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2009年09月14日

【企業が農業に参入するのは何で?】第十六弾 ~期待されているのは生産共同体の再生!

いよいよこのシリーズ 【企業が農業に参入するのは何で?】 も、残すところ2回となりました。
前回は、ともぴろさんが 「どうすれば日本の農業を再生できるのか?」 の半答えとして 『農業は「物的生産(市場原理)」ではなく「意識生産(共認原理)」である』 が農業再生への起点となる事を提起されました。
最近は農業に従事したいという人が増え、るいネットサロンでもそのような若者がたくさん参加されていますよ。また、おじさんの中にも是非、日本の農業を再生したいと野菜工場の研究に取り組んでいる人などもいらっしゃいます。⇒今日の、なんでやサロンでの成果について。 (なんでやサロン参加、辻裕彦さん投稿)
それらの人に何故農業をやる気になったか?を聞くと、やはりやりがい、社会貢献、など人や集団、あるいは社会などとの関係から得られる充足=共認充足を求めて、農業に可能性収束している、という姿が見て取れます。
であれば、これからの農業には、日本の今までのような零細=家族経営的なもの、或いは、欧米的な効率重視の大規模農家のようなものでもなく、 「生産課題を担う中で、人と人、或いは地域や社会とが深い関係で結ばれた共同体的な集団が適している」 と言えるのではないでしょうか?
つまり 「意識生産時代の農業には共同体経営が適している」 を仮説として立て、今回はその可能性を探っていきたいと思います。
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1.人々の意識潮流から見えてくる農業への期待
現在、物的充足が飽和状態に達した状況では、人々が求める方向は物的な充足ではなく、類的価値(人と人との間に生じる欠乏) だと言えます。また、人々は消費に向かわず、「もったいない」の言葉に象徴されるようにひたすら 「安定」 へと向かっています。
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
従って、これからの農業を考える上では、これまでのような大量生産・大量消費・大量廃棄を支える農業ではなく、食糧自給や食の安全確保、或いは安定した雇用を確保する、というような課題=生産をどうする?が重要なテーマ となるのではないでしょうか!



2.企業に期待される役割
■これまでの日本の農業の問題点を整理すると、
◇儲からない
①流通構造の問題:流通部分が農協やスーパーなどに握られ、農家には3割の収入しか残らない。
②価格問題:農家は生産のみの下請け構造で、価格決定権なし、従って経営意識が低い。③生産性が低い:小規模零細個人農家が多くコスト高。
◇参入障壁が高い
①専業農家より兼業農家の方が所得が高く、やる気のある農業者を支援する仕組みになっていない。
②農地制度により土地(生産手段)が開放されていない。
③小農優先の政管癒着で既得権が守られ、新規参入者を排除、その結果担い手不足に陥っている。
■これらの問題を解決するには
◇集団農業経営により企業が直接生産を担う
①経営のプロである企業が参入することにより農地を集約し生産効率を上げ、日本の農業を世界で戦えるだけの産業に転換していき、結果として自給率がアップするというメリットがあります。
◇企業が企画運営することにより付加価値を引き出す
これからの農業に於ける付加価値とは、意識潮流でも分析しましたが、農業の持つ共認充足価値を引き出し、それらを人々に提供することではないかと思います。
具体的には、

①自給農の拡大:例えば、都市での市民農園や農業研修需要に応える近郊農地を確保すること。
re:「町で小農業~都市農業の可能性~」 1
re:「町で小農業~都市農業の可能性~」 2
②農の教育効果:農の教育効果は絶大です。従って、これらを社員研修などにも広げていく。
意識生産としての農業 その先端事例(1) 【類農園・類塾自然体験学習教室】
意識生産としての農業 その先端事例(2) 【類農園の農業体験】
③他業種との協働:レストラン・ファームパーク・医療・介護など関係する分野は限りない。
意識生産としての農業 その先端事例(3) 【類農園の企業協働】・・・新しい「食」と「職」のかたち・・・

など、農業を企業が担うことによる可能性は盛りだくさん。また、既に意識生産を担っている企業はたくさん有り、寧ろ企業にとっても農業を担っていくことは社会貢献にもなり、社員のやる気を引き出す上でも大きなチャンスではないかと思います!



3.何故、意識生産時代の農業には共同体が適しているのか?
ここまでを整理すると、人々の活力は消費から生産することの充足へと転換しつつあります。従って、これまで一部の人の手にあった農地(生産手段)をみんなに開放することが人々の活力を再生することになり、農業の再生にも繋がります。
また、生産に従事することによって得られる充足は、農の持つ多面的価値を引き出す ことにもなります。
つまり、農業を再生させるということは、単に食糧生産を増やすという役割だけでなく、農には教育、医療、自給率UP、風土保全、自然循環体系の再生など多くの役割があり、これらは生産課題を主体に人と人、或いは地域が深く繋がること=集団の再生課題に他なりません。
このような人々が安心して暮らせる本源集団の再生こそ農業に期待される最も重要な役割であり、これは生産を主体とした共同体の再生に他ならない のではないでしょうか!

 

コメント

文章を読んでたら、みんながお金が欲しい役職が欲しいと思っていたから、今までうまくいってたんだと分かりました。
今の新入社員は、責任の重い役職には付きたくない、そこそこ食っていければいい、というのが多いのが実態だと思います。そんな記事を新聞でみたし。
でも、そんな新入社員も含めて企業は元気ない。。。
企業って、社長がいて、部長がいて、課長がいて・・・と役職によって運営されるのが当たり前だと思っていましたが、実は固定観念なんですね。
共同体企業に興味がわきました。
次回も楽しみにしています。

  • まご
  • 2010年1月28日 21:00

★まごさん★
コメントどうもありがとうございますm(´・ω・`*)m
>文章を読んでたら、みんながお金が欲しい役職が欲しいと思っていたから、今までうまくいってたんだと分かりました。
私も勉強していて、今の企業がガタガタ・みんな活力でないのは、時代が変わり今までの統合形態では上手く統合できなくなったのが一因なんだなぁと頷けました。
みんなの活力がわくのが共同体的企業の魅力☆゚.。.:*・゚
引き続き『共同体の挑戦』シリーズをお楽しみに~(^o^)丿♪

  • みかん
  • 2010年2月1日 16:39

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

  • 添え状
  • 2012年4月10日 14:37

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