつも変わらぬ笑顔でみんなに安心をさせてくれて
ありがとう☆
磨きあって、もっともっとみんなを活かしていこうね☆
M子先輩☆+゜
コメントありがとうございます~^^*
M子先輩はいつも自然と感謝が溢れてて、ステキです☆+゜
だからみんな安心して仕事もできるし、職場に笑顔が絶えないのでしょうねvv
本当に、伝えてくださって嬉しかったですv
今日もメッセージカードの言葉を旨に頑張れました(いぇいv^^*
これからもよろしくお願いしますね☆+゜
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