2012年01月14日
全国素敵企業訪問記 有限会社 スワニー ~活力源は仕事!その秘訣は?~
長野県伊那市にある有限会社スワニー様に訪問してきました。(以下スワニーとさせていただきます)
スワニーは静電塗装業務や3次元モデリングの技術を活かし、設計や試作のサポートをされています。
橋爪社長は3代目で、先代までは粉体塗装を行う製造業でしたが、下請け仕事も多く、厳しくなるものづくりの状況を考え、3Dモデリングによる設計サポートを始められたそうです。
応援クリックしてから続きへ!
スワニーのお客様はものづくりの設計をされているお客様が多く、設計の現場は24時間体制のところも多いそうです。
だからスワニーの皆さんも24時間に近い体制になることも
社長からスタッフまで数日間泊り込みでの仕事をされることもあるそうですが、限界まで仕事をして、とにかくお客さんに喜んでもらい、仕事の先にある充足を糧に、次の仕事にも活力をもって取組んでいくという仕事振りです
突発的な依頼も多い中、時間を惜しまず、臨戦的に応えていくので、かなりの活動時間になっているようですが、社員さんたちは活力が高く、互いに信頼しあっている様子が伝わってきました。
スワニーが設計サポートを始めてからわずか2年弱ですが、短期間でこのようにたくさん仕事の依頼が来る状況にまで成長しています
社長宛の仕事関連のメールは1日に100件にもなり、それを裁きつつ、スタッフへの指示や来客・電話対応も行っているため、とても忙しくされているそうです。さらに、営業も社長自らされており、ブログなどでの営業は1日10分 と決めて取組まれているそうです
ここまで活力をもって仕事に打ち込める橋爪社長とスタッフの皆さんの秘訣はどこにあるしょうか
①社長が感じる「日本のものづくりへの危機感」
橋爪社長が日本に感じている危機感をお話いただけました。
「日本の製造業は今、海外へ仕事がどんどん移っており、例えばタイでは、製造業の中には、山ほど見積もり依頼がきているが、日本では、ひとつ見積もり依頼がきて喜んでいるような状況。」
「設計サポートの仕事も、タイでは日本の1/10程度の金額で請け負っている。かつ、日本より精度が高く、仕上がるスピードも早い。」
「そのような現状を実際に自分の目で確かめ、日本のぬるま湯のような製造業に危機感を覚えている。」
「このままでは、子供や孫の代でアジアに出稼ぎにでなければならないような状況になってしまうのではないか、そんな日本にはしたくないとの思いもあり、率先してそこに負けないものづくりを行っている。」
社長自身がとても広いアンテナで深く外圧(社会の期待)を捉えていることがとてもよく伝わってきます。だからこそ、活力も高まっていく のですね 😀
参考:外圧が高ければ高いほど活力は湧く☆
②みんなで限界を乗り越えた先にある充足と成長
橋爪社長は、「とにかく仕事を詰め込んでいくことでしか元気なんてでないでしょ 」と言い切り、講演会などに行くよりも、目の前の仕事をできるだけ優先し、1日でも早くお客さんに商品を届け、1つでも多く仕事をし、お客さんに喜んでもらいたいと話されていました。
そのために、スタッフには、日常的に「お客さんを笑わせよう」と投げかけ、1つの依頼に3サプライズ(短納期、モデリングデータ、モデリング射出サンプルプレゼント)を徹底されているそうです
社長をはじめスワニーの皆さんがお客さんとの充足を大切にされていることがよくわかります
また、スタッフに思いっきり仕事を任せるそうです
もちろん任せるときは、「これやってあげると絶対喜んでもらえるよ!」とお客さんの充足できるイメージも一緒に
その期待かけで、スタッフの目に俄然ヤル気がでてくることを嬉しそうに話してくれました
仕事の仕方としても、忙しくても自分が設計したものが実際どんなモノなのか、射出成形を行い実物を自分の眼で確かめ、お客さんに直接見てもらい、喜んでもらうところまでを一連の流れにしているそうです。そして、難課題をやり遂げた後の、みんなで感謝を伝えたり、褒め合ったりの打上げは、涙なしには語れないそうです 😥
高い外圧(期待)の中でスタッフが自らの仕事を通じてお客さんや仲間と充足しあう過程の繰り返しによって、成功体験を充足と共に固定していけるからこそ、スタッフのみなさんもどんどん成長することができるのですね
参考:闘える人に同化するって、どういうこと?
③社長の想いを共有する共認形成の場
スワニーさんの活力の秘密は、その場作りにもありました
オープンな事務所
仕事場は、中央が広く開放され、その周りにスタッフの机が配置されています。机の間にパーテーションもなく、いつでもお互いに会話ができるような環境です。スタッフ同士の会話を活発にし、迷っているスタッフにもすぐに周りからのフォローもできるそうです。
中央のスペースでは、全員が集まりミーティングを行い、活発に意見を交わすことができるスペースなのです
ものづくりバー「アジト」
建屋の一角にはこんなカウンター付きの一室があります。ここでは、スタッフがご飯を食べたり、打上げをしたり、近所の人が集まってお酒を酌み交わしたりと社内外の交流を深め、みなの意識を共有する場になっているそうです。時には先代社長の友人も来られたりと、世代や企業という枠を超えての議論となるようです
日々の会話の中で、社長からの本気の期待と課題圧力を社員全員で共有しているからこそ、社員の活力・充足と人材の成長につながっているのですね。また、社員も若いメンバーが多く、社長の熱い想いに深く同化していることも感じ取れました 🙂
ここまで見てきてわかるように、みなさん仕事と充足にまっしぐらですが、多くの企業が社員の活力源を模索する中で、橋爪社長は明確に「仕事が活力源」と言い切っています。そこに気付いたきっかけはどこにあるのでしょうか?
先々代から続く仕事への取組み姿勢
仕事が活力源だと言い切れる背景には、先々代の社長から続く仕事への取り組み姿勢にありました。
先々代の社長も仕事をどんどんとってきて、朝から晩までずっと仕事をしている事が日常だったそうです。橋爪社長は、その感覚に幼いころからずっと触れていたため、仕事が活力になる事は肉体的にわかっていたそうです。
ちょうど訪問した際に、先代社長様とも立ち話でしたがお話させていただくこともできました
先代は「今のスワニーのスタッフはとても優秀な人達が集まってくれていて、仕事も毎日大変だと思うけど、とてもがんばってくれているので本当にありがたいことです。」と本当に嬉しそうに感謝されていました
仕事で関わる周りの人に感謝し、充足を大切にする風土もしっかりと引き継がれてのるのでしょうね 😀
スワニーの活力と成果はここまで見てきたとおりですが、この躍進のポイントはどこにあるのか、意識潮流とあわせて考えてみたいと思います。
若者の意識潮流に適した企業運営
潮流予測1 私権収束から共認収束への大転換の中にも、「人々の期待に応える充足こそが最大の活力源になっており、今やこの期応収束⇒課題収束こそが、中心的な意識潮流となって健在化してきている」とあるように、現在の若手は期待に応え、課題に向かっていくことが充足と活力になっています
ただ上から課題を与え、私権獲得(利益や効率)だけを価値軸とするのではなく、仕事の過程にあるスタッフ同士やお客さんの充足を最大の目的とした運営が、現代の意識潮流を捉えた活力を生みだしているのですね
社長からの大きな期待かけや、課題、役割、評価を共認する場の構築など、この意識潮流を潜在的に捉え、充足可能性を感じさせる運営がスワニーの力の基盤となっているのではないでしょうか。
相手の充足イメージを引き出す、供給発の姿勢
「需要発から供給発へ」「市場経済の分析軸として固定観念化してしまった需要はどこにあるのかという需要発の発想こそ、可能性探索を妨げる旧観念であり、供給発の発想に切り替えさえすれば答え=可能性は無限に開かれる」とありますが、まさにスワニーのスタンスとしても、何でも設計できることをブログなどを通じて発信しており、自社の技術を「こんな面白いこともできる、こんなことにも使える」と発信する=供給することで相手が潜在的に感じている充足可能性を引き出し、仕事を作りだしています。
スワニーのブログには、ほんとにたくさんの試作品や商品がどんどんアップされています 読んでいると「それならこんなのもできるんじゃないの?」って聞いてみたくなりますよね
まさにこれが、今までの需要に合わせてモノを作るという物的生産ではなく、相手の充足可能性を引き出し、実現していく生産=意識生産を行っているということなのです。
若手スタッフのとことん仲間やお客さんの期待に応えていく応合性と、その意識潮流に適した期待を引き出す意識生産のための体制や営業姿勢が、スワニーに関わる人たちに活力と充足を生み出し、深められてゆく、この流れが実現されていることがスワニー躍進のポイントであり、スタッフがどんなに忙しくても楽しく仕事をされているポイントではないでしょうか
これからの活躍もますます楽しみですね
- posted by misima at : 15:15 | コメント (0件) | トラックバック (0)
コメントする