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2014年01月23日

第四期「新概念勉強会 合同成果発表会」レポート1~追求討議による可能性収束~

類グループ社会事業部の主催する企業研修(新概念勉強会)の合同成果発表会も、お陰様で4期目を迎える事ができました。常に前向きに、企業を、そして社会を良くして行きたいと考えてくださる皆様のお力添えを頂き、回を重ねるごとに着実な進化を感じとれる場となっています。
 
_MG_9353.jpg初回から第三期までは、参加者の充足を第一義とし、「お も 😮 て 🙂 な 😀 し」の要素も取り入れながら、企業の枠を超えた共認充足の体感を実現してきましたが、その成果として企業ネットワークとしての充足基盤は十分に整いました。そこで、今回からはより高い成果を追求する為の「追求討議」形式へと大きく構成を変えた発表会を行いました。
 
どの参加者も、自身と周りの能力や活力の上昇を期待し、企業の組織力を高めることを目標に試行錯誤を繰り返しています。成果と言っても、上手く行った事もあれば、より大きな壁にぶつかる(気付く)事もまた、現実の結果として表れてきます。それらの生々しい報告を元に、根本原因や解決策に向けて参加者一同が思考し、意見を塗り重ねる事によって、新たな一歩を踏み出していく。そんなイメージにピタッと重なる、より充足度の高い発表会となりました。
 
では、当日のプログラムに沿って、各社発表と追求討議の内容をレポートします。

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■開催日時:12月21日(土) 13:00~17:00
■開催場所:㈱類設計室 劇場会議室(東京)
1)三和建設 社内ネット活性化委員会
※社内ネット活性化委員会とは?
社内ネットの活性化を通じて、組織の当事者としてリーダー力を育む研修。(詳細はこちら
 
_MG_9359.jpg
◇テーマ「社内ネットを使って共認出来る環境をつくる」
社内における共認形成の取り組み方について、類グループによる支援研修を一定期間行った上で、今年9月からいよいよ自主運営へと入った。しかし、実態は自分たちで決めた事にほぼ取り組めないままに、時間だけが過ぎていた。次第に社内での発信数も減り、継続が出来無い、周りを巻き込めない、という結果に。まずは、この現実を受け止め、何が問題で、自分たちはどうして行きたいのか?といった点を中心に、社内での議論を重ねた。
 
試行錯誤を繰り返してきたものの、目標設定の軸がブレていたり、お互いにぶら下がり・お見合い状態になっていたり。まずは、これら出来ていなかった事を改善する為に、次のような段取りで取り組んでいきたい。
 
 ・委員会としての秩序を確立し、圧力の働く組織作りを意識する。
 ・社内ネット活用マニュアルを作成し、誰もが参加し意義のあるばに育て上げていく。
 ・3ヶ月毎にレポート作成、分析、課題抽出を行い、委員会内で共有する事を続ける。
 
このような取り組みをしっかりと継続させながら、
「社内ネットを使って共認できる環境をつくる」という目標を設定。
この目標は当初から変わっていないが、実現に向けての追求は、まだまだこれから。
 
社内ネットでの社内状況や情報の共有は、組織内で一人で悩むこと無く、常に皆で課題に取り組み、突破して行く為に不可欠となるもの。今まで、人を変えるには?ばかりに頭を使っていたが、これからは環境そのものを自分たちで作り出していく意識に塗り替えていきたい。
 
規範圧力を作り出すと共に、社内環境にしっかりと影響を残せるように発信内容(投稿)の質を高める事に取り組む。これらの課題に真摯に向き合っていく事で、結果的に社内環境が共認可能な組織となっていくのでは無いかと考えています。
 
 
2)認識道場 Step1.5(日本陶業・テクノ長島・類グループ)
※認識道場とは?
⇒各社の次代を担う人材が新概念を学び、社会で勝っていくための実践に取り組む場です。(詳細はこちら
 
_MG_9372.jpg
 
_MG_9379.jpg◆日本陶業 実践報告(各部門を代表して、深谷課長、白川課長、小林課長の3名が参加)
今までの会社は、上下関係やトップダウン型の組織体制によって当事者意識が薄れ、活力も衰弱傾向にあった。そこで、この状況を打破すべく、学んだ認識を現実課題に適応して社内の場作りにチャレンジ!
 
課題に取り組むにあたって、まずは自社の歴史と社会構造の変化を遡りながら、活力衰弱の根本原因を抑える事から始め、時代の転換と共に変化した外圧と自社に不足している要因を分析。
 
その上で場作りのテーマとして、『活力ある職場づくりを共に考える会』を起ち上げ、計5回の社内研修を実施。一回目から予想以上の参加者が集まったものの、当初は不平不満や要求的意見ばかりが出てくるような状態となった。
 
早速壁にぶつかったが、それも含めて今回の研修中に議論、追求に同時進行で取り組み。研修を通じてのアドバイスから、すぐに改善に向けての兆しが見え始めた。転換のポイントは・・・・・
 
 ・不平不満の中にこそ課題がある!!!
 ・参加者の当事者度を上げる仕組み作りが不足している
 
そして、参加者側にも変化が見えてきた。
 
 ・意見を開き出した事によって、実は皆同じことを考えていた事に気付けた。
 ・この場で決めたことを実現したい、という声が出てきた。
 
こうして、前向きな空気が出来上がってきた事によって、皆で取り組むべき課題も明確化。  
 共通課題 → 『増収』『新人獲得』
 
仕事はもともと厳しいもの。でも、人生の大半の時間を費やす場。ならば・・・・
 
 ・会社をもっと楽しい場にしていく
 ・自分達で自発的にアイデアを生み出しいく
 ・お互いに共認し、諦めないで会社を活性化していく
 
そして、中堅世代から次世代へと期待を繋いでいく事により、200年続く勝てる会社にする為に場創りを続けていく!
 
_MG_9401.jpg◆テクノ長島 突破すべき課題(次期リーダー候補の浅見さん)
1.研修によって思考が変わったポイント
 ・私権から共認への大転換と共同体として戦う必要性
 ・原因→結果の分析は重要だが、逆境(課題)⇒可能性を導き出せなければ生き残れない
 
2.営業面での課題と新概念によってつかめた糸口
これまでの営業経験の中でも、自分の持つイメージと異なる方向に物事が進み、成約に至らない事もまだまだ多い、という課題がある。入口と出口を一致させる事の重要さなど、兼ねてから経営者からもアドバイスを受けていた内容。その突破口を、今回の研修で学んだ。
 ・一個人、一企業の利益のみの追求だけではなく、その仕事に携わる全員が充足出来る事を念頭に、物事に取組む
 ・自分発ではなく、みんな発で課題に取り組み、答えを導き出す
 ・可能性に収束して、実現できてこそ仕事といえる
 
3.新概念のこれからの使い方
今回学んだ認識は、現実場面でどれだけ実際に使っていけるかが大事。
そこで、自社の歴史や先人に学ぶために、新概念を活用して構造的理解を深める事にも取り組んでいる。
仮説を立てて、先人(経営者)の経営判断を学び(真似て)、これからの課題の解決に役立てる道筋を身に付けて行きたい。
 
_MG_9415.jpg◆類設計室 組織課題からの成長(入社2年目 朝日大和)
勝っていく組織であるためには、人材が全て。今回、認識道場で学びながら組織課題として人材募集を担うミッションを期待され、現実課題に取り組んだ過程を発表。
実現すべき課題は、新卒募集。対象は、全国の建築学生。社会(学生)を対象に共認形成を図るために必要な認識とは何か?をまず学生の意識潮流を分析し、次のキーワードに照準を当てた。
 
【学生の意識潮流】
→ 3.11以後、学者・政治家の無能さが顕著に
→ 情報過多で、何が真実なのかわからない
→ 社会に出る時期に、社会の先行きが見えない
→ 自分たちで考えて、答えを出していくしかない
 
【可能性収束軸】
 ・自給期待+成長期待
 ・自考力
 ・充足→闘争へ
 
その他、過去の募集実績なども分析し、勝ち筋となる募集方針を絞込。次のような特徴が掴めた。
 
【大学訪問参加者数が特に多い年度の共通項】
大きな社会的事件(リーマンショック、大震災+原発災害)の後年
→ 危機感発+不安発 →大手収束+安定収束
⇒ 次代を見通す力をアピールすることが必要!
 
若手が組織課題を担えるのはなぜか?
→ 共通の認識がある
⇒ 誰もが組織課題を担うことができる
 
SDIM1578.jpg
◆全体を通じて見えた成果と課題
【1.成果】
 ・「私権から共認へ」:「場」ができたことで主体性が上昇
 ・因果思考(現実否定)から実現思考への転換:深い同化が可能に
 ・「外圧=内圧」:下からの圧力形成→組織を進化させる
 
【2.今後の課題】
 ・対面を越えた共認形成力には観念力(言語能力)が必要
 
研修に取り組み、さらに現実の課題に当て嵌めて実践した事によって、可能性を掴めたと同時に、より深く、広く共認する為に必要となる力(認識力)をもっと磨いて行きたい!研修のゴールと同時に、次に向かうべきスタート地点に立てた事が、大きな成果。
 
 
3)認識道場 Step2.0(丸二社内勉強会)
「皆の評価を羅針盤に自考圧力を形成する」
※Step2.0は、類グループで学んだ認識を元に社内での自主勉強会を実施して行く過程を示します。
_MG_9440.jpg
Step2:社内勉強会の実施
①基本的な概念装置を学ぶ。
Step1で学んだ内容を、そのまま社内でも実施。一定、議論を行い、少しづつではあるが気付きを深められるようにはなった。極力日常場面でも意識できるように進めてきた。
 
②社内板を活用し、現実場面における認識力を高める。
改めて、現実の課題を軸に課題設定を行い、課題を突破するための場として勉強会を位置付けてみたところ、具体的な成果が見いだせるようになった。
 
丸二では社内板を導入して2年が経過し、投稿数も3,100件を超える投稿が蓄積された。評価軸も独自に設定し、定期的な現場報告なども写真付きで毎週投稿されるようになった。情報共有がかなり進んだ一方で、実は「不十分」に対する踏み込みがまだまだ出来ていない。今まで「不十分」評価の付いた投稿は、23投稿。そして、不十分評価の理由や改善策の塗り重ねが出来ていない事を課題として、議論。
 
実際に不十分評価を受けた当事者も、受け止め方が否定から肯定へと変わった事で、不十分の評価を期待として前向きに捉えられるようになった。そして、自ら不十分である事の分析に取り組むようになっただけでなく、今まで以上に周りの声に耳を傾ける積極性も見られるようになった事を、とても嬉しく感じている。
 
社内板を使った追求を続けることで、人材の認識力・自考力の向上に繋げられるのでは無いかと実感している。
 
Step3:自主勉強会の開催(今後の取り組みとして)
①定期的な社内勉強会の実施
現業課題において、常に自分たちの置かれている外圧状況を掴み、社会(社外)の期待を掴み応えていく事を目標として、今後も取り組んで行きたい。
各社員が迷うこと無く、今すべきことは何か?を明確にしながら仕事に取り組める会社にして行きたい。
 
(実は、この発表会後、不十分からの転換を遂げた営業さんは見事大型案件の受注という成果も上げられました!意識転換のもたらす影響は、本当に大きいのです。)
 
 
4)追求討議-1
上記3グループの発表を受けて、印象に残った気付きや疑問点を深めるべく、劇場会議形式での追求討議を行いました。
_MG_9451.jpg IMG_5741.jpg
 

・今回の発表を通じて、課題側の共通項に、「新しいことに取り組む事への躊躇や不安」が常に先立つ傾向が見られるのは何故か?
 
 
→周りの評価を気にしてしまう。プライド、自我が邪魔をする局面が多いように感じる。結果的に、踏み込みきれずに様子見の空気、停滞感を生み出すことが多いのではないか。
 
 
⇒本来の目的は、自分の評価ではなく【みんなの充足を導き出す】事が目的であって、自己評価や他社評価を行う為の取り組みでは無いはず。
 
 
⇒序列原理が根深く残存している組織であれば、足の引っ張り合いも未だ起こりうる現象ではあるが、そのような体制では今後は勝っていけない。時代は否定から肯定へ。自分発の意識から脱却し、みんな発の思考に転換して行く事で突破して行ける実現の時代に入っている。

 
 _MG_9453.jpg _MG_9456.jpg _MG_9518.jpg
 

・日本陶業の実践には非常に前進感を感じられたが、具体的にどのような意識変化が見られたのか?を具体的に聞きたい。
 
 
⇒意識的に働きかけるようになった事で、社内での会話は間違いなく増えた。
2回目の時に、ある社員から出てきた印象深い言葉がある。
 「この会で話し合った内容を実現したい。」
 「あの上司が変わった!」
という評価が出てきた事も、大きな収穫となった。
 
 
⇒最近の意識潮流を見ると、大人も子どもも萎縮しているように感じる場面が非常に多い。収束不全が顕在化している中で、マスコミは過激なバッシング報道ばかりを行い、とにかく失敗が許されないような風潮も拡がっている。しかし、本来ならば人は失敗から学ぶ事の方が多く、特に若い内や新たな取り組みなどは、失敗を恐れず先に進めるような組織的サポートがより重要になってくるのではないだろうか。
 
 
⇒不平不満を出し合うという事の背後には、「もっと良くして行きたい」という期待がある。単なる要求として捉えるのでは無く、期待と捉えて課題化出来た事が、上手く行ったポイント。
 
 
⇒組織的な視点にたった上で危機発の発信が出てくる環境を整えることは重要。一方で個人発の不平不満は、いくら掘り下げても殆ど意味を持たない。意見の見極めをしつつ、組織課題に関しては共有し、みんなで解決して行く方向付けを意識していきたい。
 
 
⇒経営者の視点に立てば、常に危機感と可能性の両面から予測を立てつつ、組織の進むべき方向性を指し示す為の判断を下している。つまり、先人達は皆不安かどうかでは無く実際に闘って勝ってきた経験を持っているという事。そして、これからは社員含めて外圧を共認し、共に闘う仲間になって行く、というのが共同体を志向する理由。
 
 
組織力を高める為には、個々の意見を出しあう事よりも全員の認識力を上げることの方が重要。改善方針を組み立てる為にも、結局は認識力が無ければ出来無い事。社内での失敗は、いくらでもして貰って構わない。但し、失敗した原因は常に追求をして、次につなげていく事が必要。また、熟練者の経験は会社の財産。個人ではなく、会社の仕事を通じて得た蓄積なのだから、みんなのものとしてしっかり活かせる状態を作り出していく事が企業存続のカギ。

 IMG_5746.jpg IMG_5742.jpg IMG_5759.jpg
 
以上、一時間の討議でしたが、発表内容の中で上げられた課題に対するヒントも多数見出すことの出来る有意義な議論となりました。各社ともに様々な経験を積み上げてきた中で、それらを共認の枠組みに置き換えていくと様々な新しい可能性が発掘されます。企業の枠を超えて課題共認をして行く事で、さらなる進化をして行ける。ネットワークとしての強みが発揮され始めたと感じています。
 
次回は、後半の部レポート第二弾に続きます。

 

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