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2014年08月23日

新しい「暮らし」のかたち 第3回 新たな生き方と日々の生活にスパイスを!~6つの方向性のシェアハウス事例集~

前回記事で、シェアハウスを住まいとして選択する意識は、私有・所有意識の衰弱、節約志向、共認収束、自給・自考志向等であると述べました。

さらに、その奥底には【秩序崩壊の予感(この先どうなるか?なにが起こるかわからない)】が働いていると考えられます。

私たちは、現在登場している様々なシェアハウスには、大きく6つの方向性があると述べました。

①解脱・親和

②節約志向

③人間力形成

④課題収束・同類圧力

⑤社会参加・事業創出

⑥集団形成

今回は、多くの事例の中でも、特に注目されているシェアハウスを紹介したいと思います。

それぞれのシェアハウスの特徴と「どんな人が・どんな意識で」入居に至ったのかを分析しているので、前回記事までの内容と照らし合わせながら読んでみてください。 

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■フレッシュ シェア神宮前

採光や間取り、セキュリティーなどFRESH shareJINGUMAEは女性の暮らしやすさと居心地のよさをとことん追求することを目的とした女性のためのシェアハウスです。

フレッシュシェア2

「女性に特化」というコンセプト型の新築物件ならではの配慮は企画段階から随所に施され、アクティブなライフスタイルを確立した女性をしっかりサポートします。

代々木公園や神宮外苑などの女性ランナーに人気のランニングコースを控えていたり、毎月開催される講師を呼んだヨガや農園体験等の各物件ごとのイベントへも入居者はいつでも参加できる(※参加費は別途料金必要)。友人も招待して参加することもできるので、女性同士のコミュニティも広げることができます。

 【入居者】

女性ならば、国籍問わず入居OK。男性は物件内への立ち入りを禁止しています。日々の生活の中で、自分の時間が足りない、リラックスしたい、女性のネットワークを作りたい、東京ライフを堪能したい!と思っている方が入居中。女性にとって居心地のよいライフスタイルをもっともっと生み出したい、追求したい!という思いを持った女性を対象にしています。

フレッシュシェア3

【意識分析】

・男性といることで充足するという意識から、女性同士のネットワークを構築していきたい、といった女子会ネットワーク重視傾向に変化してきているように思う。

・「一人暮らし」といっても、電話やネットで誰かと会話したり、家に誰かを招待して一緒に過ごすというように他の人と関わりを持っている時間が実は多いのではないでしょうか?

だからこそ、女性らしいイベントや共有スペースを介して、一緒に何かを成し遂げる、といった日常生活へのちょっとしたスパイスが魅力となり、入居者の意識を向上させているのだと考えられます。

・また、有名なサロンや雑誌編集会社がサポートしているという点も女性にとっては大きなポイントとなっているようです。雑誌やネットを通して、「こんな生活がしてみたい」「こんな人になりたい」と自分の実現イメージが明確になり意欲が向上するのだと考えられます。

なにが起こるかわからないからこそ、女性たちは可能性(理想の自分になれる)を求めているのかもしれません。それにはどこか消費者的な意識も感じられます。

 

■ザ・シェア 【社会参加・事業創出型】

時代の中で役目を終えた築48年の独身寮を「いかにして、人と人をつなぐか」というテーマを持って(株)リビタによってリノベーションしたシェアハウス。

ザ・シェア1

ザ・シェアは、シェアオフィスやショップと合体しており、1階がショップ、2階がシェアオフィス&スモールオフィス、3~5階がシェアハウス、屋上が入居者に共用テラスという構成になっています。

入居者個人のプライベート空間(各個室)、入居者同士のセミパブリック空間(オフィス・テラス)、そして近隣住民を含めるパブリック空間(ショップ)すべてを内包した1つの街のように機能しているシェアハウスです。

ザ・シェア2

入居後は運営サイドが主体となり、シェアハウスとシェアオフィスの入居者、さらには地域コミュニティがつながりを持てる交流会も企画していくそう。

 【入居者】

入居者は家を持たず、東京中でノマド(遊牧民)的な暮らしをしてきた人やフリーランスとして個人で活動している人がいます。

そのため、一般的なオフィスや一定のテーマを定めたシェアハウスとは異なり、所属、職種を超えて人々が同じ空間で、それぞれの仕事をする場になっています。

1階のカフェダイナーやアパレルショップといった、入居者と外部の人が行き来するスペースがあることで、自分の住む家が新しい原宿文化の拠点となるかもしれないという期待も大きいようです。

【意識分析】

ここでは明確な目的意識を持っている人というわけではなく、ありとあらゆる人が集まり、つながること自体に可能性・魅力を感じて入居していると考えられる。

予期せぬ出会いや偶然によりアイデアが生まれ、それをきっかけとして新サービスも立ち上がっており、様々な事例が広告となり人々を引きつけているため、個人的な成功を夢みて入居する人もいるでしょう

しかし、このシェアハウスでは「この生活すべてをシェアする場所が、なにが起こるかわからない中で街の安心基盤となり、新たな魅力を生み出していくかもしれない」という街を巻き込んでいくシェアハウス自体へ強い可能性を感じているのではないでしょうか。

 

■コネクトハウス 【課題収束・同類圧力型】

ベンチャーキャピタリスト・各著名人主催の、企業家精神と能力を同じ志をもつ仲間と暮らすことで育むシェアハウス。

コネクトハウス1

コネクトハウスでは、一定のコンセプト(現在は「食」)を設け、同じ目的・興味を持つ仲間と切磋琢磨することで、知識やチャンスをシェアしながら絆を深め、共に「ゴール」をめざすために必要な場を提供しています。

ただ仲間を集めるだけでなく、夢を実現させるための段階的システムが用意されており、入居者は以下のような流れを通して「ゴール」をめざしていきます。

・有識者レクチャー

各分野の専門家やビジネスアドバイザーの方を招待し、入居者との交流会やレクチャーを行っている

・仲間との追求

同じ夢を持つ仲間と語り合い追求する、悩みを相談し共有するという関係を築くことができる。だからこそ、夢に向かって前進していく力を維持することができる

・独立コンペディション

入居者同士でチームをつくり、ビジネスプランを作成しプレゼンするというもの。その実現可能性・独創性・プレゼンテーション技能を審査され、勝者には金銭的報酬や弁護士・経理・不動産サポートが与えられる

コネクトハウス2

【入居者】

一定の夢を抱いていることが入居のための条件であり、入居前に審査を行うことで、入居者を限定しています。

現在は「食が好き」「食のプロを目指したい」という方が暮らしていますが

・食材商社、第二のキューピーを目指す ・オーガニックカフェを開業したい

・お惣菜屋を営みたい

のように、各入居者がそれぞれ目的意識を持っているようです。

入居動機として、

「失敗はできないと思い、少しでも多くの食への関心の高い方たちと新たな人間関係をつくたいと思い、入居を決めました」

「入居者みんなで協力して何か1つのものをつくり上げてみたいです」と入居者達は語っています。

【意識分析】

ここではモノの共有よりも知識の共有をしたいということが大きいのではないでしょうか。各入居者の少しずつ違う専門知識や得意分野を、ある一定のテーマに基づいて共有し、追求していくという関係を築くことができることに魅力を感じている人が多いようです。

志や目的を共認している仲間がいるからこそ感じることのできる「仲間が見ているから頑張らなきゃ」という圧力・「いざとなったら仲間がいる」という期待に可能性を見いだし、1人で実現できることの限界を感じている人が増えているかもしれません。

現在では、単に経済的な理由だけで「シェア」を選ぶのではなく、そこに自分が帰属するコミュニティがあることが重要であるようです。

このシェアハウスでは(夢の)実現までの段階的サポートが具体的に提示されていることで、より鮮明な実現イメージを抱くことができるのも注目を集める理由だと考えられます。

 

■ペアレンディングホーム

ペアレンティングホームは子育てと仕事を楽しく両立することを目的とした日本初シングルマザーシェアハウス。

ペアレンディングホーム1

「働くこと」「子育て」両方ともに全力投球をしなくてはいけない人たちに、新しい住まいの選択肢をつくることで、子育ても仕事も両立してほしい。そんな思いからペアレンティングホームが産まれました。

特徴は大きく3つ。

①『子どもがきょうだいのように育つ』。

②『子育ての仲間ができる』。

(お互いの経験を共有できる仲間がいる=お母さんたちにとっては大切な条件)

③『チャイルドケア』を共有できること。

(チャイルドケアシッターさんを雇い、週に1~2回、17時~21時の間、夕飯の準備と、子どもたちの見守り保育を行ってもらうことで、自分の時間をつくることができ、前向きに楽しく両立できる環境が整っていく。)

【入居後フロー】

日々生活していく中で、様々な人と交流し、自分の趣味を取り入れながらライフスタイルを構築していきます。といっても入居者のみで構築するというわけではありません。

建築家秋山氏をプロジェクトリーダーとして、様々な分野のプロが共に追求を行ってくれます。その追求過程ではそれぞれの専門分野を持ち寄り、お互いがフラットに仕組みを作り上げていくことで、母親だけでは・プロだけでは思いつきもしなかったようなプロジェクトをみんなで実現しているようです。

【入居者】

シングルマザー限定としてつくられたシェアハウス。「一人で子育てするのが、不安。」「自分の時間も欲しい・・・」そんな欠乏を持ったシングルマザーが入居中。

「みんながいる安心感や、話や相談ができる相手がいることが心強いです。」

「子どもたち同士が遊んでいてくれるので、手が空いて助かります。」

「気持ちを共感してくれたり、親身になってくれるのが、うれしい!」との声があがっている。

ペアレンディングホーム2

【意識分析】

・お金を払って保育園に子供を預ける(サービス消費者的行動)のではなく、互いの子供を、他の入居者に任せることで、シングルマザー同士日々の中で信頼関係をつくりあげ、「家族以上友達未満」の新しい集団を形成していきながら、生活していくことで日々充足と活力を得られる。

・シングルマザーも年々増えてきており、男性や児童施設等に全て頼るという意識から、「同じ志をもった母親同士で生活を共にすることで、安心できる」というように、女性同士で生活を共にする「自給・自足思考スタイル」に変化し、自立度が年々高くなってきている。

・子供が大きくなったとき、シェアハウスを訪れるなど親と子全てのメンバーが家族と同じ位置関係になり、「また帰ってきたくなる」ような新たな集団の居場所形成の場となっていくのかもしれません。

 

■糸島シェアハウス(家族経営型シェアハウス)

食べものやエネルギーなど、くらしを支えるものが手元にやってくる過程が見えにくくなってしまっている現代の生活。見えない大きな何かに依存したくらしから一歩進みたいということで、去年築80年ともいわれる古民家の糸島シェアハウスをスタートさせた。

狩猟女子2

ここには、”自分たちでくらしをつくる”を実践する為にさまざまな個性をもった人が集まっている。

・「烏骨鶏を育て、猪を狩り、自分たちで絞め、捌いた肉を食べる」

・「リノベーション」

・「太陽光パネルでの発電機設置」「オンドル(韓国式床暖房)設置」等々・・・

極力必要なものは自分たちでつくることを大事にしている。(猪の肉をiPhoneと交換するなど、”物肉交換”にも取り組む。)月の食費は約5000円ほど。

「居間」を使ってマルシェが開かれ、地元の人や移住者が集まり、毎回70人程が集まり、「鶏をしめて食べる」などのワークショップも開催。自分たちの場を活かしながら、自分たちが外に出なくても稼げる仕組みづくりと同時に、地域の人のコミュニティづくりも行う。

狩猟女子1

【入居者・入居後フロー】

糸島シェアハウスに集まる住人は「一人一芸」を条件に集まっている。

・運営者 畠山千春さん:「広報」と猪などの「狩り」。

・運営者 志田浩一さん:猟師で料理人・・・

・農業を勉強している子は「農業」、音楽家は「音楽」、酒蔵に務める女の子は「発酵」等々・・・

各メンバーの得意分野を活かした担当が決まっている。できないことをカバーし合えるメンバーが集まっているのが心強い。くらしの中にある「しごと」も個性を合わせながら生み出していく。

 

【意識分析】

・今ある生活に何かをプラスすることを目的としたシェアハウスとは異なり、今の生活を全てゼロ(脱にして、新たな生活をスタートさせる、まさに「脱市場・脱お上の自給集団」と言えるだろう。さらに、自給するには、仲間が必要なので生活のためにみんなで力を合わせることで自給生活ができていく。生き抜くためにはどうするか?といった根源的な問いを考えること自体に大きな可能性を感じる。

・田舎暮らしは良いこともあるが、必ずしもそれだけない。田舎暮らしは”みなが思ってるほどユートピアじゃない”とも言える。「外に依存しすぎずに自分たちだけで暮らしをつくっていく」とは言っても、外との関わりを断つのではなく、自分がいる地域とのコミットを意識してくらしをつくっていこう、という意識が失いかけている集落の復活にも大きく影響してくると感じた。

・各自それぞれの役割を担い、課題収束することで充足し、さらに次の課題を担いたい、実現したいという目標や思いも日々の中に自然と生まれてくる。そんな刺激のある日々を追い求めているのだろう。

 

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以上のように、それぞれ違った目的やサービスを持っているシェアハウス。

 

魅力的で注目されているシェアハウスはどれも「みんなと一緒だからこそ実現できる」ということをウリにしており、入居者の入居動機にもこの意識に基づいていると言えるのではないだろうか

 

その中でも、「なにを実現するか?」には問題意識や集団への意識において段階があるようです。

・問題意識

→理想の自分になることを目指すという「個人の課題解決」を考えるものと、よりよい社会を創っていきたいという「社会の課題解決」ものがあるようです。

・集団への意識

→入居者同士のあり方として、シェアハウスのサービスや他人へ可能性を求めるといった「消費者的な意識」と1つの課題に対して明確に互いの役割などを認識し、自らも積極的にみんな可能性の一部となる「主体的な意識」があるようです。

 

1人で住むことに疑問を抱き、みんなで住まいを共有し、様々なことを実現していきたいと考えている入居者たち。

これは「なにが起こるかわからない現在」において大きな可能性かもしれません。

改めて「自分の住み方」について問い直してみると新たな自分の生き方き気づけるかも?(*^_^*)

 

 

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