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2019年10月09日

福祉は かわいそうから 面白そうへ

介護福祉業界に新風を巻き起こす革新者がいる。NPO法人Ubdobe(ウブドベ)岡勇樹代表だ。岡さんは1981年東京生まれ。3歳から8年間アメリカ合衆国で生活し、帰国後DJ・ドラム・ディジュリドゥなどの音楽活動を始める。21歳で母を癌で亡くし、後に祖父が認知症を患ったことをきっかけに音楽療法を学びながら高齢者介護や障がい児支援の仕事に従事。29歳でNPO法人Ubdobeを設立し代表理事に就任。現在は医療福祉系クラブイベントの企画、デジタルアート型リハビリテーションの開発、各種行政からのイベント制作やコンテンツデザインなどの受託事業を展開している。

画像はコチラからお借りしました

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岡さんのイベントでは、渋谷のクラブでDJやライブの合間に、いきなり高齢者介護や障がい者福祉の講演を挟み込む。常識的にはミスマッチ。だが、若者を福祉の世界に巻き込みたいという想いから。福祉は何も真面目な顔をして世のため人のために苦しい作業をしなければならない仕事ではない。笑いあり、感動あり、驚きがある、もっと楽しい世界だよ、というメッセ―ジだ。

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2025年頃、日本の要介護者は約700万人になると推計されているが、これに対応できる介護職員数を確保できる見込みはなく、このままでは介護難民の増大が危惧される。さらに介護という職業は「3K」と言われ、自らその道を選んで入ってくる人ばかりではない。むしろ就職担当窓口の現場では、就職試験に失敗した人に対し最後に切るカードみたいなところさえある。最初から屈折した気持ちで入ってきて楽しいはずがない。

福祉の世界を特別扱いせず、正しい人じゃなくても、良い人じゃなくても、誰もがアクセス可能で、認知症、自閉症、知的障害など、様々な人たちが持つ独自の視点や世界観や能力を知り、互いに楽しみ合うような新しい経験の創造。究極的には福祉という固定観念を変えようとしている。

クラブは騒がしい。介護職に就くor就こうとする人にはクラブ未経験者も多い。岡さんはそういう人向けに、静かな場所で話し合うトークイベントも月一で開催している。そこでは一つの課題解決をテーマに、話し相手を変えながら、会場をあちこちに動き回るグループワークを4回転。その後、参加者が自由に交流するフリータイムがある。つまりここは福祉に関する学びの場であり、人との出会いの場でもある。これは福祉版合コンと言ってイイ。そんなの「動機が不健全」と言う人もいるかもしれない。しかしそれが普通の若者のリアルな姿。福祉の世界にだけ許されないという理由はない。本音や欲望も含めて人間というものを受容できなければ、介護や福祉の世界に係わる人たちを増やすことはできない。

岡さんはデイサービス施設や福祉系学生と共同で、施設利用者を定期的に外に連れ出す活動もしている。その際に、障がい者や高齢者自身にガイド役になってもらい、それを福祉系の学生がサポートしながら、一般の方々にお客さんとして参加してもらう体験型ツアーに仕立てようとしている。岡さんは、これを「全人類参加型エクスペリメンタルエンターテイメント」という表現をしている。障がい者、高齢者に「先生」になってもらうことで、参加者が彼らの目線を獲得することの楽しさや人間的成長を目的とした事業なのである。

さらに介護・福祉業界で働くイケメン・イケジョを街で撮影し、写真集をアップロードする活動も行っている。次の展開としてはファッションショーも企画中とのこと。「この業界の制服はダサいから」と笑う。

「実際に入ってからの実態との違いをどうするつもりだ!」古くから業界にいる人たちからそんな声も聞こえてきそう。

しかし離職率16.6%が示すように福祉・介護現場で実際に働く人たちのモチベーションさえも危うい中で、岡さんは自分の好きな音楽やライブを活かしてこの状況を変えようと挑戦しているのだ。彼は福祉業界に多様な活力ある人材を引っ張り込み、ロールモデルを作り出そうとしている。
岡さんは問いかける「介護の3Kって言葉を知っていますか?」 そして意外なことを言う。

「『かっこいい』『かわいい』『けっこうおもろい』の三拍子のことなんだけど、本当にそう。今日みたいな雪の日でも嵐でも大地震が起きても、施設やおうちには利用者さんがいます。電車が動かないから、とか言っていられません。何とかして相手の居場所に辿り着いて必要な介護技術を施す。これは全ての対人援助職に言えることだけど、そこに誰かがいる限り向かっていくというのはレスキュー隊やドクターなどと一緒。こういうことを世の中では、「きつい」「汚い」「給料どうのこうの」と言っているのでしょうか?ネガティブなイメージを克服する時代はもう終わりました。最初っからポジティブ思考全開でアグレッシブにクリエイティブに世の中を作っていきませんか?」

業界を変える力は、その業界とは全く異なる世界の経験やセンスからもたらされる。

※参考図書「日本の革新者たち」(齊藤義明 著:㈱ピー・エヌ・エヌ新社)

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