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2013年01月08日

いま、社会の基底部で何が起きているのか-1 現代=大転換の時代

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総選挙の結果、自民党が圧勝しました。その原因は色々考えられますが、どの政党も新たな可能性を提示できなかった事が原因の一つではないでしょうか。消費税を導入するのか、しないのか、の違いはありましたが、どこの政党も景気回復を掲げていたのは同じでした。バブル崩壊後20年以上にわたり、出来る事は全てやってきましたが景気は回復しませんでした。もはや万策尽きた状態で、消費税を導入せずに景気を回復しますと言われても、投票する気になれなかったのでしょう。従来の価値観、手法は通用しないと、みんなが実感しています。
この行き詰まった状況を突破するには、今何が起こっているのかを明らかにする必要があります。問題の原因構造が明らかになって始めて、どうしたら良いのか答えを出すことが出来るのです。新シリーズ「いま、社会の基底部で何が起きているのか」では、大衆の意識がどう変化しているのか、その原因は何かを明らかにし、大転換の時代に対応する方法を追究します。第一回目、「現代=大転換の時代」では、日本の戦後史をさかのぼり、現代社会の行き詰まりの原因を明らかにします。

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深刻化する環境汚染、そしていつ崩壊するかも知れない世界経済、にもかかわらずこの社会の指導者たちは何の答えも出せず、その果てに暴走し始めた。明らかに時代は大転換期に突入しているのに、学者・官僚・マスコミのどこからも答えが出てこない。そこで誰もが(答が見えないので)目先の可能性に飛びつく。おそらく、就職を前にした学生諸君もそうだろう。 しかし、’40年代の繊維・石炭、’50年代の鉄鋼・造船、’60年代の家電、’70年代の自動車、’80年代の金融・商社、’90年代のマスコミ・IT、これら花形産業と呼ばれた産業で現在も花形であり続けている産業は、一つもない。だから、必要なのは、少なくとも50年先まで見通すことのできる確かな時代認識であろう。 また、目先の安定に飛びつくのも同様で、これほどの大転換期には何が起こるか分からない。重要なのは、いかに状況が変化しても答えを出せる柔軟な認識力であり、そのような能力こそが、真の安定基盤になる。従って、そのような認識力を育む土壌が出来ている企業を見抜き、そこで認識力を身に付けることが、真の安定への道だろう。(るいネット:学生に与う1 いま、社会の基底部で何が起きているのか、より

○大転換期に大企業は対応出来るか?
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近年、日本の大企業の凋落は目を被いたくなるものがあります。シャープは2011年度決算で過去最悪の3760億円の最終赤字となり台湾メーカーのホンハイ(鴻海精密工業)の資本参加に合意。パナソニックは2011年度の7721億円の赤字に続き2012年度の連結業績予想は7650億円の赤字。ソニーは2011年度決算4566億円の赤字。日本を代表する企業の多くが経営不振に陥っています。
これらの現象は一時的な不景気ではなく、大量生産、大量消費を前提にした大企業の時代は終焉を迎えたことを象徴しているのです。大企業は、時代が大きく変わっても、その本質的な部分を変える事ができません。だから時代の変化に適応できないのです。
 過去の人類史を見ても、時代の変革期に旧勢力が自己改革をして新勢力となった例はありません。生物史でも過去の制覇種は絶滅し、新しい種が繁栄することを繰り返しています。このことは古い時代に適応して巨大化・肥大化した生物や組織が、大きな時大の変化に合わせて、進化・変化する事がほぼ不可能で有ることを証明しています。
※参考
大企業終焉の時代
大企業はどうなる?

では、現代=大転換の時代とは、一体どういう時代なのか、まずはそれを明らかにしておこう。 ’70年代から積み上げられてきた国の借金は、今や1000兆円に達している。この社会を差配する学者・官僚・マスコミ等の統合者たちは、借金して作ったこの1000兆円を市場に注入することで、経済成長を装ってきた。だが、騙されてはならない。毎年のGDPの伸びから、人工的に注入して作り出した需要分=借金分を差し引けば、実体経済はゼロ成長となる。つまり、’70年頃から市場は実態的には拡大停止状態に陥っていたのである。 では、いったい40年前=’70年頃、何が起きていたのか? それは、先進国における貧困の消滅(豊かさの実現)である。 それまで人類はほぼ一貫して飢餓の圧力に晒されて生きてきた。そこでは、社会は飢餓の圧力を下敷きにした私権(財や地位などの私有権益)を確保しなければ生きてゆけないという、否も応もない私権の強制圧力で埋め尽くされ、誰もが私権の獲得という目標に収束する。この私権圧力に対応する私権追求の活力は、この時代を貫く最大の活力源であり、市場の拡大もこの私権追求を動力源としてきた。

○高度経済成長期の日本の活力は、貧困が産み出す私権追究の活力
 「私権追求の活力は、この時代を貫く最大の活力源であり、市場の拡大もこの私権追求を動力源としてきた。」と言われても、若い人たちはぴんと来ないかも知れません。私権追究の活力が最大の活力源だった時代とは、どんな時代だったのでしょうか。
 
 私権活力の背景にあるのは貧困の圧力です。豊かさが実現する70年代までは、衣食住が満たされない状態が当たり前でした。「衣」は、一張羅や着た切り雀などの言葉もありますが、一着しか服が無く同じ服を着続けているのが当たり前でした。「食」も、バナナや卵が贅沢品で、牛肉は滅多にお目にかからない食べ物で、お弁当を学校に持ってこられない子もいました。「住」も、間借り(家を借りるのではなく、家族が一部屋を借りて住む)が一般的で、バラック(トタンで囲っただけのような家)もよく見かけました。おこじきさんと言って、道ばたに座り10円20円を恵んでもらって生きている人も当たり前のようにいました。(食べられるものは捨てられていないので今のホームレスのような生き方はできない)
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 そして、高度経済成長期に日本は徐々に豊になり、みんなが競ってものを買い始めます。1950年代後半に白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機の3種の神器、1960年代後半にカラーテレビ、クーラー、自動車の新三種の神器が一気に普及します。カラーテレビが出始めた頃は、カラーテレビのある家に親戚や近所の人たちが集まってきたものでした。始めて冷蔵庫を買ったとき、カラーテレビや車を買ったときは、本当に幸福を実感したものです。
 物的に豊かになることこそ幸せであると、みんなが感じており、良い学校に入り、良い会社に入り、ばりばり働いて、沢山給料をもらうことを目標にしていました。みんなが活力にあふれていたこの時代には、勉強するのは何のためとか、生きるのは何のため等と考える人はいませんでした。
参考
「テレビが面白かった」1960年代
戦後財政の転換点とGDP信仰 ①戦後の混乱から高度成長期(60年代まで)
政治・社会関連年表~1950年代~
政治・社会・生活関連年表~1960年代~
着た切り雀
○借金経済の実態、今や公共投資も景気浮揚につながらない
この状況が大きく変わったのが、豊かさが実現した1970年頃でした。各家庭に三種の神器も、新三種の神器も行き渡り、高度経済期のような消費意欲は急速に衰弱していきます。この頃から、政府は経済成長を維持するために、赤字国債の発行を開始します。下の図は、日本のGDP(国内総生産)と政府の借金残高を比較したグラフです。これを見れば一目瞭然で、高度経済成長以降GDPの増加率は鈍化し、これに対抗するために政府はどんどん借金を増やしお金をばら撒いています。しかし、時代が進むにつれて借金の額を増やしても景気拡大効果はどんどん小さくなってきています
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国の借金とGDPグラフ
もう少し詳しく見ていきます。GDPは、高度経済成長期に当たる1965年~1970年は、10%前後の成長率を示しており、1970年以降から1990年バブル崩壊までは4~5%の成長率が維持されています。しかし1990年バブル崩壊以降は2%前後の低成長が続いており、特に2008年世界経済危機以降はマイナス成長に陥っています。
一方、国の借金は、1970年以降、バブル期の2年間を除いて一貫して膨れ続けてきたことが分かります。2010年現在、借金総額は1036兆円にも上り、政府は借金し金を作ることで、公共事業の発注から仕事を生み出し、あるいは社会保障費として国民に分配することによって消費を刺激してきました。つまり、政府は財政赤字を垂れ流して(政府の借金を増やすことによって)、GDPを押し上げているのです。〔※中央政府による歳出総額は、約140兆円あるが、政府の財政支出は、全てGDPに含まれるので、GDP約500兆円の内およそ3割を中央政府が担っていることになる。GDPを支えている最大の主体は今や政府。〕
政府の借金の増加分をGDPの増加分から引けば、借金増によるGDP増の影響を消すことができると考え、これを1965年から累積させていけば、「GDP増―借金増」という折れ線グラフ(四角と点線)を描くことができます。これは、借金増がGDP増を上回り始めた1975年以降から下がり始めており、(バブル崩壊前後では一時的に回復しているが)1991年から急角度の下降線を辿っています。1996年からは遂にマイナスに突入し、2010年時点でマイナス593兆円となっています。
参考
国の借金とGDPグラフ(最新2010年版) 借金による水脹れを除けば、一貫して縮小している市場
 物的な豊かさが実現し、各家庭に物があふれている現代、いくら税金をばらまいても、金融を緩和しても、もはや物は売れない、景気は回復しないことは、このグラフを見れば明らかです。今回の選挙で大勝した自民党は日銀に命じて金融緩和を行い、補正予算で景気を刺激しようとしています。しかし残念ながら効果は期待できません。それどころか、税金をばら撒いて無理やり消費を促し景気を回復させようという行為は、死にかけている人に麻薬を与えて無理やり走らせているような行為です。これを続けても、本来の体力は衰弱する一方で、麻薬が切れるか、効かなくなるか、体が持たなくなるか、いずれにしても死ぬしかありません。
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このまま、バラまきを続けると、日本はどうなってしまうのでしょうか。シリーズの第2回「私権の終焉と市場の縮小と権力の暴走」で、この問題を詳しく見ていきます。

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