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2017年03月22日

日本でいちばん大切にしたい会社④ 地域の生活インフラを支える中央タクシー

長野オリンピック後に県内トップの売上に躍進した中央タクシーですが、業界全体を見てみると、パイ自体の縮小、供給過剰といった市場の影響は避けることができません。そこで考え出されたのが1999年から始まったジャンボタクシーによる「空港便」でした。
今回も「お客様主義」を貫く中央タクシーについて「日本でいちばん大切にしたい会社3」(坂本光司法政大学教授著:あさ出版発行)で検証しましょう。
「空港便」は元々、宇都宮恒久社長(当時)の師匠であるMKタクシー青木社長(当時)が京都市内から関西空港への乗り合いジャンボタクシーを運行していた実績から薦められた企画でした。

写真はコチラからお借りしました

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ところが長野県松本空港では1日数便しかなく、しかも搭乗率50%弱なので、乗り合いの採算は取れません。そこで宇都宮氏は長野から成田空港までのコースを用意し、当時のJRより安い一人8500円という価格設定でスタートさせました。
しかしながら当然赤字になります。例えば、一人でも要望があれば、お客の自宅(長野市)から成田空港まで車を走らせますが、帰りは空です。1回の運行で数万円の赤字になります。お客が二人になっても搭乗便が違えば結局車を2台走らせるので赤字も二倍。そんな状態なので赤字はどんどん増えていきます。

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これでは本業の足を引っ張りかねない」と撤退を考え始めたこともあったそうですが、それでも踏ん張ったのは、お客の評判が大変良かったからでした

「 お客様が先、利益は後 」

この考えに支えられ「もう少し頑張ればどこかで逆転するはずだ」と信念を持って続けた半年後ようやく逆転、7ヶ月目には黒字になったのです。 現在ではこのサービスが中央タクシーの売上の約60%を占めるほどにまで成長しています。地域に根付いているからこそ、地域のニーズを掘り起こし、新たな市場を開拓したと見るべきでしょう。

このようなお客様主義を貫いている中央タクシーには様々な感謝の声が届きます。

「私は障害をもっているがゆえに、相手の言葉に心があるかどうか、非常に敏感になります。きちんとした資格をもった方が来てくれることは大変安心感にもつながります。(中略)500円で得られる、生きていく為の力に心から御礼申し上げます。皆様どうぞご自愛ください。」

という手紙があります。 中央タクシーには、社で講座を開いて養成したホームヘルパー2級の乗務員が10名いるのです。
そんな乗務員の一人がある日、お客を迎えに行くと、タクシーに乗らない電動車椅子のお客でした。普通であれば断ります。しかしこの乗務員は「バッテリーをとれば何とかなるかもしれない」と考え、電動車椅子を分解して乗せたのです。目的地の病院に着くと再び組み立てますが、通常であれば10分で済む往復が1時間かかりました。これはマニュアルに書いてある接客などではなく、乗務員独自の判断によりますが、「お客様第一主義」という理念が、既に血肉となっているからこその接客なのです。

「私は社員に『タクシーの仕事というものは、お客様の人生に触れる仕事だ』と言っています。『たかがタクシー、なんて考え方のやつは出て行け』と言うわけです。障害のあるお客様が、時に障害があるがゆえに、生きる力が萎えるときもあると思います。そのときに中央タクシーに乗って、運転手の働いている姿や接遇、人柄に触れたときに、生きていくための力を得ることができるとおっしゃってくれている…。このお客様に生きる為の力を私達は与えている。つまりこの障害あるお客様の人生に触れているんだと。私達はこのおばあちゃんの幸せを作っているのです。こんな素晴らしい仕事はないでしょう」

タクシードライバーからすれば、仕事はお客を目的地まで車で運ぶこと。1日何組ものお客を運ぶのですが、1組あたり10~30分程度でしょうか。その短い時間だけを見れば「お客様の人生に触れる」なんて言葉は大げさに思えるかもしれません。しかし客目線で言えば、病院であれ、駅であれ、大事な取引先であれ、目的にきちんと着くことで人生が開かれる、云わば次のステージへの橋渡し役になっていることもあるのです。特に高齢者や障がい者など交通弱者と呼ばれる方々にとって、タクシーは大切な生活インフラの一つ。そのインフラを支える、というのが中央タクシーの「志」だと思います。

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