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2008年03月08日

日本人の仕事観~働くことが性分?

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みなさん。こんにちは。 😮 かなめんたです。 😉
今日は日本人の仕事観について考えてみたいと思います。
昨今は、「仕事ってきついもの」とか「いやいややらなきゃいけないもの」といった否定的な見方 もあれば、「仕事はいきがい」とか「仕事すると充実する」なんて肯定的な見方 もまじっているように思います。
そこで今日は、明治時代を生きたご老人の仕事観が垣間見えるお話を紹介したいと思います。引用は「忘れられた日本人」宮本常一著 岩波文庫からです。
おっと続きの前にいつものやつをお願いします。

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4人のご老人の会話を著者が書いています。嫁姑の話で、嫁には世話になるのだから嫁の迷惑になるようなことはしないという発言に対して、
金田老人>そうよのう。わしも子供にがみがみ言いとうないから隠居したんで。。。。一人でおれば誰にも遠慮なしに働けるで。。。。。
小笠原老婦>そうでしょうが。わしら働きどうしに働いてきたもんは、年を取っても働いておらんと気がおさまらん。そりゃもう性分じゃから仕方がないわの。誰がなんと言うても働かしてもらわにゃあ。。。。
金田老人>ほんに、楽をしようと思うて隠居したんじゃないんだから。(P81)
松沢老人>村の中というものはみんなが仲良うせねばならんもんじゃとよく親から言い聞かされたものであります。まじめに働いておりさえすれば、いつのまにかまたよくなるものであります。(P91)
働く働くと申しましても、ただ牛や馬のように働くのはだめで。。。この村ではみな仲良く働きましたが、もとはただ働くだけのことでありました。(P96)
なんか働くことが娯楽でもあり、生きがいでもある感じです。思いっきり働くために隠居したっていうのは今から考えると新鮮です。そして生涯現役であることを少し誇らしげに感じます。
現在のように「年を取ったら働くな」と言わんばかりの定年制や楽隠居というイメージはひょっとしたら現代の後付の価値観なのかもしれません。
また、まじめに働いていればいつのまにかよくなる、というのもなんかわかる気がします。ただ働くだけではだめで仲良く働かなきゃだめっていうのもひとつの規範だったのでしょう。
その「働く」ってことが少しわかる文章がありました。著者が取材で感動したと言っている部分です。
>そのとき聞いていて大変感動したのは、金田金平さんが夜遅くまで田で仕事をする。特に重一さんの家の前の田では夜八時九時まで仕事をした。重一さんの家はいつも遅くまで表の間に火がついていたので、その明かりで仕事ができたと言ったら、小笠原シウさんが、それはいつも遅くまで火をつけていたのではなくて、今日は金平さんが仕事をしているから、また夜遅くなろうと、わざわざ明るくしてやっていたと話し、しかも、この座談会でそれが語られるまで、一方はその好意を相手に伝えておらず、相手の方は、夜の遅い家だと思い込んでいたという事実である。村共同体の中にはこうした目に見えない助け合いがあるものだと思った。(P62)
これをただの美談と取るのは簡単ですが、こういうこと全てが「働く」ってことなのかなと感じました。今回引用はしてませんが、ご老人たちは働くことを楽しみながら、「あんたはよう働きなさった」と働くことをすごく評価しています。現在でも「よく働くね」といった言葉はありますが、評価よりも「かわいそうに。。。」といった感覚を感じることがあります。
けれども、「傍を楽にすること」=働くことはものすごく楽しいし、うれしいことで、それをお互いに共有していることも、ものすごく充足するのだと思います。
どうですか?日本人の仕事観。こういう仕事観がいつしか時代の流れとともに変わっていく。けれども、今共感できるところもあるんじゃないでしょうか。
このテーマ、今後も継続していきたいと思います。
それでは、今日はここまで。かなめんたでした~。

 

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