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2011年12月29日

お客様を招いて社員研修 ~天竜精機の取組み~

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(この写真は、天竜精機さんのフェイスブックのページからお借りしました)
みなさん、こんにちは☆。今日は、本ブログでもおなじみ 天竜精機さんからのポートです。
 内容は「工場見学」の体験記と考察。
 天竜精機さんは、「見学会を開く度に社員が育つので、同業者に限らず、異業種や学生さん、あるいは株主さん等、誰でも大歓迎。どんなお客様でも、しっかりと見て頂こう」と工場見学を捉えて、社員研修の一環として取り入れていらっしゃいます。なかなか珍しい取組み。さて、どんな効用があるのでしょうか?

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◆工場見学 ダイジェスト
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1)見どころ
 天竜精機さんの工場見学は、広い敷地内にある各部門を代表取締役の芦部さんに案内していただきます。でも、「どんな仕事をしているのか」を説明するのは芦部さんではありません。実際にそこで働いている担当の社員さんが説明してくださいます
 各部門では、ベテランの方が上手に説明してくださったり、若手が元気よく説明してくださったりするのですが、実際に仕事をされている方の説明ですから、実感がこもっていてリアル。皆さんの熱意が直接伝わってきて、聞いているこちらも話に引き込まれてしまいます。実は、ここが大きなポイント。社員さんが様々なお客様に接することで、大きな効用があります(これについては、後半で考えてみます)。
2)ダイジェスト
 工場見学では、全体管理を担っている総務部、顧客と製造部門の橋かけ役の営業部門を最初に見させていただきました。それから、製造部門へ。製造部門では、設計を担当する技術部、資材管理を担当する管理部、実際に機械の製作を行う製造部とご案内していただきました。
 本当に、あっという間だったという印象です。上にも書きましたが、担当の皆さんの説明から仕事に対する熱意が伝わってきて、とても気持ちよく共感しながらお話を聞くことが出来たからだと思います。
 それから、どこの部門でも毎月の全体目標を元に、部門ごとの目標(スローガン)を掲げているところがすごいと思いました。隣の部門がどんな目標を掲げてやっているのかは気になるところで、部門間の刺激にもなっているとのこと。全部門が一丸となって会社を盛り上げている様子が伝わってきました。
機械製作というのは、ミクロン単位の精度が求められる職人技を必要とします。
しかし、その腕前には確固たる経験値と共に、その仕事に関わる人の意識も技術の幅を左右する要素となるのですね。やはり、物作りも意識生産の時代です☆。
最後に、エントランスで見学会の様子がテレビに映し出されました。
なんだか、一緒に闘う仲間達に見送られるような気分で、天竜精機さんを後にしました。
この社内見学会、自部門のいい所探しにもなるし、それがお客様の役にも立てる、という一石二鳥!是非真似してみたい、と思いました。
◆工場見学の効用
 上記のように、大変実りの多い工場見学に参加させていただいたわけですが、色々な効用がありそうなので、この取組みの中身について考えてみようと思います。
1)「相手を知りたい」という自然な想いを実現する
 普通、社員全員が営業職というのはありません。特に、天竜精機さんのようなものづくりをしておられる会社では、事務所や工場で作業をする社員さんの方が基本的に多くなります。そんな社員さんは、お客様がどういう人なのか、取引のある会社がどんな会社なのか、知る機会はほとんどありません。
 お客様やユーザーの顔を思い浮かべて「役に立つぞ!」と仕事に取り組むなら、確実に活力はあがりますが、実際にはなかなか難しい。これは、ある意味で当然のことになっており、そこをどうにかしようとする会社はほとんどないといえるでしょう。天竜精機さんは、そのような「お客様の顔を知らずに仕事をするのが当然」という常識に風穴を開けているといえます。これによって、社員さんにはお客様からの期待という良い圧力が浸透することになります。
 また、もう一つのポイントとして、工場見学は「どんな人が作っているのか知りたい」というお客様の期待に応えることにもなっています。最近、食品などでは「どこの誰が作っているか」を顔写真付きなどでアピールすることが増えていますが、生産者の顔が見えることは、購入者にとって安心につながります。
 
このように、工場見学は、お互いの「相手を知りたいという」想いを自然につないでいるといえるでしょう。社員さんにとっては、期待してくれる方の顔が見えることで、良い意味での圧力(期待圧力)が生み出されているといえます。大変上手な取組みと思います。
2)自分の仕事を知る → 仲間のことを考える
 「明日、お客様が来られます。あなたの部署の仕事内容を説明してください。持ち時間は3分です」。工場見学で社員の皆さんは、そんな課題に直面します。初めてお会いする方に、わかりやすく、端的に自分の仕事を説明する。ちょっと考えてみるとわかりますが、これって実は難しい課題なのです。
 自分の仕事はどんな役割で、会社の中でどんな位置づけにあって、周りのどんな期待に応えているのか・・・。この課題は、立ち止まって、周りを見て、しっかり考えないと達成できません。でも、それによって、一人一人が自分の仕事を見つめなおすこができます。担当する作業が隣の部署に引継がれてどうなっていくのか、まわりの仲間はどんなに頑張っているか…。何も考えなければ、当然としか思えなかったことが、実は大変ありがたいことだと気付いたりします。そして、そんな気付き何度も繰り返せば、自分の部署の外、さらにその外・・・どんどん視野が広がっていき、会社全体まで視野を延ばすことができます。自分たちが働く会社に感謝して、幅広く見渡せるようになる。これは、社員さんにとって、大きな活力になる大変重要な経験だと思います。
3)相手のことを考える → 同化力を鍛える
 会社見学に来られたお客様に自分の部署のことを説明するためには、相手がどんな方なのか事前に考えておかなければなりません。業界の人なら、専門用語を使って奥深い説明をした方が喜ばれるかもしれないし、全くの素人なら、わかりやすい言葉で部署同士のつながりをアピールした方が喜ばれるかもしれない…。見えない相手の期待をとらえるのは雲をつかむような話ですが、この「相手のことを考える」には、色々な効用があります。
 まず、前もって相手のことを考えていると、実際にお会いしたときに多くのことを感じとることが出来ます。これは、予習をして授業に臨むと理解が深まるのと同じようなもの。話をしながら、相手の期待をより正確につかみとることが出来ます。そして、それを繰り返しているうちに、相手の期待を感じとるアンテナが強化されて、かゆいところに手が届く上手なアピールが出来るようになってきます。
 この「相手の期待に沿った上手なアピール」は、言い換えれば、相手への『同化』によって実現されているものです。言葉だけでなく表情や身振りを含めて総合的に相手を察すること。それが同化です。
 社員全員が高い同化力を身に付けていれば、会議での発言はもちろん、ちょっとしたミーティングでも端的に間違いなく意思疎通をはかることが出来ます。結果として、高い質をもった仕事ができる。工場見学は、そんな能力を育んでいるのだと思います。
最後に、「相手に同化してその期待に応える充足」についての事例を引用します。

相手に想いを馳せるほど、相手と共認充足が得られる♪
物件の紹介をするお仕事をしている私の同期のMちゃんと、久しぶりに食事に行きました^^/
そこで、素敵な話を聞いちゃったんです☆
お客様に頼まれた物件紹介のエリアに強い競合他社さんがいるから、その他社さんに勝つために、
『お客様はどんな物件を求めているのか?』や、『どう紹介したら相手に響くか提案書になるか?』など、すごく準備をしたそうです♪
その努力の甲斐あって、お客様を案内できることになったMちゃん☆めっちゃ嬉しいだろうなぁ~と思って、その時の気持ちを聞いてみると、
「ずっと片思いだった人とデートに行けた気分だった!!」
と言っていました。
相手をどれだけ想っていたのかがよくわかる一言ですよね♪^^
こうやって相手に想いを馳せ、応えていくことで、相手も自分も充足できる
これってどんな職種でも関係ないですよね。どんな仕事でも共認充足が大事☆

まずは充足、次に同化、その上で事実の追求・・・・観念信仰から脱却するために
今回紹介するのは、当社の教育事業部のある企画において、手間などの人工がかかりすぎた割りに、子供たちや父兄からの評価がもうひとつだったときに、担当者の思考に対し、社内ネットで社長がアドバイスをした内容です。
今の時代、仕事の成果をだすため、仕事で勝っていくために何が最も重要なことか。その構造を端的に示している内容だと思います。

■まずは充足、次に同化、その上で事実の追求・・・・観念信仰から脱却するために
問題の本質は、価値観念や規範観念に収束してそれでお終い(思考停止)という観念信仰型の思考回路にあります。
観念信仰は元をただせば自我統合なので、その観念発の主張や言説の奥には常に自己正当化と他者否定の感情が潜んでおり、それが表出してしまいます。
そこで、まずは時代の変化をしっかり掴んでください。最近の社内ネットの空気を感じ取ってください。
それは、一言でいえば『充足基調』です。
まずは充足すること、充足させてあげること、それが第一であり根本です。充足なしでは、なにごとも上手くいきません。『充足第一』を状況認識として明確に固定してください。
次に、充足を生み出すには、相手に同化する必要があります。いかなる問題であれ、その状況や相手に徹底的に同化することなしには、思考は一歩も前に進みません。(観念信仰は、他者否定・自己正当化に引き続いて、つねに関係捨象=同化捨象を伴いますが、それでは相手の気持ちを掴める訳がありません。)
最後に、同化することによって初めて状況が掴め、事実を追求すること(原因を追求すること)が可能になります。

相手に同化して、期待をつかむ。期待に応えることで充足する。そんな充足をベースにした関係を社内にも、社外にも形成できたら素敵ですよね。新しいようで実は根源的な「充足」を生み出すことが大切だと教えてもらいました。

 

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