2012年08月17日
『社会人の知恵袋』シリーズ1~就活を始める学生へ~
就職活動を経て、社会人として働き、定年後も十数年は続く人生。その中では、誰もが成長の段階段階で壁にぶつかり、それを乗り越えながら生きていきます。
壁にぶつかった時には、夫々が考え、或いは身近な仲間に相談して解決の糸口を探りますが、それだけでは答えが見つからないときもあります。また、社会人が年代ごとにぶつかる壁は、業界や業種に関わらず共通する部分も多いはずですが、対象を広げて答えを探るのは困難です。
そこで、ブログの新シリーズは『社会人の知恵袋』と題して、沢山の社会人が参加する「るいネット」の記事の中から、壁にぶつかり、それを突破した成功体験や気付きを年代別に紹介し、役に立つ認識を共有していきます。
自らが壁にぶつかったときの切り口に、人材育成や、周りの仲間へのアドバイスに活用していただければ幸いです。
さて、第一回目の今回は、就職活動を始める時に知っておきたい認識です。
就職活動を始める時には、そもそも仕事のイメージも沸かないし、何を手掛かりに就職活動を進めていけばいいのかがわかりません。
それでも希望の職種や企業を決めなければ始まらないので、自分の「個性」や「やりたいこと」、「向き不向き」を考え、これだ!と思い定めて就職活動に臨むことになります。
しかし、内定がなかなか出ない人に多いのは、同じような業種を受け続けては不採用が続くケースです。自分の思い込みに囚われすぎると、その後の就職活動では裏目にでます。だからといって、数撃てば当たるというものでもありません。。。
では、一体何を意識して就職活動に臨めばいいのでしょうか
まずは、次の文章にじっくり目を通して、仕事の素晴らしさを感じながら仕事のイメージを膨らませて下さい。
何をやっても続かなかった女性が、単調だと思っていたレジ打ちの仕事に就きます。そして、ふと「レジを極めてみよう」と思いつき、キーを見ずにレジを打てるようになったところから、大きな変化が訪れます。
『あるレジ打ちの女性』
(前略)すると不思議なことに、これまでレジのボタンだけ見ていた彼女が、今まで見もしなかったところへ目がいくようになったのです。
最初に目に映ったのはお客さんの様子でした。
「ああ、あのお客さん、昨日も来ていたな」
「ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ」
とか、いろいろなことが見えるようになったのです。それは彼女のひそかな楽しみにもなりました。
相変わらず指はピアニストのように、ボタンの上を飛び交います。そうしていろいろなお客さんを見ているうちに、今度はお客さんの行動パターンやクセに気づいていくのです。
「この人は安売りのものを中心に買う」とか
「この人はいつも店が閉まる間際に来る」とか
「この人は高いものしか買わない」とかがわかるのです。
そんなある日、いつも期限切れ間近の安い物ばかり買うおばあちゃんが、5000円もするお頭付きの立派なタイをカゴに入れてレジへ持ってきたのです。彼女はビックリして、思わずおばあちゃんに話しかけました。
「今日は何かいいことがあったんですか?」
おばあちゃんは彼女ににっこりと顔を向けて言いました。
「孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。今日はそのお祝いなんだよ。いいだろう、このタイ」と話すのです。
「いいですね。おめでとうございます」
嬉しくなった彼女の口から、自然に祝福の言葉が飛び出しました。
お客さんとコミュニケーションをとることが楽しくなったのは、これがきっかけでした。いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい、名前まで一致するようになりました。
「○○さん、今日はこのチョコレートですか。でも今日はあちらにもっと安いチョコレートが出てますよ」
「今日はマグロよりカツオのほうがいいわよ」
などと言ってあげるようになったのです。
レジに並んでいたお客さんも応えます。
「いいこと言ってくれたわ。今から換えてくるわ」そう言ってコミュニケーションをとり始めたのです。
彼女は、だんだんこの仕事が楽しくなってきました。
そんなある日のことでした。
「今日はすごく忙しい」と思いながら、彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました。すると、店内放送が響きました。
本日は大変混み合いまして大変申し訳ございません。どうぞ空いているレジにお回りください」
ところが、わずかな間をおいて、また放送が入ります。
本日は混み合いまして大変申し訳ありません。重ねて申し上げますが、どうぞ空いているレジのほうへお回りください」
そして3回目。同じ放送が聞こえてきた時に、初めて彼女はおかしいと気づき。周りを見渡して驚きました。どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです。
店長があわてて駆け寄ってきます。そしてお客さんに
「どうぞ空いているあちらのレジへお回りください」
と言った、その時です。
お客さんは店長に言いました。
「放っておいてちょうだい。私はここへ買い物に来てるんじゃない。あの人としゃべりに来てるんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ」
その瞬間、レジ打ちの女性はワッと泣き崩れました。
お客さんが店長に言いました。
「そうそう。私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだ。今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ。だけど私は、このおねえさんと話をするためにここへ来ているんだ。だからこのレジに並ばせておくれよ」
彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことができませんでした。
仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと初めて気づきました。
すでに彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。
(後略)
いかがでしたか 自分の好き嫌いが念頭にあると、仕事は好きなことばかりじゃないし、「同じことの繰り返し」とか「我慢」とか「しんどさ」といったマイナスがつきもの、といったイメージを抱きがちです。
しかし、紹介した記事からは、お客さんが奥底に抱く期待に真っ直ぐ応えられれば、何を仕事にするかに関わらず、何より楽しいし、お客さんと深く充たし合う仕事の喜びが得られるのだという事を気づかせてくれます。
続いて、仕事に就き、仕事の充足とそれが「自分のやりたい事」かどうは関係ないことに気づいた若手社会人の記事です。
『どんな「仕事」も基本は同じ』
私はいわゆる美大を出て、自分の好きな仕事(やりたい事)はモノを作る仕事だ!って思ってました。けれど、ひょんなことから事務系の仕事もこなしているのですが、そこで感じたのは「仕事」って基本は同じってことでした。
どんな仕事であっても趣味でない以上、必ず対象(相手)がいます。つまり期待してくれている相手、そしてそれに応える自分という関係です。
要するに、相手に応える時の表現方法が「絵」だったり「文章」だったりと違うだけで、基本にあるのは「人との期待と応望の関係」なんです。そして自分自身が嬉しいとか、楽しいとか感じるのも、その根本には「人」の期待に応えられ、評価される充足があるからです。
つまり「やりたい事」っていうのも、単なる表現手法にすぎなくって、その根本では「期待・応望関係」の充足を望んでいるんだと思います。そしてその充足を望むから、いわゆる「やりたくない方法」も、やれちゃうんだと思います。そしてもっといえば、そんな表現手法の好き嫌いも、関係なくなっちゃうと思います。
紹介した記事からは、仕事は対象の期待に応えることで評価が返ってくるもので、だからこそ真っ直ぐ期待に応えれば、業種や役割に関わらず、お客さんや仲間と充足し合える ということが分かります。
また、これまでの市場が崩壊しつつある現在は、どの企業もこれまでの業態に拘らず、今の時代に人々が潜在的に抱いている新たな期待をより深く捉え、柔軟にそこに応えていかなければ生き残れない時代を迎えています。ですから、企業も一緒にどんどん新しい期待を掴み取り、応えていってくれる人材を求めています。
就職活動では、ついつい自分で自分を見つめ、思い込みで可能性を絞り込みがちですが、「真っ直ぐ課題に向き合って、対象の期待に応えられれば充足できる」「柔軟に期待を捉え、応えられる人材が求められている」という事が意識できていれば、自己分析やアピールも変わってきます。
例えば、自分の好き嫌いや、自分で決めた得て不得手は棚上げにして、 「これまで関わってきた周りの人たちの期待に応えられたのはどんなときだったか?」と、対象の期待に応える事を軸に考えてみて下さい。「自分にはこんなことが出来る」、「こんな期待を捉えるアンテナがある」と、自己分析も楽しくなるし、自分の評価と周りの評価が一致して、選考場面でも相手に自分の人となりが伝わり易くなります。
また、企業を選ぶ際も、漠然と業種や雰囲気を見るのではなく、その企業が社会のどんな期待を捉え、どのように応えているか?という視点で見れば、その企業の可能性の見極めや、魅力の発見がもっと鮮明になるはずです。
対象の期待に応えて充足するイメージをもって、就職活動を楽しんで下さい。
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就職活動を始める際に是非、自分でも問いかけ、考えてみて下さい!
次回は、『選考が始まってから内定まで』に焦点を当てて参考になる記事を紹介していきますのでお楽しみに
- posted by willow at : 22:11 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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