2013年03月28日
『共同体経営とは?』15-1 事実認識に基づいた男と女の役割共認①~女の役割とは?~
みなさんこんにちは。
今日は、職場における男女の役割ってどういうこと?の前編として、
女の役割 について、追求します。
①女が生産戦力となる時代へ
「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」3~男性生産人口の急減→これからは女性の戦力化が必須~(将来日本の生産主体)
上記リンク先を見て頂くと解りますが、1970年以前は、第二次産業の隆盛期。工業生産を中心とした肉体労働の中において、主には男が生産主体を担っていました。それは私権の獲得を主軸とした生産様式であったとも言えます。資本(力)を最重視し、大量生産、大量消費の為に効率性を向上させてきたのが今まで。
しかし生産力向上の結果、1970年に貧困を脱し、生存圧力の消滅と同時に時代が私権から共認へと移行しつつある現在、物的生産力に変わる新たな生産主体への転換が必要となってきます。実は、その可能性として、女の役割が注目されるのです。
20代前半は労働力=働く意欲が高いものの、20代後半から30代後半までは低く、40代以降になると上がっています。このことから20代後半から30代後半までは育児で忙しいものの、40代後半になると働ける余裕があることが分かります。
たしかに女性には育児のために仕事を休まなければいけない時期があります。上図からもわかるように、20代後半から30代後半までは育児と仕事(試算)にはほぼ同じぐらいの時間を要します。しかし40歳以降になると、ある程度育児も落ち着き、生活時間に余裕があることも分かりますね。この余暇を働く時間として活かせるのではないでしょうか?
上記の通り、女性にも働く意欲はあっても、働ける環境が整っていないために新たな生産主体になり得てないことが分かります。
女の戦力化は、私権競争中心の社会ではうまく活かせていなかったところ。しかし、男の戦力弱体化が顕著となりつつある現在では、どれだけ早く女の戦力化に取り組めたかが次代を生き抜くパラメーターになってくるのです。
しかし、女の戦力化といっても、これまで時代を引っ張ってきた男と同じ土壌で仕事をすれば良いという訳ではありません。1970年以降はウーマンリブ活動、男女雇用機会均等法など、様々な面から「男女平等」の観念が流布されてきた歴史がありますが、これはあくまでも「男女の対立」を無くすことが本来的な実現基盤であって、そもそも男と女は違う、という現実を無視して、すべからく平等といった価値観だけを押し付けても、誰も充足できない事は明らかです。だって、男と女は違うことにこそ、意味があるのですからね。
そこで、男と女の違いを見据えた役割分担を、あらためて生物の誕生まで遡って見ていきたいと思います。
②生物の歴史に見るオスメスの役割構造
オスメス分化の塗り重ね構造
写真はこちらからお借りしました
多細胞動物の生殖系の進化のステップは、3段階あります。
1.殖産分化の過程
多細胞化の起点。種の保存上、最も負担の大きい生殖を専門に分離することによって、体細胞系列を高度に機能分化させていくことも可能となります。
2.精卵分化(オスメス分化の源基)
運動と栄養の役割分化。変異と保存の配偶子→精卵分化の本質は、精子:変異配偶子と卵子:保存配偶子への分化であることが見えてきます。変異と保存の分化、これがオスメス分化の原基となります。変異+不変の組み合わせによる、生物的に安定な生殖システムとも言えます。
3.雌雄躯体分化
脊椎動物の系統でも魚類の段階まで、雌雄同体と雌雄異体が併存していました。その後、オスメス躯体が分化することで、体細胞&生殖細胞系列の高度化し、動物の種間圧力が高まり、オスの闘争強化、メスの生殖強化が進んでいくことになります。
生物数十億年の歴史のなかで、外圧に適応していくために、役割分担と調和が塗り重ねられてきました。それがオスとメスの分化。オスという役割(存在)、メスという役割(存在)があわさってはじめて、外圧に適応的たり得たし、種をつなぐこともできたのです。
更に我々哺乳類の段階では、雌雄の役割分化も一段と明確になっていきます。
哺乳類が生み出した新たな集団形態:内雌外雄
写真はこちらからお借りしました
哺乳類が種を残すために新たに直面した課題は、
・胎内保育期間中の雌は戦力外、強い雄が外敵から守らなくてはならない。
・子が生まれた後、独り立ち出来るまでの産後保護(子育て)の期間、安全な縄張りを確保しなければならない。
これを満足できる雄の能力と新しい集団形態が必要となります。
そこで雌は、強者選択本能をより強化し、より強い雄に収束します。雄は、雌の強者選択本能に応え、種を残すために性闘争と縄張り闘争を激化させます。
より強い雄を獲得した雌達は、その雄の安全な縄張りの中で、胎内保育、出産、産後保護(子育て)を行います。このように哺乳類の雄雌は、役割を明確にすることにより進化してきました。
そして、性闘争・縄張り闘争に勝ち抜いた強い雄が広い縄張りを守り、その縄張りの中で母系集団の雌達が子供を育てる、哺乳類の代表的な内雌外雄の集団形態が出来上がります。
このように、男と女はそれぞれの役割を強化することで、互いの生存を助け合ってきた生物なのです。こうして見ると、男主体の私権社会は歴史的にも異質な時代だったということがわかりますね。
実は、自ら差異を作り出してきた私たち有性生物の性の歴史は、男と女の“脳”の働き方の違いにも刻印されています。
例えば、
赤ん坊の表情を男女が判断するとき、男性はもっぱら本能・共認レベル回路のみを使って単純に判断しているが、女性はむしろこれまでの記憶と照合する形でより高度な判断を行います。
(赤ん坊への同化能力における男女の違い)より
女脳として生まれてきた人の脳は、妊娠8週~18週の間にY染色体上の精巣決定遺伝子の働きによって作られた精巣から、アンドロゲンという男性ホルモンが大量に分泌されることで、コミュニケーション中枢の細胞の一部が破壊され、性および攻撃中枢の細胞が増えて、それまで性差のなかった脳は、男性の脳になります。
「幼児思春期」の長さも男女で違いがあり、男は9ヶ月、女は24ヶ月で、この間成人女性に匹敵する大量のエストロゲンを赤ん坊に浴びせる。この大量のエストロゲンは、ニューロンの成長を促進し、観察やコミュニケーション、体感的直感、世話をしたり可愛がったりすることに関係する女性の脳の回路や中枢をさらに強化します。対照的に、男は、性的衝動に関与する脳の部分が2倍大きく、行動や攻撃の中枢も大きくなります。
(男女の脳ってこんなに違う~生まれる前からこんなに違う~)より
<男女の脳の違いについて、その他の参考投稿>
安定を担う女脳、変異を担う男脳
男女の脳の機能差は、長い歴史の中で培われてきた(1)
男女の脳ってこんなに違う②~「幼児の絵」における男女の違い~
このように、男と女の役割の違い=能力の違いは、生物の根源レベルから始まり、歴史を積み重ねながら、進化を繰り返し、現在までも貫徹される普遍の原理であることが分かります。
つまり、これに準ずる役割分担をした方が、社会変化に対応しやすい働き方になるし、対抗すれば、それだけ体や脳に負担が増えることになるわけです。
では、男と女に適した働き方とはどんな形態になるのでしょうか?
③女の働き方とは?
例えば類グループでは、女性ならではの充足性が、組織の中心的な活力源になっています。
共同体の母胎は女性が生み出す充足空間
その認識力を生み出す母胎となる充足空間と、それを形成する充足力こそ、全ての活力の源泉であり、類の活力も、女性社員を中心とする充足力によって生み出されている。
この充足空間あるいは充足力の中身は、共認充足である。現代では、共認充足こそが最大の活力源となっており、そうである以上、共同体・類が充足度=活力度において群を抜いているのも当然と云えるだろう。
この共認充足は、深い安心感や一体感や喜びから生じるが、その充足は、その土壌となるお互いの肯定視や感謝の想いが深いほど大きくなる。従って、類では、さらに充足度を上げるために女性社員が中心となって、毎週『感謝のトレーニング(略して感トレ)』を行っており、その充足度の高さは、他社や応募学生からもうらやましがられるほどである
このような充足空間の中から、社員発の様々な自主活動が生まれ、継続している。上記の感トレグループをはじめ、共同保育、自然体験、産直販売、塾のブロック会やコンサル会、あるいは各種のブロググループや建築士受験グループなど、数え上げればキリがない程である。それらの中には、事業化された活動も、いくつもある。
これらの充足活動の具体的な形を、一部ご紹介します。
・企業内での共同保育
写真はこちらからお借りしました
出産、子育てといった女性ならではの役割も、家庭の中に閉じ込めてしまうのでは無く、開かれた場でみんなで関わっていく方が、世代の連続性も生まれ、何よりも“安心して”子育てにも取り組めます。実際に、社内でも下記のような可能性の検討、探索、そして実践に取り組んできました。
共同保育という可能性☆
これからの“共同保育”ってどんなもの?
全ての母親が、生産活動を担うこと。
母親がなぜ生産活動を担う必要があるのか?
共同保育を事業化するためになにが必要なのか?
※最新状況はこちら
成功を導く確かな理論~共同体類グループの事例31~みんなの想いを実現できる共同保育~
・本気の女子会
さらには、企業の枠を超えた女達の繋がりまで、生まれてきました!
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【企業NW:大阪合同女子会】第1回報告~大成功~(≧▽≦)/☆+゜
10年くらい前から類グループでは女子力に注目。6年ほど前に始まった社内でやっている女子会(感謝と謝罪のトレーニング)の効果(女たちの成長度合い)が高く、会社がどんどん元気で明るい空気で満たされてきた。だから、男の人たちから女たちへの期待もどんどん高まっている。
この気運は、社内だけでなく社外の方も、女子だったら、きっと同じようなことで壁を感じたり、可能性を感じたりもしているはず。
また、社会情勢がどんどん厳しくなっていく中で、社員みんなと活力をもってやっていくにはどうしていったらいいか?と模索している会社さんは本当にいっぱいある。J社さまもそう。そういう会社さんと繋がっていくことで、もっともっと社会全体を良くしていけるのでは?と社会事業部を立ち上げたんです。類グループで上手くっていることを広げたり、また他社さまからも学ばせてもらったりしていきたい。
そんな中、『合同女子会』は、会社の枠を超えて、女たちで自分たちの会社をもっと元気にしちゃおうという集まり!女同士で感謝を深め合ったり、期待を伝え合ったりしながら、成長しあう取組みです。
・仕事の中での女の役割=充足存在
写真はこちらからお借りしました
仕事での心の有り様は?
・女として、「出来ることはやっていこう」という気持ち
・場を明るく可能性に向かっていけるように
・電話などの対応の仕方を柔らかくしたり、みんなが気持ちよく仕事をするには?っていうのを考えるようにしている
・男の人の方が優れていること、女の方が優れていることがある!例えば、「接客は女の方が向いてる」
・「みんなの感謝の気持ちをお伝えする」ことを意識している
男女の役割は違っていて当たり前!
男女がそれぞれ得意な役割を担えば、もっともっと充足するし、
それが集団として戦っているってことなんだと思います。
そのために、女として働くことを意識して、
具体的にできることから実践していきたいです♪
このように、女が充足を作り出すことで、それを活力源として男達も闘争へと向かっていけるようになります。内雌外雄もまた、生物進化の塗り重ねの上に形成された、自然の摂理。
集団を育むのは、女の役割。
自分の成果を上げるより、
仲間の活力を上げる方がより大きな成果につながる!
自分の能力を上げるより、
メンバーを繋ぎ、一体感を感じるやりとりを増やした方が、大きな成功体験につながる!
そして、女たちには、それが出来る素養があるんです。
女は、“応える・育む・充たす… 充足存在”だからです。
例えば・・
新しい命を胎内に受け止め、産み育てる存在たる母でもある女という存在の前では、自然と素直に委ねられる感覚になります。
困難な事に立ち向かうときでも、女たちがみんなのために闘ってくれる男たちに感謝し、全面的に信じていれば、これほど心強いことはありません。
また、どんな状況においても、女たちみんなで大らかに受け止め、感謝や充足を忘れなければ、集団は前に進む活力を捻出していけるでしょう。
集団内での不和やいざこざの修復や感謝や充足の共有は、(歴史的にも)女たちの役割なのです。
男たちに護られている中で、集団を育むのは、女の役割。
今の共同体企業においても、まったく同じ役割が期待されています。
こうして振り返ってみると、集団にとっての女性の存在とは、生きて行く上でかけがえの無い存在であり、更には闘う意味=外圧適応の必要性をもたらしてくれる存在でもある、という事が解ります。こうして女の役割をしっかりと見据えていく事は、翻って男に期待されている事は何か?を鮮明にしてくれる『答え』でもあるように思います。
男も女も互いの性のあり方をしっかり理解すれば、自ずとそれぞれの役割を認め合いながら働けるというもの。
これは単に互いに迎合するという意味ではありません。最後までお読み頂けた方ならもうご理解して頂けているかと思いますが、男と女は生物史的にも、互いに期待し応え合いながら、常に外圧に適応して進化してきた存在。それぞれの役割を最大限に引き出し、連関することでより大きな外圧適応態になれるということです。
時代潮流が大きく変わろうとしている今だからこそ、悪しき慣習に囚われる事無く、各企業がより大きく進歩し、新たな未来を築いていきたいですね。
次回は後半“男の役割”について扱いたいと思います。それでは。
- posted by ISEZAKI at : 23:09 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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