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2011年06月29日

シリーズ 大震災復興~日本企業の底力!~ 2-2).経済効率優先の企業経営が集団も国家をも破壊していく

前回のシリーズ2-1)「輸出産業を中心に大企業が失速した社会的背景」では、市場拡大絶対のイデオロギーに固執した結果、外需(物的欠乏)と補助金に依存するしかない状態に陥った国家や大企業について扱いました
 
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 今回は、震災復興を通して、新たな日本の可能性を見出す為に避けては通れない問題「経済効率優先の企業経営がなぜ問題なのか?」の本質的な原因について探って見たいと思います
 
これからも「共同体・類グループの挑戦」をよろしくお願いします!
 

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◆市場原理では企業(集団)すら統合できない。
 
日本の国家や大企業が固執した市場拡大絶対のイデオロギー、その根底にある市場原理とは、 「利益最優先と経済的合理性の追求」です。
現在の日本が象徴するように、この市場原理に基づく考え方は、弱者(地方)を食いつぶし、集団を破壊するものなのです
 

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(引用)
経済効率ばかり優先すると、「安さ」を提供できることが共同体の構成員たる資格となってしまう。
大手企業は経済合理性で動く。
だから地方へ進出して来ても、景気が悪くなると早々に撤退してしまう。
もっと条件が良いところが見つかると、さっさと拠点を移してしまう。
大手が撤退する頃には、大手の進出により従来からあった商店や零細企業などは軒並み淘汰されてしまっている。
 
これは、これまで何度も繰り返されて来たことだ。
経済合理性では拠点を移せない地場産業、地元企業。
地域の担い手であるこれらの保守無くして、共同体の保守はあり得ない。
 
もっと言えば、誰が里山を守り誰が水源の森を守っているか、ということにまで思いを巡らせるべきだろう。
効率を上げる努力は必要だが、経済合理性だけで淘汰を進めると地方の共同体は成り立たない。
(るいネット「<復興>共同体を保守再生せよ」より引用)
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また、この市場原理に基づく大量生産、大量消費は、歪な産業構造をも生み出します。
 今回の震災で、特に自動車産業において、歪な産業構造が浮き彫りになりました。
それは、「ダイヤモンド型構造」と呼ばれる産業構造です
 
  
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 これまで製造業の多くは、製品販売元の大企業を頂点とし、裾野に行くほど多くの中小企業がつながっているピラミッド型構造と考えられていました。 しかし、今回の震災で、直接的な影響を受けていない大企業が操業停止に追い込まれた状況から、現状の産業構造を調査した結果、特定の技術を必要とする部品の製造先は、激しいコスト競争や人材育成の問題等から、極限られた企業に集中していることがわかったのです
 
 末端に位置する部品製造業に問題が発生したとき、ほとんど全ての産業がその影響を受けるという「ダイヤモンド型構造」は リスクヘッジが働かないという、企業にとっては致命的な構造になっているのです。
 

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(引用)
市場は、生存圧力(実体的には貧困の圧力)に基づく私権闘争を圧力源=活力源にしている。従って、市場活動によって物的な豊かさが実現すれば(=貧困の圧力が消滅すれば)、必然的に市場は活力源を失って衰弱(=縮小)してゆく。そして、むしろこの矛盾と限界こそ、市場の現実に差し迫った絶体絶命の限界である。
もし、国家(国債)による延命策がなければ、(バブル化もせず)市場はすんなり縮小過程に入った筈である。要するに、このまま市場を放置すれば市場は急速に縮小し、国家が延命策を施し続ければ国家が崩壊する。
(るいネット「超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある」より引用)
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 このように市場は国家や集団に寄生し、食い潰す存在です。
市場原理では社会を統合することなど到底不可能なことなのです。
 
  「市場は社会や集団を統合できない」
これこそが「経済効率優先の企業経営がなぜ問題なのか?」の本質的な原因です
 
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市場に食い尽くされてきた国家や大企業は、今回の大震災で、まったく役に立たない姿をさらしました。
にもかかわらず、利益第一の市場原理から抜け出そうとはせず、その枠の中だけで物事を考えようとしています。
 
その一例が、菅首相が被災地の復旧をそっちのけで取り組む「復興構想会議」です。
 
  
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経団連や財界主導で進められているこの復興構想には、被災した地元住民の意見は反映されず、構想実現のための増税だけが早々に叫ばれた裏で、利権争いが見え隠れしています。
(参考) 
シリーズ『復興に向けた提言』~政府の想定している復興とは何か~(リンク
 
このような行動は、一般の人々の意識とはあまりにもかけ離れています。
注目を集めた、村上春樹氏のカタルーニャ国際賞授賞式でのスピーチ(参考:るいネット「村上春樹が行き過ぎた効率社会を批判」)のように、効率を求めすぎた社会に疑問を投げかける声は、一般の人々の中で確実に高まってきているのです。
 
政治家や財界、大企業等は、自分たちの利益しか考えていない。そんな一部の特権階級にこのまま任せておくわけには行かない。
そんな思いで、震災から立ち上がろうとしている人々は、今何を考え、何をしようとしているのか
 
次回はその生々しい現実に迫って見たいと思います

 

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