2021年04月13日
遊ぶ時間すら奪われる子どもたち
「みんな外遊びしてる?」
→「友達がみんな習い事に行ってるから、外遊びする相手がいない」
最近生徒と話していて、一番ショックだった言葉です。
本当は仲間と思いきり身体を動かしたいので、相手がいない。
さらには、思いきり身体を動かせる場所も少ない。
ある公立学校では、川を挟んで対岸にある地域で最も大きな公園に、
「学区外だから、遊びに行ってはダメ」というルールまであるらしい。
遊びに不可欠な、「仲間」「時間」「空間(場所)」という三つの要素が、奪われているのです。
誰が奪っているのか?
それは、他ならない我々大人なのです。
※ある調査によると、習い事をしている子どもの割合は、、、
3歳:約30%、4歳:約50%、5歳:約70% となっています。
4歳くらいまでは、運動や遊びにつながる習い事が多いですが、5歳になると途端に「塾」に通わせる親が増えてきます。
子育て不安→学歴が唯一の収束軸→就学前から勉強圧力 が当たり前になってしまっているのが現状。
本気で未来を考えるのなら、「子どもたちの遊び本能に蓋をしないこと」。
それが我々大人にできる唯一のことかもしれません。
※このブログでも紹介をしましたが、「遊びは人間に備わっている本能」。
それを奪うというのは、本能を封鎖させるということと、同じくらい罪深いものなのです。
以下、第34回母子健康協会シンポジウムより引用
>4.教育との違い
教育というのは、好奇心や自発性とは関係なく、あることを身につけるため、強制的に学習させることが一番の違いです。例えば、ひらがな、漢字、足し算、引き算を学習させるとか、ピアノを習うというのは、この例として既におわかりだと思います。
5.遊びと現代の子どもたちの問題
遊びと現代の子どもたちの問題として、私の感じていることを述べさせていただきます。
(1)三間がない
いわゆる仲間遊びに必要な「三間」ですね、遊ぶ仲間、遊ぶ時間、遊ぶ空間(場所)がない、これは既にご存じのことです。
(2)粗大運動発達からみた仲間遊び
東京都の、保健所とか、健康サポートセンターで二次健診をやっていますけど、ここ二、三年以上前から、歩き方がおかしいという1~2歳の幼児が増えております。昔は、そういう子どもたちは、足の形がおかしいとかの整形外科的疾患が多かったのです。ところが、これらの子どもたちの大部分は、十分に歩かせていないということなんです。それで、ここで皆様にぜひ知ってほしいのは、歩くことでも、反復練習を行うことです。たくさん歩かせるということです。そうすると、今度は歩き方の質が成熟して行くということです。
>ここに、これからお話しする移動遊具を使用した園における仲間遊びの重要性があるわけです。この仲間遊びがちゃんとできる前に、0歳児保育からの歩き込みということをぜひ心がけてほしいと思います。とにかく車で連れ歩かない。歩かせる。一緒にいろんなことをするということは、子どもにとっては大切なことなのです。
>それから、今の子どもたちで、積極的に遊べない子がいるのです。そういう子どもたちの原因の一つとして、親に丸ごと受け入れられてなくて育てられていることが挙げられます。昔は、いいことも悪いことも、うちの子は丸ごと親が受け入れていたのです。ところが、今のお母さんたちは、いいことをすれば褒めますけど、悪いこと、自分の気に入らないことをすれば怒るのです。そうすると、子どもの心に、十分に愛されていない、受け入れられていない感情が芽生えますので、積極的に遊ぶとか、何かをすることが、非常にしり込みをするようになるのです。ですから、保育園で十分に遊べない子どもとか、仲間遊びができないような子がいたら、みんなでその子をかまって、十分受け入れて、安心させて遊べるようにするというのが一つのことじゃないかと思います。これは言うは易し行うは難しいですけど。それでその方法として、ここに、エリクソンから見た遊びの心理社会的発達のことが書いてありますけど、とにかくそういう子がいたら、ここに書いてあるように、「赤ちゃんは空腹のときに乳を与えられ、おむつが濡れて不愉快なときにかえてもらい、抱いてほしいときに抱いてもらうとヒトに対する信頼感が生じる。反対に、空腹でも乳を与えられず、抱いてほしいときに抱いてもらえないとヒトに対する不信感が生じて、悪い影響を及ぼす」と。ですから、もしそういう子がいたら、とにかく子どもをかまって、育て直しをしてほしい、というのがここに書かれていることです。
=引用終わり=
- posted by 岩井G at : 20:37 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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