2007年11月15日
同じ釜の飯を食う
同じ釜の飯を食う。先日、この言葉を久しぶりに聞いた。
死語となって久しいこのセリフだけれど、実はこれからの時代にこそ必要なのでは?と思った話。
このセリフは、営業先である製油会社の総務部長、Tさんから。
今年還暦=団塊世代ど真ん中なお方で、本来ならば定年なのだけれど、会社側から「あと2~3年、指導役として残ってもらえないだろうか」と言われたらしい(声を掛けられた時は、とても嬉しかったそう)。
社宅担当もされているT氏は、「時代の流れとはいえ、共同寮を廃止してしまったことは非常に残念。会社経営を円滑に進める上で不可欠な機能であったのに」と嘆いておられた。(同社は、老朽化&社員から不人気等の理由で数年前に共同寮・社宅を廃止している)。
例えば、食堂で。いつもは食欲旺盛な部下なのに、食べ残す。部屋にこもって出てこない。そもそも帰りが遅い。。。 🙁
何かあったのか?と気になり、近しい立場にいる別の部下に話を聞いてみる。
実は最近任された仕事の成果が上がらず、悩んでいるらしいとの情報を得て、次の日職場でそれとなくフォローを入れてみる(知らなかったら怒鳴りつけていたかもしれない)。
その日の夜、食堂では、部下が飯を頬張りながら、同僚と共に仕事の話題で盛り上がっていた
社宅であれば、奥さん同士のネットワークも重要。妻の役割は、家事だけではない。部下の奥さん達とコミュニケーションを図ってもらい、日頃職場では見えにくい家庭の事情を読み取り、自分に報告してもらう。そうした情報も頭に入れつつ、日々部下と接する。
人材管理という課題を捉えた時、解決の場を職場だけに求めるのには限界がある。生活を共にリアルタイムで過ごすということは、職場の限界性を補って余りある効果があった。
企業活力は、構成する社員一人一人の活力に規定される。その維持と向上のため不可欠な機能を、共同寮や社宅は担っていた。
T氏は、こうも言う。
「うつ病で辞めてしまう若い社員が増えているって聞くけれど、当然だと思う。だって彼の問題を解決してあげられる場がないんだから。企業はこぞって心理カウンセラーを雇ったりしてるみたいだけれど、なんか対応の仕方がズレている。『会社として最低限やることはやってますよ』=自己防衛的なアピールに留まっていて、本質に踏み込もうとする姿勢が見えない。」
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社宅制度に代表される企業福利厚生制度の導入初期(貧困の圧力が強く残る時代)、その目的は「企業活力の維持向上」、すなわち経営課題に直結するものであったのだと思う。
しかし、豊かさが実現された現在は、際限ない社員からの要求を汲み入れ、とりあえず企業組織としての体を維持するための、目先の制度に劣化しているのではないだろうか。
企業活力の再生という現在形の課題を考えた時、要求主義に塗れた福利厚生制度が役に立つとは到底思えない。
何のために企業は福利厚生を備えているのか、その認識を改める必要があるんだと思う。
byひろ
- posted by taka at : 21:53 | コメント (1件) | トラックバック (0)
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