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2011年10月31日

経営者の視点に学ぶ~全社員が高い当事者意識をもつ㈱カミテ~

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こんにちは。類グループ・設計営業部の前上です。
今回紹介する企業は、秋田県の『株式会社カミテ』さんです。
 
カミテさんは、「多能工」戦略を実現し、「ワーク・ライフ・バランス施策(*)」が進んだ企業として有名で、仕事と生活を両立させる制度を充実されています。
*「ワーク・ライフ・バランス施策」とは、やりがいや充実感を持ちながら働くとともに、家庭や地域生活でもライフステージに応じて多様な生き方が選択できる企業側の施策。

ワーク&ライフ両立制度
【育児休業】子が3歳の誕生日の前日まで。
【介護休暇】1回3ヶ月だが、取得回数の制限なし
【妊婦特別有給休暇(女性)】妊産婦の通院時間について5日相当(1時間単位で利用可能)
【配偶者特別有給休暇(男性)】出産時2日相当、妊娠から出産まで5日相当
【看護休暇】子供の病気などの時、学年により2~5日/年
【事業所内託児所】専任保育士2名がいるカミテチャイルドハウスで8~19時まで無料で利用可能

 
福利厚生制度は、経営者が従業員を慰撫するためor従業員の要求を経営者がのむ形で制度化され、ひとたび制度化されると、「使って当然」「使わないと損」というように『権利』になってしてしまい勝ちです。
ところが、カミテさんの場合、上手社長が社員の声をじっくり聞くなかで制度化され、社員もそれらを権利として使うのではなく、感謝の念をもって使っておられるように見えます。
そして、
・職場の雰囲気が明るくなり、士気が向上した
・不良品率が劇的に低下した
・従業員の自発性が高まり、業務が効率化した
など、会社、社員双方にとって大きなプラス効果を生みだされています。
今回は、これらがどのような背景から生まれ、何が一番のポイントだったのか?を推測を交えて分析していきたいと思います。
 
一緒に、上手社長に学びましょう!

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カミテさんについての紹介は、「総務の森」で分かりやすく紹介されています。以下、引用です。

1.カミテとは?
秋田県鹿角郡小坂町にある金型およびプレス部品を製造している会社です。 資本金4,000万円、社員30名の典型的な中小企業です。 顧客企業に高い技術力が認められ、ソニーを始め、オリンパスやキヤノンなどの関連会社が名を連ねています。 当社は、平成13年10月、「ファミリー・フレンドリー企業」として厚生労働省から表彰を受けています。 育児休業制度、介護休業制度とも、法律を上回る制度を確立し、また工場敷地内に託児所を設置して保育士2名を常駐させ、働く女性が会社と家庭を両立できるようにしています。
2.社員と会社双方の幸福の追求!
上手康弘社長が掲げている経営理念を紹介しましょう。
一、少数精鋭主義により、お客様の成長発展に貢献することを第一とする。
一、社員と会社の双方の発展、幸福を追求し、明るく楽しい職場づくりを目指す。
一、堅実と誠意を持って、地域社会の発展のために貢献することを心がける。
中小企業とは思えないほど立派な経営理念を掲げ、しかも実践していることに対して敬意を払わずにはいられません。 社員を機械の歯車のように考え、要らなくなればリストラ。そしてリストラすることをマスコミや株主までが有効な経営手段と評価するきらいのある時代です。 社員を大事にする会社だからこそ、顧客の信頼を得て発展成長し続けているのです。
3.徹底した「多能工」の育成!
経営理念の中に「少数精鋭主義」というキーワードが登場します。 中小企業はピーク時を想定して人員を抱えることはできません。 育児休暇、介護休暇を取る人がいる中で、いかにして少数精鋭を実現するのでしょうか。そのカギは徹底した「多能工」の育成にあります。 総務、経理などの事務部門の人も現場の作業のエキスパートに育成しているのです。事務の仕事を明日に延ばしても何とかなりますが顧客への納期は延ばせません。いつでも誰でも現場の仕事を肩代わりできるのです。
「多能工」として現場作業のエキスパートになった事務部門の人たちも現場のことに精通し、現場で働く人たちの気持ちもよく理解できるでしょう。正に「ファミリー・フレンドリー」を地でいっているのです。
4.現場を非定員制で回す!
「少数精鋭」のもう一つのカギは「非定員制」です。 金型、プレス、検査、梱包・出荷などたくさんの仕事がありますが、どの仕事の量も山あり谷ありで一定していません。しかし、余裕のある人が直ぐに忙しい職場に回って支援し、一気にこなしてしまいます。 カミテには「それは私の担当外」などと言う人は一人もいないのです。
5.経営者次第で「ファミリー・フレンドリー」企業になれる!
ファミリー・フレンドリー企業とは、仕事と育児・介護とが両立できるようなさまざまな制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取り組みを行う企業のことです。
せっかく縁があって社員になってもらった人が結婚、育児、介護などのために退社してしまうのは会社にとっても大きなマイナスです。
ならば働き続けもらえる制度を作ろうという考えを持てるかどうかは経営者次第です。社員を雇用してやっているのではなく、働いてもらっているという考えなのです。
上手社長の磨き抜かれた人格コンピテンシーの高さということになります。
結果としてもっとも大切な経営資源である人財の有効活用で、社員と会社の双方が幸せになれるのです。
退社、採用ばかりを繰り返している企業が実際多いことは周知の通りです。
採用費用、教育・訓練費用、そして何よりも顧客から見て猫の目のように替わる担当者。これでは顧客の不信を買ってしまうでしょう。
カミテでは育児休業制度、介護休業制度を活用した人の復職率は100%です。
また家族が戻ってくることを楽しみにしているかのように、その間「多能工」の人たちがカバーしあうのです。
カミテの取り組みはNHKの報道番組でも紹介され、新聞の記事にも何度も紹介されました。
「地方発、仕事と家庭の両立できる会社、カミテ」のような企業がたくさんあってほしいものです。
(今回の参考文献:NHK報道番組、北鹿新聞、他)

日本の製造業は、東南アジアとの厳しいコスト競争圧力にさらされ、より安いコストでより高い品質のものを生産することが求められています。
それに対して、上手社長がうちたてられたのが、少数精鋭によってチーム力を発揮してもらおうという『多能工』戦略です。
各従業員が多能工となって工程全体を知っていれば最強のチーム力を発揮できるし、仕事量の波に応じて柔軟にローテーションを組むことができるなど、強靭な生産体制になります。
そして、それ以上に凄いのは、
>カミテには「それは私の担当外」などと言う人は一人もいない
とあるように、多能工としてのスキル(技術)のみならず、会社や生産ライン全体のことを自分のこととして考える
当事者意識
が共有されている点です。
それは、恐らく地方特有の素朴で、心の通じ合いを大切にする共同体的気風も基盤となって実現したものでしょうが、これがカミテさんの一番の財産になっているのではないかと考えています。
経営者にとって、会社のことを自分のこととして考えてくれる従業員は大切な仲間です。
従業員にとっても、会社がいわば「大家族」のような感じではないでしょうか。
そして、仲間=大家族の誰かが、地方の濃厚な家族・人間関係ゆえに直面する子育て、介護の課題を抱え、そのために仕事を続けることができないとすれば、何とかしたいと考えるのは人情です。
こうして、子育て、介護に対する充実した施策を考案してこられたのだと推察しています。
どんな仕事もチームプレーなので、役割分担は必ずでてきます。
ところが、役割分担をした途端、自分の役割を線引き・限定し、全体を考えなくなるものです。

そのときには、
カミテさんの「多能工」戦略とは、狭い自分のテリトリーを超える『当事者意識』づくりの戦略でもあった!
ことを思い出したいと思います。
ありがとうございました!

 

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