2007年07月11日
社会参加を妨げる壁の突破~「ヤマト福祉財団の取り組み」
先週の「スワンカフェ」に続いて、障害者雇用に関する取り組みをもうひとつ。
スワンカフェを運営する「ヤマト福祉財団」では、1996年度より毎年、共同作業所の活性化を目的に、施設運営責任者または中堅スタッフを対象に、三日間にわたる全員宿泊制の「パワーアップセミナー」を開催しています。
全国の主要都市で実施されているこのセミナー。障害者が現実社会で生活するために必要な工賃を得るため「一万円からの脱却をめざして」をテーマに、経営力や商品力について取り上げ、成功事例の紹介などと併せて、実現への糸口を学ぶのだとか・・・。
そして、このセミナーも最大の目的は、
「施設を管理・運営する方々の意識の壁を取り払う!」
だそうですが、その壁って何?
って訳で、続きを読む前に、お願い!!! 😀
ところで、このセミナーの対象者である、「共同作業所」なんて、皆さんご存知ですか?
たとえば、ある県の福祉関連部署のホームページにある共同作業所の紹介には・・・・
■ 共同作業所とは
精神障害者共同作業所は、在宅の精神障害者の「社会参加・社会復帰」を促進するための昼間の活動の場です。
省略して「作業所」と呼ぶことが多いです。そこでは、箸仕入れなどの簡単な内職作業や軽作業、手芸品、クッキー作りなどの自主製品作りやその販売、喫茶店などの営業をしているところもあります。そして、それらの作業を通して得られたお金が「工賃」「給与」として作業所の利用者に分配されます。しかし、「作業所」と名前がついているからといって収入を得るためだけに作業をしているわけではありません。作業所には、憩いの場所としての機能や仲間と一緒に時間を過ごすといった機能もあります。
(中略)
当事者自身の気持ちや社会とのつながりを大切しながら、体力作りや生活のリズムをつけ、“社会参加”を行いながら生きがいのある日々をめざします。
って、あります。
う~ん。これって「社会参加・社会復帰」ってことを、本気で考えているのかな?
だって、これまでの役所の共同作業所で稼ぐお金「月給1万円」では、どうがんばっても自分で生活することなんて、できっこない。
(もちろん、役所の人たち、特に障害者に対応されている現場の方々には痛いほど分かっていると思うけれど。)
このギャップを乗り越えるための取り組みが「パワーアップセミナー」
その考え方がわかるヤマト福祉財団事務局長の早川氏へのインタビューがありましたので、まずはご覧ください。
(参照:ふらっと http://www.jinken.ne.jp/challenged/yamato/index.html)
―――「月給1万円」から脱却するために、具体的にはどんなことを提案されているんですか?
(前略) 企業の論理といえば「金儲け」が浮かぶかもしれませんが、それだけではないんです。ヤマト運輸も宅急便という「それまでになかったサービス」を提供することによってお客様に喜ばれ、結果として会社が成長してきました。 「お金儲けは汚い」「福祉は金儲けとは無縁のもの」と考える福祉関係者は少なくありません。
確かに、作業所はお金儲けのための施設ではありませんが、当事者や親御さんが安心して通い続けるためにはお金が必要です。お金儲けは目的ではなく、必要条件です。ですから 「お金儲けは汚い」という発想を切り替えていただきたい。 パワーアップセミナーでは、まずこのことからお話します。
たしかに、「福祉って尊いもの、崇高なもの。反対に、金儲けはどちらかといえば卑しいもの。」なんて考え方にとらわれてしまうと、 「福祉なんだから、これが限界。」 とか 「障害者なんだから・・・・。」 っていう不可能視からはまず抜け出せない。実現できるはずが無い!
それと、最近のパワーアップセミナーでは、買い物代行や宅配、新聞配達など、地域のなかに溶け込んでやれる仕事をしたい!という声があたりまえのように障害者から出てくるようになっているらしい。
ギャラリーを運営したり、フレンチレストランを開業したり、銭湯を借り上げ、自分たちで営業したり、これまでになかったような、障害者の働く場ができあがっているそうな。
みんな、作業所の中での憩いや仲間と一緒にすごすよりも、社会に出てゆくことに向かっている!
いまや、古い考え方にとらわれた福祉のプロ達を追い越して、急速に社会に向かう障害者や、彼らを支えるみんなの意識が、新しい場をどんどん創っていくんじゃないでしょうか!!!
- posted by qwerty at : 12:45 | コメント (3件) | トラックバック (0)
コメント
全く、同感です。農業こそ、日本の未来を左右する根幹産業と思います。また、立ち寄ります。
kabuさんこんばんは(^0^)
コメントありがとうございます。これから、食糧生産だけでない農業も持つ可能性について考えて生きたいと思いますので、よろしくお願いします。
農業に携わる人で悪い人はいないし、自然に触れ合うことで充足感を知らず知らず得られるんだなぁと思います。
根底的な生産基盤というのは同感です(◎0◎)☆
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