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2013年02月23日

いま、社会の基底部で何が起きているのか-6 この行き詰った社会をどう再生するか

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今、社会は混沌の度を深めており、企業経営者にとっても社員たちにとっても、この先の見通しが非常に立ちにくくなっています。
こうした時代こそ、社会の表層の変化だけでなく、もっと深い地平で何か起こっているのか、どこへ向かおうとしているのか、根底的に思考することが求められるのではないでしょうか。
本シリーズ【いま、社会の基底部で何が起きているのか】では、人々の意識潮流がどのように変化しているのか、その構造を明らかにし、大転換の時代に対応する方向性を追究してきました。
本稿がいったんの最終回となります
まずはこれまでのダイジェストから・・・

1.いま、社会の基底部で何が起きているのか  

これほどの大転換期には何が起こるか分からない。
重要なのは、いかに状況が変化しても答えを出せる柔軟な認識力であり、そのような能力こそが、真の安定基盤になる。
では、現代=大転換の時代とは、一体どういう時代なのか。
国の借金は、今や1000兆円に達している。この社会を差配する統合者たちは、経済成長を装ってきたが、騙されてはならない。’70年頃から市場は実態的には拡大停止状態に陥っていたのである。

2.私権の終焉と市場の縮小と権力の暴走  

豊かさが実現されると、事態は一変する。
飢餓の恐れが無くなると、私権の強制圧力によって加圧され肥大されてきた物的需要も衰弱してゆく。従って、市場も縮小してゆかざるを得ない。
ところが、市場拡大は至上命題であるという固定観念に囚われた学者・官僚・マスコミ・政治家および財界は、不足する需要を補う為に、国家に巨大な借金を作らせて次々と市場の人工的な拡大を演出してきた。
そして’00年に入ると、彼らは遂に打てる手が無くなり、あろうことか自分たちの作り出した借金を国民に穴埋めさせるべく鉾先を国民に向けて暴走し始めた。

3.新しい活力源=周りの期待に応える充足  

破滅に向かう旧社会の深層では、すでに新社会へ胎動が始まっている。
私権圧力が衰弱した以上、その強制圧力によって抑圧されてきた人類本来の活力源が再生されてゆくのは、当然の理(ことわり)である。
’70年以後、貧困の消滅に伴って私権追求はもはや第一の活力源ではなくなり、代わって、周りの期待に応えることによって得られる充足(安心や喜び)、すなわち共認充足こそが最大の活力源となっている。
現在も私権から共認への大転換は進行中である。
そしてこの大潮流は遂に「自分たちの手で作り出せる能力」「自分の頭で答えを出せる能力」への期待、云わば自給期待の潮流を顕在化させた。
これらの潮流が指し示す次の社会は、おそらく「自分たちで作ってゆく」共同体社会となるだろう。

4.先行して共同体を実現した類グループ  

市場社会の常識を破った共同体・類グループを生み出せたのも、様々な壁にぶつかりながらもあきらめず共同体を進化させてこれたのも、「私権から共認へ」という確かな時代認識があったからである。
おそらく、今、人々が求めている自給能力期待という最先端の欠乏も、突き詰めればそのような事実認識⇒認識力に行き着く筈である。
類は、これまでの40年に亙る事実追求の成果として、既に多くの歴史認識=事実認識群を構築してきた。
共同体の統合軸となっているのは事実の共認である。
事実の認識体系は無限に進化してゆくと共に、事実の共認によって統合されている共同体も、無限に進化してゆく。

5.共同体の母胎は女性が生み出す充足空間 

共同体の推進力になっているのは認識力だけではない。
その認識力を生み出す母胎となる充足空間と、それを形成する充足力こそ、全ての活力の源泉である。この充足空間あるいは充足力の中身は、共認充足である。この共認充足は、その土壌となるお互いの肯定視や感謝の想いが深いほど大きくなる。
そして自主活動をはじめ、営業上・経営上の諸問題から理論問題まで、全ゆる情報が発信され、最大の共認形成の場となっているのが『社内ネット』である。
充足力と認識力を育成してきた様々な活動の成果は、共同体・類グループが設計事業から始まり、教育・地所・農園そして社会事業と、次々と新事業を生み出し軌道に乗せてきたことに、はっきり表れていると云えるだろう。

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学生に与う6 この行き詰った社会をどう再生するか  より

 このように、共同体・類グループは、充足力・認識力に支えられて高い生産性を維持しつつ、拡大成長を続けてきた。
 しかし、社会あっての企業であり、気になるのは崩壊寸前とも見える社会である。借金を積み上げるしか能がなく、その果てに国民から毟り取ることしか考えずに暴走し続ける悪徳エリートたちに、もはや社会の統合を任せておけないことは明らかであり、社会の統合も国民が自分たちの手で担ってゆくしかないと、腹を固める必要がある。
 では、私たちは何をなすべきか。
過去、原始共同体に代わって登場した古代の武力支配の社会であれ、それに代わって登場した近代の資力支配の社会であれ、新しい社会は、常に新しい生産体を結集した生産勢力によって実現されてきた。
 従って、社会を変革し、かつ統合するためには、一定の新しい生産体を結集した新生産勢力が必要になる。そして、次の新しい共同体社会の原点をなすのは、共同体企業である。
 
 従って、既存の企業(あるいは新企業)を共同体化し、ネットワークでつなぐ大事業が不可欠になる。
それは、新しい共同体社会を建設してゆく壮大な事業となるだろう。

◆社会を変えるとはどういうことか? 私たちは、今、何をなすべきか
「社会を変える」というと、「社会」にばかり目が向かいがちですが、社会の構成単位=原点となる、集団=企業がどうあるべきかが重要です。
普通の人にとって、もっとも身近な現実の場は職場です。そこには常に大きな圧力が加わっていますし、誰もがエネルギーの大半をそこで費やしています。したがって、本当に社会を良くしたいのなら、まず、もっとも身近な現実の場である職場をどうすれば改善できるのかを提示し、その上で、社会をどうするかを提示すべきだろうと思います。
今必要なのは、遠く離れた抽象的な「社会」に何かを主張することではなく、現実に密着した生活の拠点たる職場を共同体に作りかえること、つまり、『企業の共同体化』なのです。
これが、社会を変える起点となります。

◆共同体の時代、企業の共同体化から新しい共同体社会へ
企業の共同体化を起点として、地に足をつけた新しい共同体社会の構築が、着実に進行してゆきます。共同体同士を結ぶ「共同体ネットワーク」の構築です。
統合階級が牛耳る上辺の「社会」がどれほど迷走しようとも、現実の地に共同体を建設することは可能であり、むしろ社会が崩壊に向かっているとすれば、なおさら共同体の建設こそが崩壊を突き抜けて新しい社会を実現してゆく唯一の突破口になるはずです。
共認収束の大潮流から生まれつつある「自分たちの手で作り出せる能力」「自分の頭で答えを出せる能力」への期待、自給期待の潮流がその実現基盤となるでしょう。
『自分たちの生きる場を自分たちの手で築いてゆく=共同体企業』へ、さらには『自分たちの手で築いてゆく=共同体社会』へ。

社会の統合原理は、私権原理から共認原理に転換しました。それに伴って、企業も共同体に転換してゆく時代に入ったのです。
すでに、私権原理から共認原理への転換に伴って、共同体を志向する企業が、次々と生まれてきています。
共同体・類グループが40年にわたって蓄積してきた、企業を共同体化する上で必要な様々な成功事例や方法論やそれを支える新しい認識群を応用して、企業の共同体化に貢献したいと立ち上げたのが、類グループの社会事業です。
※参考:必要なのは地に足をつけた共同体企業の建設  

学生に与う6 この行き詰った社会をどう再生するか  より

 幸い、共同体として先行する類グループには、共同体の理論と実践の蓄積がある。そこで、’11年(3.11を契機に)類グループはこの壮大な社会事業に着手した。
 認識勉強会と社内ネットを核にして企業の共同体化を推進してゆくこの事業はまだ始まったばかりだが、幸い、この事業に対する経営者や若手経営幹部の評価は上々である。
 しかし、この大事業を受け継ぎ、新しい共同体社会を実現するのは、若い君たちの世代になるだろう。今、君たちは就職を前にして、人類を破滅に導く側に回るのか、皆と共に新しい共同体社会を作って行く側に立つのか、一生の選択を迫られている。
 可能性に挑戦できる、本気、あるいは勝つ気、あるいは余裕のある若者の応募を心待ちにしている。

◆『認識勉強会』と『社内ネット』を核にして企業の共同体化を推進
◆◆◆認識勉強会◆◆◆
「次代を読み解く認識力を身に付け答えを出す」
勉強会Aコースは昨年4月に第一陣が開講、10月には第二陣がスタート。今年2月には、「新概念を歴史体系的に基礎から学ぶ史的実現論」勉強会Bコースもスタートしました。
経営者は次代を読み、全社員が共認できる「正しい方向」を提示する必要があります。そのためには、経営者自身が、人類の意識構造や社会構造についての根源的な構造認識を習得することが不可欠になってきます。
こうした構造認識を学ぶ勉強会に、多数の企業経営者の方々にご参加いただいています。
また今年から、企業経営者だけでなく、幹部社員向けの勉強会もスタートしています。
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◆◆◆社内ネット◆◆◆
類グループが共認形成の場として活用している「社内ネット」、すでに数社に導入いただいています。
経営者の重要の役割(仕事)は、共認形成です。そのためには社員の気持ちを掴む必要がありますが、実は多くの経営者の方々は、社員の気持ちが掴みきれていないという不安を抱えています。でも、『社内ネット』を導入すれば、それが見えてきます。この効果は大きい! 
社員の気持ちが見えてくれば、経営者の方々が取り組むべき次の役割は、「会社をどういう方向に持っていけばいいか」という理念やコンセプトを確立して、その方向に沿った闘争共認・課題共認の形成を図ることです。
社内ネットを導入された各社では、経営者によるリーダシップのもと、社員による「社内ネット活性化委員会」などの自主活動も立ち上がっています。
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認識勉強会と社内ネットは企業を共同体化してゆく大きな武器、両輪となります。参加企業同士のネットワークも徐々に拡がりつつあります。
※参考:第1期 新概念勉強会 成果発表会 開催報告♪  

類グループの社会事業に参画された企業様からの声を紹介します。

3.11震災以降、これからの時代のことを真剣に考え始めました。それは経営のためでもありますが、それ以上に、人類の根源的な問いと向き合う必要を感じたからです。
今、『認識勉強会』を終え、新しい道が目の前に現れました。そこには人類の歴史や社会構造の変化、そして共認の時代という確かな認識があります。
「社内ネット」も迷わず導入を決めました。それが社員同士の共認の場と成ると確信したから。社内も少しずつ変化が表われてきました。みんなの智慧を共有し、みんなで乗り越え、成長して行く。互いに“期待し合い、期待に応える”関係、それが最大の充足となる文化が生まれ始めました。
私はこのような会社を目指してきました。思い付くことは全部やりました。でも全部失敗し、もう諦めていました。ところが社内ネットを始め、勉強会や「るいネット」の経営板にも参加し、“共認の現場”を実際にみることができたのです。
現在の社会の混沌は正しい認識の欠如が原因です。正しい認識をもって企業が変われば、社会はきっと良くなる。そのような明るい期待を持てるようになったことが一番嬉しいです。(M社様)

以前から活力のある組織風土を構築することを目指してきた私にとって、類グループさんの誰もが活き活きと働いている姿に衝撃を覚えたとともに「自社で実践することができればどんなに素晴らしいだろう」という想いを改めて強くしました。
その後、新概念を学ぶ『認識勉強会』に参加し、『社内ネット』を導入しました。社内ネットの導入で社員同士が普段見られない素直な一面を見せ合えるようになり、以前よりも思いやる気持ちが強くなってきたように感じます。勉強会の発表会には、6名の社員が参加してくれて、想いを共有できたことにより、これまで閉塞感のあった職場の雰囲気が変わってきました。
新概念に触れた若手は深い気付きと共感を口にし、活力が引き出されました。
今、職場に活力が芽生えはじめ、勉強会や社内ネットの手応えを感じています。これからもっと踏み込んで活用し、社員全員で失敗の共有や充足体験を重ねてゆきたいと思います。
さらに、新概念を修得した若手と、まだ気付かぬ世代との橋渡しができれば、皆の活力をさらに上昇させることができ、社会を変えてゆけると感じています。(S社様)

◆共同体社会の実現に向けて 『皆の生きる場を皆の手で築いてゆく』
これほどの大転換期ですから、本当に何が起こるか分からない時代です。世の中はデフレ脱却、株高、景気回復と浮かれているような空気もありますが、おそらくその後すぐに本格的な市場縮小の時代が訪れます。企業の生き残りにとって、本当に大変な時代です。
しかし、企業は社会あっての存在。企業単独で生き残るだけでは、真の意味での答えになっていません(社会の期待に応えることになっていない)。人々の意識潮流を読み解き、深い次元でのみんなの期待を発掘し、新たな事業=新たな仕事を創出する、そのような挑戦を続けてゆきたいと思います。

共同体とは、充足性・肯定性に包まれた充足空間を基盤に、みんなとの共認充足を最大限の活力源とし、誰もが認められる事実の共認で統合される集団です。
そして、単一の集団を超えた社会的視座に立って社会の役に立つために、社会基盤整備、農業、エネルギー、流通、情報、介護、教育など、これからの共認社会においても必要とされる業態を中心に、生産を紐帯とした共同体同士を結びつけ、充足発の協働関係を築きネットワーク化してゆく。
この課題を実現してゆくことこそが、次代の『共同体ネットワーク社会=新しい共同体社会』を実現することになります。

「自分たちの生きる場を自分たちの手で築いてゆきたい」「そして新しい時代を、自らの力の及ぶ地点まで実現していこう」という想いで設立された共同体・類グループは、来るべき共認時代に向けて、「皆の生きる場を皆の手で築いてゆく」共同体社会の実現を目指して始動しています。
※参考:2013年企業ネットワークへの期待  

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします

 

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