2014年07月31日
しごとカフェ2014⇒5 その壱 「新しい」ってなんだ?
7月19日(土)15~18時
学生と社会人の交差点イベント、「しごとカフェ」が開催されました。
しごとカフェの企画立案に関 するプロローグは、前回記事を参照ください。
今回は、企業4社から社会人計8名、そして4大学から大学生4名、計11名が集まりました。美養品業界、出版社、メーカー、設計事務所。学生の学部・学科も多種多様。普段接する機会の少ない人達が共に社会に向き合った時、果たしてどんな結果が生み出されるのか?
それでは、当日のプログラムに沿って報告いたします。
■プログラム
1.自考タイム「秩序のない現代にモノ申す!」
今現在の世の中に感じる矛盾、違和感、不整合感。なんかおかしいな、と感じる事は日々沢山ありますが、同時に多くのことを「ま、いっか」と流してしまっているのも事実。
改めて、今の社会に対する問題意識を流さずに伝えるとしたら?という視点で考えて頂きました。
2.自己紹介
学生・社会人混合で2チームに別れて、自己紹介。
先ほど自考して貰った問題意識と一緒に自己紹介をして頂きました。どのような問題意識を持たれているか?という側面から、相手の思考や普段の意識が見えてきて、初対面でも短
時間で相互理解がグッと深まります。
学生さんからは、
「バブル崩壊以降の日本 はずっと低迷していると言われているが、それ以前の状態を知らないので、盛り上がっていた時代と現在は、実際何が違うの?」
「秩序が無い時代ではあるが、逆にやる気にさえ成れば何でも出来る時代なのでは?」
「社会に目を向けると上手く行ってない事だらけだが、何故かトップダウンで物事が決められてしまい、不満を持つだけで何も変わらない感覚。ボトムアップ式で、自分たちで考えて行 動して行ける道筋を創れないものか?と漠然と考えている。」
社会人からは、
「仕事に対する目標や意識が無いままに働いている人が多いと感じている。」
「今の政治家には、日本を守る志は無いのか?本当に疑問しかない。」
「経済にばかり注目が集まるが、それ自体がもう時代遅れなのでは無いか?」
「地球や人類の存続にマイナスでしかない事業を淘汰すべき。」
「秩序が崩れてきている事を、他人事のようにしか捉えていない人が多いのは何故だろう?」
といった問題意識がグループ内で共有されました。
社会に目を向けた時、学生か社会人か、というフレームは一瞬で取り払われます。年齢に応じた経験差などは有りますが、共有タイムを通じて感じたのは、誰もが「この先の社会をどうして行けば良いか?」という意識に収束していた点です。今のままで良いとは決して思っていない。勿論、すぐに解決策が見つかる訳では無いが、不整合な現実に意識が向けば、自ずとそれを整合させよう、という方向に思考が洗練されていきます。
自分たちでどうするか?を考えていきたい!
開始から10分足らずで、当事者度が一気に高まりました。
3.テーブルカフェ:テーマトーク&企画提案チャレンジ!
追求テーマとして、3つの案を提示。その中から、1つテーマを選んで、具体的な解決方針に落し込む。30分間の追求タイムです。
今回は、両チームとも同じテーマを選択しました。
「新しい仕事スタイルを生み出そう」
です。テーマは同じですが、そのテーマに行き着いた過程も、追求の道筋も、各チームごとの特性が表れて、とても楽しい時間が始まりました。
「新しい」事がテーマだとすれば、今の仕事の在り方が既に問題を孕んでいるという事。旧い仕事スタイルに潜む問題点は何か?を出し合ってみたり、時代を遡って働き方の変遷をおさえてみたり。社会人メンバーは、さすが問題点の掘り下げは得意な感じでした。
ところが、問題点を出しあうまでは活発に口が動く一方で、「どうする?」になると思うようにアイデアが纏まって行かない。逆に、仕事に対する固定観念の薄い学生さんからは、柔軟な意見が結構出てきたり。
人の思考はどうしても日常の枠組みに規定されがちな所があります。目の前の課題を捨象する訳には行かないので、日々不整合を感じながらも、どこか割り切ったり、部分的な整合を付けることによって自身を納得or正当化しながら過ごしています。
時たま、時間を取って外向きの課題を共有し議論するだけでも、そういった思考のクセや誤魔化してきた現実に端々で気付かされるキッカケが多数見出されます。
・ミスを誰か個人の責任にする事で有耶無耶にする仕事の在り方はおかしい。失敗が許されない、無難、隠蔽の圧力、バッシング。こんな環境では誰でも萎縮してしまう。
・安定を求める志向は、最初からぶら下がろうとしている事の表れかも。
・就職活動などを通じて、世の中全般に「他人事」の風潮。「自分事」として捉えないと、何事も活力が沸かない。
・企業そのものが社会に目を向けて行かなければ、存在価値が無い
・自社の状況すら把握せずに仕事をしているのって、どうなの?
・新しい「モノ」自体が飽和しており、イノベーションも単独では起こせない。
等など、最終的には重要な切り口が多数共有されました。
4.グループ追求成果のプレゼンテーション
各グループごとに議論した内容を10分間でまとめ直して、プレゼンテーション!
◆グループA(全員で役割分担して発表してくれました)
新しい仕事スタイルが求められる背景を、歴史的に考察。
市場社会以前の村社会(村落共同体の時代)から市場社会へと変わった事によって、地域や血縁関係など、拠り所となるものが失われていった。その結果、現代ではセーフティーネットが失われ、現状の仕組みでは立ち行かない状況へと変わった。
しかし、次の時代を考えてみた時、既に時代が変わりつつあり、「新たな時代=実現の時代」に入った、と考えてみた。
今現在感じる矛盾の中身として、日常生活の様々な場面で「どこか他人事のようなふるまい」が気になる。電車の中、学校、職場、問題を感じる事は多々有っても、踏み込み合えない現状がある。
また、女性としての働き方、子育てと仕事の両立なども、誰もが求める一方で、具体的にしっくり来るスタイルはまだ見えていない。
自分⇔仕事・職場⇔社会、それぞれが繋がりきっていない感覚。社会を身近に感じられない実感、他人事としてしまう現実を、解決したい!
昔ながらの下町スタイル、ソーシャルコミュニティー、企業の垣根を超えたイノベーション。新しい基盤を、自分たちで創って行く事が、新しい仕事スタイル。
みんなが「社会と繋がれる」場を求めている。今日この場が、1つの実現態。このような場、関係性も仕事として捉え、実際に拡げて行くことが、新しい社会になる!
◆グループB(学生が中心となって発表!)
今既に行き詰まっている企業に対して、新しい仕事スタイルを提案する形に整理。
困っているクライアントさんをイメージ。
・会社の置かれている状況が解らない。
・仕事以外の事を話し合う機会が無い。
・トップダウンで意見を出す機会が無い。
・周りが何をしているか?すらも解らない。
・意見を求めても、中々出てこない(会議が不活性)
等の現状と想定。どこの会社にもありそうな情景。
解決に向けての切り口として、まず「情報共有」から。
部署内、顔の見える範囲で、情報共有のメリットを共有できるファシリテーターを育成。
共有の習慣が浸透して来たら、部署を超えて徐々に水平展開し、社内文化を醸成。
共有可能な場(イントラネット、社内SNS、社内板など)を通じて、仕事の充足体験や個々の思いを共有。発信の場、受信の場が、対面を超えて形成される事で、それぞれに仕事の意義や目的なども、主体的に考え、発信し、実践していけるようになる。
上手くいく秘訣は、自分や社内にばかり意識を向けている現状を反転させる事。
仕事を「やらされている」のではなく、「必要性」を汲み取って主体的に取り組めるようになる為にも、社外の事を知っていく、そして共有して行く。脱、他人事が、モチベーションになる。そして、働く場こそ「みんなが充足できる」場にして行こう。
特に若い方々からは、いい仕事=社会的意義を感じられるもの=みんなで取り組む事が可能性、という志向性を強く感じられました。
5.劇場カフェ:参加者全員での追求議論
・社会を対象化しようとすると、途端に解らない事だらけになる。
だからこそ、それを掴もうとすれば仲間が必要になる。
一方で、知人とは言え最近のSNSなどの緩い繋がりでは、本当の思いを必ずしも共有しきれているとは言えない。価値観の合う人、合わない人も必ず居る中で、解り合える人とだけコミュニティーを作っても、社会にはならない。だからこそ、解ったつもりにならず、謙虚に知らない事を認め、理解を深めていく事が必要。
集団から社会に視点を移した時、顔の見えない相手との関係性をどうする?という課題に必ずぶつかる。社会は、観念の使い方次第。言葉だけでは思いが伝わらない、という側面もあるし、言葉によって定着度が高まる面もある。文字や声でも、同化意識を深めていけば結構思いも伝わるようになる。言葉に魂が乗っていれば。
・情報共有の必要性は、「外圧=内圧」の視点!
自分の会社を知る為には、社員がみんな外向きのベクトルを持って、社会を知って行かなければ解らない。自分の仕事にしか意識が向かっていない状態では、会社の内圧が高められないってことだ。
・「他人事」から抜け出す為には、「解ったつもり」にならず、常に未知世界に対して謙虚に追求して行くこと。
情報も、共有して終わりでは無く、常に情報を更新していく役割を自ら担う事が大事。
等など、あっという間の、一時間でした。(要点のみ書き出しています)
6.明日から実行宣言!
最後に、今日の議論を通じての気付きから、実際に「明日からやること」を参加者全員に宣言してもらいました!
Aさん♂「解ったつもりになって傲慢になっていた自分を打破して、追求する!」
Kさん♂「明日から、信号を守る」
Kさん♂「情報がみんなの活力源。収集をしっかりやる」
Sさん♂「志おじさんになって、周りに志を問い続ける」
Hさん♀「世界の解像度を上げる為に、ニュースをしっかり見る」
Sさん♂「若手社員を外に出す機会を増やす」
Sさん♀「ただ挨拶するだけでなく、挨拶+相手への問い掛けを加える」
Oさん♀「発信は得意だけど人の話もちゃんと共有できるようになる」
Sさん♂「社内の人が社外について日々感じていることを聞く」
Mさん♀「社会の事を他人事と思っていた気持ちを切り替える」
Nさん♀「ニュースを見て、自分と繋げていく」
Yさん♀「紙の使い方改善PJに取り組んでいるが、仲間と過程の共有をもっと深め合う」
Tさん♂「解らない事を謙虚に認めていく。机の整理も、ちゃんとやる」
Sさん♂「知らない社員の名前をちゃんと覚える・・・」
大小様々ですが、こういった前向きな意識が集結する事で、徐々に大志が形成されていく事を期待して、2回目に驀進して行きたいと思います。
次回開催は8月23日15時~ イベントHP
すでに募集開始をしていますので、学生・社会人の皆さん、是非ご参加ください。
自分たちの未来を、自分たちの手で創って行く。その第一歩を共に踏み出しましょう!
- posted by kawai at : 13:18 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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