☆ランキング☆
にほんブログ村 経営ブログへ

最新記事一覧

最新コメント

最新トラックバック

2021年08月03日

子どもたちの「新しい遊び環境」

子供にとって外遊びの経験が、大人になってからの生き方(社会性、人間性)を規定しているということは、当ブログでも何度か取り上げています。実際、子供たちは外遊びを通して、心底にどんな変化が起っているか、どんな能力を習得しているでしょうか。子供たちが使う遊具計画を追求している教育者の論文で明らかになりました。

以下、CHILD RESERCH NETより引用します。

●子ども時代に必要な運動とは
子どもが10歳になるまでにどれだけ多くの動作を経験したかという「動作の多様性」や、どれだけ身体を動かす経験をしたかという「運動量」は、子どもの身体能力だけではなく、認知力や情緒の発達にも影響を及ぼすのではないかといわれている。最新の科学的研究によると、運動が子どもたちの知的学習プロセスや集中力、社会性を発達させることに何らかの影響を与えるとも指摘されている。

にほんブログ村 経営ブログへ

本校が導入したKOMPAN遊具のふるさとデンマークでは、国家プロジェクトのひとつとして体育理論の研究が進められているという。

ちなみに、社会福祉の先進国として知られるデンマークやスウェーデンといった北欧諸国は、子ども向けのおもちゃや遊具についても優れている。そのデザイン性だけではなく、機能性も含めて子どもの成長や発達についてよく研究されているからにほかならない。では何故、北欧諸国が進んでいるのか? それは人口が少ないこと、社会福祉が進み、女性が仕事を持ちながら子育てをする環境が整っていること、子どもが安全に遊べるような環境を必要としていること、そして「子ども」を社会の資本として捉えていることで、よりよい成長や発達の必要性が十分に理解されているということだろう。
つまり、国をあげての子どもへの手厚い教育行政がなされているといえる。

「遊び」と「学び」
「遊び」を通して人は考える筋肉を鍛えている。誰もが体験を通して「遊び」の楽しさを知っている。「遊び」は子どもの成長の中では、なくてはならないものである。
子どもの「遊び」は、「動物進化を追体験すること」だというユニークな仮説がある。「子どもが木登りを好むのは、かつて人類が猿から進化したからではないか」というもので、ヒトは「遊び」を通して、人類のDNAの中に残されている魚類から両生類、爬虫類、原始哺乳類から猿人への進化の過程を子ども時代の短期間に追体験しているのではないかというものだ。以下に子どもの「遊び」を分類した例を挙げる。

サカナ型活動…水遊び
カエル型活動…泥遊び
トカゲ型活動…はいはい
ネズミ型活動…いないいないばあ、隠れんぼ、穴掘り
サル型活動…木登り
ヒト型活動…追いかけっこ、乗り物、ごっこ遊び

子どもの「遊び」を観察していると、まるで子犬が駆け回るような姿と重なる部分が多く、共通性も見られる。故に、動物進化の追体験という仮説も経験的にうなずける部分があるだろう。

「遊び」の持つ可能性や重要性を認識したことで、単なるジャングルジムやブランコといった運動遊具の設置計画から、まったく新しい「子どもたちの遊び環境」の整備という教育プロジェクトへと移行していった。

「子どもたちの遊び環境」整備プロジェクト
新しい遊具の導入に際して、まず「遊び」についての認識を積極的に捉えなおすことから始めた。計画にあたっては、(1)学齢期の子どもが自分から自発的に「たのしく」身体を動かせること、(2)子ども同士のコミュニケーションが生まれること、(3)1年生から6年生までと幅広い年齢層の子どもたちが一緒にも、あるいは別々にも遊ぶことができること。この3点を重視しながら国内外から幅広く情報を集めていった。公園や学校などに設置された各メーカーの遊具を見て歩き、複数の遊具メーカー担当者の話を聞いた。

長い準備期間の末、「遊び」の持つ創造性や教育的価値を体現するような「遊び環境の整備」を実現するために選んだメーカーは、ボーネルンド社という日本のおもちゃメーカーが輸入するKOMPAN(コンパン社)というデンマークの運動遊具メーカーだった。ボーネルンド社からは「遊びこそが子どもたちを育み、その子どもたちが未来をつくる。つまり、遊びが未来をつくる…、だからこそ豊かな遊び環境の創造が必要」という考えを聞き、まさに立教女学院小学校の目指す、創造性のある「遊び環境」を一緒につくっていくことができるだろうということになった。

(中略)

③遊びの三つのポイント
遊びには三つの大事なポイントがある。
・「遊び」は本来楽しいもの…楽しいからこそ意欲が生まれる
・「遊び」は自由…監視や強制されて行うものではない
・「遊び」にはルールが必要…子どもたちの世界

★なぜ、動物進化を追体験する必要があるのかは追求ポイントですが、それら経験の有無が社会性や人間性を規定している事実がある以上、無関係とはいえなさそうです。生物史を遡って追求してみます。

 

コメントする

comment form

trackbacks

trackbackURL: