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2007年10月26日

日本製造業の空洞化:このままではアメリカの二の舞になる

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これまで、製造業を中心に生産コストを下げる為、多くの企業が海外へ工場を移してきたが、その代表格である中国で来年1月施行予定の「※労働契約法」施行前に、駆け込みリストラが増加しているという。
中国は2001年にWTOに加盟。その後、積極的に技術移転をもくろみ海外企業を誘致してきたが、大連などでは2001年から5年間に最低賃金は2倍になっており、まだ国内に比べれば賃金は安いが、その施行前にリストラしようと言うものである。
ここで、考えさせられるのは、製造業も大変だと言う事ではない。
’85年のプラザ合意による円高誘導以来、海外への生産拠点や研究所の移転など、国内産業の空洞化が叫ばれる中で、賃金上昇で大変だというのなら、むしろ国内に帰ったらどうかということである。
優良企業と言われるトヨタも大きくは報道されないが、製品の質が低下しリコールが100%を越えるようになっており、「このままでは高品質で売ってきた“トヨタ神話”が崩壊する 」という声が業界でも出ているとのこと。
団塊世代のリタイヤによる技術力低下が一時期騒がれたが、それよりもむしろ日本製造業のアキレス腱は熟練技術者が育っていかない環境にあるのではないだろうか。
農産物にしても、海外からの輸入は増える一方で、先進国の中でも日本の自給率の低さは突出している。それと同時に、資源の無い日本が売りにしてきた技術力が低下する一方だと言う事は、日本は世界的に見れば弱体化するしかないということだ。
今後、市場は縮小する一方となり、消費者からは「必要か否か」という判断を突きつけられる。そんなとき、現在の様なグローバリスムの流れに乗った「目先の利益」という経営判断で乗り切って行けるのだろうか。
このままでは、製造業が衰退の一歩をたどったアメリカの二の舞になるだけだ。
※来年1月に施行される中国の「労働契約法」は、格差が広がる中国社会で、労働者の不満が広がる事をおそれる政府が、雇用の長期化や定年までの雇用保障、退職金などを制度化するもの。

 

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